忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




その日、万事屋では何時もの光景が繰り広げられていた。

銀時はダラダラとジャ○プタワーを積み上げ、神楽は
ソファに寝転び、同じようにダラダラと酢昆布を齧りながら
週刊誌チェック。

そして一人家事に勤しむ新八は・・・

「アンタ等、少しは手伝うって気にならないんですかっ!」

箒を片手に怒っていた。
その様子に、チラリと視線を向けた銀時だったが、
すぐに視線を戻し、ヒラヒラと片手を振る。

「いやいや、気持ちはあるんだよ?気持ちは。
でもさ~ジャ○プが俺を呼んでる訳よ、うん。
これってさ、しょうがなくね?」

「私は気持ちもないけどナ」

「ちょ、神楽っ!オマエソコはあるって言っとけって。
言うだけならタダなんだからよぉ

「いやアル。私は自分に素直な女ネ。
心にもない事は口にしないアル」

「それが言えるのが大人ってもんなんだよ。
あ、新八イチゴ牛乳持ってきて~」

「そんな腐った大人にはなりたくないネ。
あ、新八酢昆布がもうないアル。買って来てヨ」

二人の全く悪びれない態度に、新八は持っていた箒を
勢い良く床に叩きつけた。

「それぐらい自分でやれやっ!
もうあんた達なんて知りませんからねっ!!」

・・・とは言うものの、ついやってしまうのが新八な訳で。

新八は怒りながらも台所に行き、それでもせめてもの抵抗・・・と
二人にお茶を入れると、買出しに行ってきますっ!と肩を
怒らせたまま外へと出て行った。

「・・・イチゴ牛乳って言ったのに・・・」

「私の方はきっと大丈夫ネ。」

物凄い音を立てて閉められた玄関の音に、ノソリと二人は起き上がり、
銀時は目の前のお茶を見詰めて肩を落とし、神楽はニシシと笑みを
浮かべる。
それを見て、銀時が器用に片方だけ眉を上げた。

「判んねぇぞ?新八、結構怒ってたからな。
無理矢理にでも忘れてくるかもしんねぇぞ」

「そんな事ないネ。私は酢昆布の存在感を信じてるヨ!」

「・・・いや、ソコは新八を信じてやれよ」

それより今日の夕飯なんだろうな~。そう言って銀時は再びジャ○プへと戻り、
神楽も週刊誌へと意識を戻していった。

隅の方では、定春が大きな欠伸をしている。

それは全く何時もの万事屋の光景で。
ほんの少しの変化も見られない、ある訳がないと誰もが信じていた
光景であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな光景から二時間後、銀時と神楽は病院の廊下を走っていた。

目指すは受付で教えてもらった一室。
そこには、先程まで何時もの様に帰ってくるのを待っていた少年が居る筈で。

って、何で帰って来ずにこんな所に居るんだ?
オマエの帰ってくるのはウチで、こんな所じゃねぇ筈だろうが。

忙しなく前へ前へと進む足とは別に、そんな疑問が銀時の頭を
駆け巡っていた。
隣を走っている神楽も同じだろう。
看護士の静止の声も聞かず、ただただ、走っている。

それは今より少し前。
新八の帰りをダラダラとしたまま待っていた銀時の元に、
一本の電話が入ってきた。

相手は新八の姉であるお妙で、何時も気丈に振舞っている彼女には
珍しく、その声は震えていた。

「あ?何かあったのか」

そう聞くと、お妙は消えそうな声で、

「新ちゃんは・・・居る?」

と聞いてきた。

「いや、今買い物に出掛けてっけど・・・何か用か?」

「ううん、用って訳じゃないんだけど・・・どうしましょう」

困った様に呟き、黙り込んでしまったお妙に、銀時は
ザワリと胸が騒ぐのを感じた。
それはとても不快な感触で。
今直ぐにでも受話器を置いてしまいたい程の衝動で。
けれど、続きは聞かなければいけないような気がして。

「・・・どうしようって、何が?」

固い声で、そう問い返す。
銀時の雰囲気の変化が判ったのか、神楽が訝しげな視線を送ってくるのを
感じたが、今はそれ所ではない。

ただ、受話器の向こうへと神経を集中させていた。

その耳に、小さな、けれど確りとお妙の声が入り込んできた。


「さっき、病院から電話があったの。
新ちゃんが事故にあって運ばれてきたって」


ねぇ、本当にソコに新ちゃんは居ないの?


問われた言葉に、銀時は先程の自分の言葉も忘れて、
キョロリと室内を見渡した。

ソコには、いつもの光景があって。

何時もの様に、新八の帰りを待っている自分達が居て。

 

 

 

・・・あれ?なんで居ないんだっけ?

 

 

 


視線の先で、勢い良く閉めたせいでほんの少しだけ開いている玄関が、
未だ新八が帰っていない事を告げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


その後、偶々家賃を回収に来たお登勢にお妙共々正気に戻され、
銀時は神楽は病院へと急いだ。

「後で私も行くからね。あっ!そんな状態で運転なんかすんじゃないよっ!」

そう言われ、ならば・・・と、銀時と神楽は定春へと跨った。

もう、頭の中は疑問符の嵐だ。

だって新八は買い物に行ったのだ。
それがなんで病院なんかに運ばれているんだ?
車に撥ねられたって、どうして?
だって新八は買い物に行っただけなのだ。
自分達の夕飯を買いに出かけただけなのだ。
なのになんでそんな事になっているんだろう。

 

なんでなんでなんで?

 


だが、それは新八に会えば直ぐに判る事だろう。

だから早く、少しでも早く、新八の所へ。

 

「新八っ!!」

やっと辿り着いた病院の一室。
その扉を開け、呼びかけてみれば、ソコには真っ白い空間と、白衣を着た塊。
そして戸惑ったような顔のお妙と、


「・・・どなたですか?」


頭に白い包帯を巻き、不思議そうにこちらを見ている新八の姿があって。



あぁ、本当。何だよ、コレ。



俺は疑問符所か、全てが体から抜け落ちていくのを感じた。


********************
四万打お礼企画第二段。
リミル様からのリクエストですが・・・すみません。
長くなりそうなのでちょっと切らせて貰いますっ!

拍手[0回]

PR

[270] [269] [268] [267] [266] [265] [264] [263] [262] [261] [260
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]