忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



今日は偉大な万事屋の工場長である私の誕生日ネ。
思う存分祝うがいいヨ。

 

・・・て宣言してやろうと思ったら先越をされた。
早起きして新八を待ち構えていようと思ってたのに、
何時もの様に起こされて、ボーっとしたまま体を起こし、
ハッと思い出した時は、もう後の祭りヨ。

しかも、普段なら声を掛けてそのまま台所に行くのに、新八は
そのままそこで私が起き上がるのを待ってて、

「誕生日おめでとう、神楽ちゃん」

って言ってくれやがったネ。
全くよ~、空気読めよ、このダメガネ!!
思わず抱きついちまったじゃねぇかよ、おい。

ちなみにそのダメガネは所詮ダメガネなので、私諸共後ろに倒れた。
そしたら居間の方から物凄い勢いで、こちらにやって来る足音が聞こえて、
少しだけびっくりする。

だってこんな朝っぱらから、この万事屋内で私と新八以外に
起きてるヤツなんていないネ。

不審に思いながら顔を上げてみると、ソコには呆れ顔の銀ちゃん。

・・・さすが私の誕生日ネ。
ミラクルが起きてるヨ。

目を丸くしている私に、銀ちゃんは一つ息を落とすと、ヒョイッと私の
襟首を摘みあげた。

「オマエなぁ、幾ら誕生日だからって起き抜けにテンション高めに
してんじゃねぇよ。銀さんも新八も、ついてけねぇから。」

そう言って私を立たすと、襟首にあった手を頭へと移動させ、
ワシャワシャとかき混ぜてきた。

「ちょ、何するネ、銀ちゃん。幾ら悲劇の髪質だろうとも、
私を道連れにするのはよすネ」

「銀さんのチャームポインツを
勝手に悲劇に祭り上げるな。
序に坂田家は常に一蓮托生だ。
諦めろコノヤロー。そして
おめでとうだ、コンチキショー

最後にもう一度髪の毛を掻き混ぜ、ポンと軽く叩いてそう言うと、
今度は倒れていた新八へと手を伸ばした。

・・・ちっ!銀ちゃんにまで先を越されたネ!!

そうは思うが、悔しさはそれ程でもなく、寧ろ何だか胸がホコホコして
こそばゆい。
でも、それを知られるのは恥ずかしいので、何か言おうとするが、
口はモゴモゴするばかりで、役に立たない。

寧ろ気を抜くとニンマリと口元が上がってしまいそうネ!
これじゃあ工場長としての威厳が台無しヨ!!

とりあえず仕切りなおしネ!!と、一先ずこの場を抜けて
洗面所へと走る。

そして歯を磨き、洗顔をしながら作戦を立て直す。

今日は私の誕生日ヨ。主役の日ヨ。
脇役に翻弄されてばかりじゃダメネ。
そんなんじゃ紅○女は演じられないヨ!!

鏡を見詰め、気合を入れなおす。

よし、愚民共を跪かせるヨ、工場長!!

仕上げとばかりに両頬を叩き、洗面所を後にする。

まずは酢昆布を献上させるネ。それで後は腹いっぱいご飯を
たべさせて貰うネ。
銀ちゃんの稼ぎはアレだから、ごはん○すよは我慢するネ。
大人な私は、塩だけで十分アル。
だからひたすら米を食わせるヨロシ。
後は・・・

そう予定を立てながら居間へと行く途中、台所に二人がいる事に
気付いた。

丁度いい、このままいかせてもらうヨ。 

私は入れ直した気合のままに、台所へと足を踏み入れ、
そして再び目を丸くした。

・・・どうしたネ、一体。

呆然と台所の風景を見詰めている私に、新八が先に気付いて
動かしていた手を止めた。

「顔、洗ってきた?朝ごはんはもう出来てるから先に食べる?」

ニコリと笑ってそう問い掛けてくる新八に、私は小さく首を
振って答える。
それを見て、新八は そう? と答えると、止めていた手を
動かし始めた。

お重に詰められていく、沢山のおかず。
種類はそんなにないが、量だけはたっぷりだ。

「じゃあもう少しだけ待っててね。これ、詰めたら終わりだから」

「お~い、新八ぃ。お握り、これぐらいでいいか?」

「あ~・・そうですね~・・・神楽ちゃん、どう?」

新八の隣でお握りを握っていた銀ちゃんが新八に聞き、新八は私に
聞いてくる。

どう・・・とは、数の事を聞いているのだろうか。
とりあえず頷いておく。

見てみれば銀ちゃんの所の大皿には、所狭しと綺麗な三角形の
お握りが並んでいる。

「・・・塩むすび?」

思わず呟けば、銀ちゃんは心外そうに眉を顰めた。

「アホか。銀さんは糖の申し子よ?敵対してる塩なんて
握りこむ筈ねぇだろうが」

「や、そこは握りこんでいきましょうよ。
いやですよ、砂糖味のお握りなんて」

ちなみにちゃんと具も入ってるから。そう言って苦笑する新八に、
私はますます目を見開く。

具入りなんて、一体どんなイリュージョンを使ったネ!!

