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夕方、取り込んだ洗濯物を畳んでいると、テレビを見ていた筈の
神楽ちゃんに、いつの間にか背後を取られていた。
・・・ってか重い、神楽ちゃん。
「テレビはどうしたの~?」
僕の背中に張り付き、肩から顔を出している神楽ちゃんに問い掛けると、
「今の時間はお子様の時間ネ。」
つまらないヨ。と不貞腐れた口調で答え、そのままの体勢で前へと
手を伸ばしてきた。
それにより益々体重が掛かり、僕は思わず洗濯物を畳んでた手を止め、
畳へと手を着いた。
「ちょ、神楽ちゃん!今洗濯物畳んでるから!!」
「私も手伝うネ。寄越すヨロシ」
顔を後ろに向けてそう言うと、神楽ちゃんは更に手を伸ばして
僕の手にしていた洗濯物を掴もうとした。
「いやいや、この体勢だと無理だから。
とりあえず離れて~!!」
そう言うと渋々とだが背中から離れてくれた。
僕はホッと息を吐きながら体を元に戻すと、隣に来た神楽ちゃんに
タオルを渡した。
「はい、じゃあこれ畳んでね」
「んだよぉ、もっと手応えのあるヤツ寄越せヨ~。
ペラペラの機能性が薄いセーラー服とか
フリフリレース満載なメイド服とかヨ~」
「ねぇよ、そんな服。
ってか着る人居ないでしょ、ここには!!」
何そのマニアック丸出しな服!!と怒鳴ると、以外にも真剣な表情で
タオルを畳みながら、ポツリと神楽ちゃんが答えた。
「将来的に着るヤツは居るね」
・・・え、誰それ。
思わずピタリと体を固まらせていると、淡々とした言葉で
神楽ちゃんが言葉を続けた。
「この間、銀ちゃんが通販の本、チェックしてたネ。
きっちり折ったページ、そんなのばかりだったヨ。」
「いや、なんの通販だよ、それ。
ってか誰が着るのぉぉぉ!!?」
「ちなみにお金がないから、銀ちゃん、今『つもり貯金』してるネ。
二日に一枚のチョコを、最近では四日に一枚で我慢してるネ」
「何その小学生的貯金!!!!
寧ろパチンコ行くのを我慢しろよ!
ってか真面目に働けよ、そんなのするならぁぁ!!!
・・・ってアレ?この場合は働いていいの?
あ、いやいや。それよりそれ、誰が着るの!?ねぇ!!」
些か必死になってそう聞くと、畳み終えたタオルを重ねた神楽ちゃんが
クルリとこちらに顔を向け、ニッと口元を上げた。
「ちなみに私、今酢昆布が切れてる所ヨ」
「・・・え?」
「で新八。なんとなく居間のソファ、汚れてる気がしないアルカ?」
特に裏側辺りが。そう言って笑う神楽ちゃんに、僕は静かに口元を上げた。
「僕も丁度気になってたんだ、ソコら辺」
その後、二人で偶然した掃除により、偶々見つけたお金は
速やかに酢昆布と万事屋の食費へと消えた。
なんか銀さんが嘆いてた気がするけど、気のせいだろう。
それにしてもやっぱり掃除っていいな。
臨時収入あったし、なんだか
無駄に清々しい気分になりました。
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でもきっと坂田は諦めない(笑)