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「なんでキスする時って目を閉じるんですかね?」
・・・や、その前になんでそんな事聞くんですかね?
目の鼻の先で、新八の目が不思議そうにキョロリと動くのが見ながら、
俺は心底そう問い返したかった。
神楽が居ない昼間、新八もある程度家事を終えて、俺と二人、
まったりと肩を並べて座ってテレビを眺めていた。
だが、流れているテレビの内容は、俺にとっては興味のない
話題ばかりのニュースで。
しかも、隣に新八が居たりするものだから、自然と手が新八の
肩へと回るわけだ、うん。
それでついついその細っこい首筋を撫でてみたり?
やわっこい耳たぶを指先で遊んでみたり?
片手に掴めるほどの小さな顎をじっくりと堪能したりした訳よ。
そしたら新八のヤツ、止めてくださいって言いつつも、クスクス笑って。
お返しですって言って、俺の横腹なんて擽ってきたりして。
まぁ、ぶっちゃけイチャコラしてた訳だ、うん。
で、そんな事してたらチューの一つもしたくなるって訳で。
寧ろお付き合いしてるんだから、そうなるのが当たり前な訳で。
クスクスと肩を竦めて笑う新八の顎を取り、
そっと顔を近づけた所で・・・さっきの言葉だ。
本当さ~、なんでこの雰囲気でその台詞ぅぅ!!?
違うよね?ここはもっとチューかまして、甘々なイチャコラ続行。
出来ればその後のニャンニャン的な
ものまでお願いしますっ!!
って状況だったよねぇ!?
銀さん、読み間違えてないよねぇ!?
だが、先程まで漂っていた甘い空気が粉砕した中、
新八は俺と向き合ったまま不思議そうに首を傾げている。
・・・や、その仕草も可愛いけどね?
銀さんとしては、もっと他の
可愛い新八君が見たかったですっ!
カクリと肩を落とすが、いや、まだ今なら戻れるかもしれないっ!
と、再度新八の頬へと手を添えてみた。
「・・・なら、開けたままでもいいぜ?」
そう囁くように告げ、俺は新八へと顔を寄せる。
うん、そうだよ。まだあの甘い空気は残ってるって!
ほら、見えるだろう、銀時。
微かに漂う甘い空気の残滓がっ!!
アレを手に入れられなくて、何が糖分王だコノヤロー!!
「やですよ、そんなの。
あ、もしかして目の前の現実から逃避する為ですかね?」
「って、どう言う意味だコノヤロー!!!」
何この子、本当は銀さんの事が嫌いなんですか!?
それとも手の上で転がして遊ぶ、小悪魔ちゃん気取りですかぁぁ!!?
そんな勢いのまま、つい添えていた手でミョーンと
頬を引っ張ってしまった訳で。
あ、完全に消えたわ、甘い空間。
最終的に消したのは俺かもしれないが、
何事も過程と言うものが大事だ。
なので俺は悪くない。
痛い痛いと新八が喚くが知るもんか。
絶対今の俺の胸のほうが痛いからね、コレ。
結構繊細な作りしてんだから、取り扱いには注意して下さいっ!
そうは思っても、もう先程の空気は取り戻せないわけで。
で、俺はと言うと、実は結構雰囲気を大切にする方だったりする訳で。
こりゃ~仕切りなおしは無理だな。と、大人気なくも臍を曲げて
俺はソファにダラリと体を預けた。
「で、何?新八は銀さんとチューすんの、現実逃避したく
なるぐらい嫌ってぇ事?」
あ~、そりゃ悪い事しましたね。ケッと言葉を吐き出すと、
突然新八の顔が間近へと寄せられた。
「違いますよっ!そうじゃなくて・・・」
そう言ってますます近付く新八の顔と、微かに触れる柔らかい感触。
驚いて目を見開く俺の目の前には、やっぱり目を閉じた
頬の赤い新八が居て・・・
「・・・恥ずかしすぎて、逃避したくなるってだけです」
そう言った新八に、俺は幸せすぎて逃避しそうになった。
ま、絶対しないけどな、そんな勿体無い事。
「で、何であんな事言ったのよ?」
あの後、甘い空気も元に戻り、思う存分唇を交わした後・・・と言うか
今も現在進行形で新八の頬や目蓋に唇を落としながら
先程の疑問を投げかけてみた。
「・・・だって銀さん、時々目、開けてるでしょ」
僕は絶対閉じちゃうから、不思議で。と頬を赤く染め、
恥ずかしそうに言う新八に、あ、バレてたか。と、誤魔化しも兼ねて
一つ、唇を落とす。
「ね、なんで閉じちゃうんですかね?」
「さっき新八が言ったような理由じゃね?」
ちなみに俺が時々目を開けたままなのは、先程の理由だ。
目の前にある幸せを、ちゃんと確認しておきたいのよ、銀さんは。
・・・ま、恥ずかしそうにしている新ちゃんの顔を見てたい
ってのもあるけど。
「じゃあ恥ずかしいのがなくなるくらい慣れれば、
僕も閉じずに居られますかね?」
そう言って擽ったそうに竦める首筋にも、一つ唇を落とす。
で、おまけにペロリ。
「何、そんなに銀さんの顔を見てたいの?」
からかい混じりにそう言えば、はいそうですよ。と直ぐに答えが
返ってきて、序に鼻先にも唇が返って来た。
「だって銀さんの事は全部知っておきたいですもん」
ニコリと笑い、俺の額へと可愛らしい音を立てて唇を
落としてくる新八に、今度は迂闊にも俺が目を閉じてしまった。
あぁ、チキショー、勿体ねぇっ!
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四万打お礼企画・第一弾。
姫りんご様からのリクで
「今までで最大にあま~い銀新」と言う事でしたが・・・
どんな感じでしょう?甘くなりましたかね?(ドキドキ)
最近、うっかりしなければ甘いものを書けなくなってた
ものですから・・・(おいι)
こんな感じになりましたが、少しでも
気に入って頂けたら嬉しい限りですv
企画参加、本当に有難うございましたv