と言うか、今日は珍しく仕事が入ったのだろうか?
この状況から、二人が作っているのは弁当だと言う事が判る。

・・・折角の私の誕生日なのに・・・
そんなミラクルはいらないネ、コンチキショー。

むっと口を尖らせていると、おかずを詰め終わった新八が、
お皿を重ねながらこちらを向いた。
その顔には、満面の笑みが張り付いている。

そんなに仕事が入ったのが嬉しいのかヨ。
気持ちは判るけど、判りたくないネ。
日付超えて年が一つ増えたからって、そう簡単には
大人になれないヨ。
そんなのは思春期の妄想の中だけネ。

「遅くなってごめんね。じゃ、朝ごはん食べたら出掛けましょうか」

ニコニコとご飯を盛っていく新八に、小さく息を吐く。

・・・まぁ仕方ないネ。
幾ら偉大な私の誕生日だからって、こんなミラクル、逃せないヨ。
酢昆布大目で許してやるネ。

「そうだな。早く行かねぇと銀さん、寝ちゃいそう」

寛大な私の心境を理解する筈もなく、ダルそうにそう言うと
作り終えたお握りの上に軽くラップを掛け、脇に寄せられていた
朝食用のおかずを盆に載せる銀ちゃん。
それを見て新八は小さく拭き出し、運転中に寝ないで下さいよ。と
言うと、

「紅葉が凄く綺麗で、場所も広いらしいから。
早く行っていっぱい遊ぼうね、神楽ちゃん」

酷く楽しげな笑みを浮かべた。
・・・が、こっちとしては、訳が判らない。

「仕事じゃないアルカ?」

首を傾げてそう聞くと、新八も銀ちゃんもキョトンとした顔で
こちらを見返した。
それに私はますます首を傾げる。

「仕事って・・・何か入ってましたっけ、今日」

「いんや。今日も明日も明後日も
向こう一週間軽く真っ白だけどな」

「言わないで下さい、泣きたくなるから。」

「でもそのお弁当・・・今日仕事だからじゃないのカ?」

二人の会話にそう言って入っていくと、銀ちゃんと新八は
一瞬顔を見合わせ、次にクスリと笑った。

「仕事ならこんなに豪華なお弁当は作らないよ」

「そうそう。それに万事屋は基本、誕生日休暇優先だから。
こういう日に仕事はいれませ~ん」

「や、普段から入れたくても入りませんけどね、仕事」

乾いた笑いを上げる新八に、この弁当の本来の使用目的が
なんとなく判ってくる。

「お出掛け・・・アルカ?」

それでも恐る恐る問い掛けると、新八がやんわりとした笑みを
送ってくれる。

「そうだよ?銀さんがいい場所、知ってるんだって。
今日は一日、いっぱい遊んで、沢山食べよう?」

量だけは自信あるから。そう言う新八に、思わず抱きついてしまう。
なんか慌ててたけど、ご飯は落とすなヨ。

「量だけじゃないネ。私、新八のご飯、大好物ヨ!」

にししと笑って顔を上げると、照れ臭そうに笑う新八が見えた。

「おいおい、銀さんもお握り、作ったんだけどぉ」

無視ですか、コノヤロー。そう言って新八の手からご飯を保護し、
お盆の上に乗せる銀ちゃんに、やっぱりにししと笑う。

「判ってるネ。銀ちゃんのお握りも大好物ヨ。
加齢臭もある意味いいスパイスネ」

「おいぃぃぃ!!!そんなスパイスついてないから!
寧ろ銀さんの握ったお握りにはバニラエッセンス的なモノ
ついてるからぁぁぁ!!!」

「だからそんなお握りは食べたくないですって!!」

叫ぶ新八に抱きついたまま、近くにいる銀ちゃんの袖をギュッと掴む。

 

背後からは、ノシノシと歩いてくる定春の足音。

漂ってくるのは美味しそうな匂い。

感じているのは温かい体温。

 

仕方ないネ。今日は跪かせるのを勘弁してやるヨ。

だからいっぱい、いっぱい遊ぶネ!

 


私は頭の中で今日の予定を組み直し、もう一度ニヒッと笑った。

***********************
最初10代組で行こうかと思いましたが、やっぱりこっちでv

拍手[2回]

PR

[154] [153] [152] [151] [150] [149] [147] [146] [145] [144] [143
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]