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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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夜も更けた頃、銀時に送ってもらいながら家路へと歩いていると、
見慣れた顔ぶれと行き会った。

「土方さん、沖田さん。こんばんは」

途端、銀時は嫌な顔をするが、それを肘で突きながら新八は軽く頭を下げる。
見れば相手側も微妙な表情をしているが、それでも片手を上げて
挨拶を返してくれた。

「おう、今帰りか?」

「あ、新八ィ、後ろにストーカーが居ますぜィ」

「これ銀さんんんんん!!!!
何、沖田君、きちんと目ぇ開いてますぅぅぅ!!?」

「お陰様でばっちりでさァ。土方さんの目は
もうすぐ閉じられたままになる予定ですけどねィ」

「おいぃぃぃぃ!!!何不吉な事言ってんだぁぁ!!」

相変わらずの会話に、新八は苦笑する。

「土方さん達は見回りですか?」

問い掛けると、沖田から小さい溜息が聞こえてきた。

「そうでさァ。全く、成長期の俺には睡眠が必要だって言うのに・・・
こう言うのは今後萎む一方のヤツがやればいいのにねィ」

ね、土方さん。そう言う沖田に、土方が軽く拳骨を落とす。

「昼間たっぷり寝てるヤツが何言ってやがる」

そんな二人に、新八は またサボったんですか・・・と笑っていると、
不意に横からグイッと腕を引き寄せられた。

見ればそこにはダルそうに頭を掻いている銀時が。

「あ~、はいはい。挨拶は済んだだろう、早く行こうぜ、新八。
で、テメーラは寝る間も惜しんで税金分きっちり働けや」

ヒラヒラと追い払うように手を振る銀時に、新八は咎めるように
名を呼んだ。

銀時の言葉にピクリと眉を上げるものの、ふとある事に気付いた土方が
新八達に問い掛ける。

「新八は判るとしても、なんでオメーまで一緒に居るんだ?」

訝しげに銀時を見詰める土方に、新八は苦笑を浮かべると

「家まで送ってもらってるんです」

ま、その後何処に行くか判ったもんじゃないですけど。そう言って
少し温度の下がった視線を銀時へと向けた。
それに慌てたように銀時が手を振って否定を表す。

「いやいやいや、そこは銀さんを信じとこうよ、新八君~。」

「だって何時も言いますけど、僕一人で平気ですよ?
寧ろ家に神楽ちゃん一人を残してくる方が心配です」

「何?冷蔵庫の中身が?」

口を少し尖らしそう言う新八に、銀時が真剣な表情で返し、
酷く良い音を立てながら頭を叩かれた。

「何言ってんですか!!
それも心配ですけど違うでしょ!!」

「・・・ってか心配な事には心配なんだな」

二人のやり取りを眺めていた土方がポツリと呟く。
それを聞き、新八は恥ずかしそうに微かに頬を染めた。

「そ、そうですけど、それはほんの少しですよ?だって神楽ちゃんは女の子で
僕は男ですもん。時間だってまだ早いのに・・・」

「アイツの場合、そんな性別があったとしても関係ないように
思えますがねィ。
それに早いって言ってももう夜ですぜィ?
未成年が出歩いていい時間じゃねぇや。って事で土方さん、
俺も帰っていいですかィ?」

「あぁ、見回りが終わったらな。」

聞いてくる沖田を軽く流し、しかし・・・と土方はやる気なさそうに
頭を掻いている銀時へと視線を移した。

「それならもっと早く帰したらどうなんだ?その方が安全だろ」

そう告げる土方に、銀時は ヘン と鼻を鳴らした。

「ソレが出来たら苦労しねぇよ」

銀時の言葉に、土方と沖田は首を傾げた。

何時見ても暇そうな万事屋である。
そんな時間の掛かる仕事・・・と言うか仕事自体あるのか疑問だ。

二人の仕草に、疑問をある程度理解した新八が困ったように
笑みを零した。

「いや、仕事自体は全くないと言っても良いんですけど、
他の事が・・・」

「他の事?」

土方の問い掛けに、新八は微かに視線を上げ、指を折って話し始める。

「えぇ、まぁ夕飯はいいんですけど、その後の片付けに明日の朝食の
下準備。後は銀さんの布団を敷いて、寝巻きの用意して、
歯磨きチェックして・・・・」

「な?無理だろ?早く帰るの」

新八の言葉に、銀時は何故か得意げに胸を張り、土方は深い息を吐いた。

「テメーは・・・何処まで世話かけりゃ気が済むんだ!!
しかも何だ?歯磨きチェックって!
年上の威厳はどうしたぁぁぁ!!!!」

「新八が相手ならとことんですけど何かぁぁあ!!?
大体年上の威厳なんざなぁ、歯磨きチェックの前じゃゴミだ、ゴミ!
至近距離で見詰められてみ?顎に手を添えられてみ?
・・・シャレになんねぇから、アレ」

「マジでか!!?」

最後は真剣な表情で言われ、思わず土方も真剣になりそうになる。
・・・が、直ぐ隣から酷く白けた視線を感じ、二人は慌てて背筋を
伸ばし、小さく咳を吐き出した。

「ま、まぁアレだ。例え早く帰ろうとな、やっぱ送る事に
なると思うわ、銀さん」

顎に手を当て、軽く頷きながらそう言う銀時に、新八が不満の
声を上げる。

「なんでですか。ってか、今現在
既に一人で帰りたい気満々なんですが」

「その方が安全な気がしてきたねィ。
あ、なんなら俺が送っていきますぜィ?」

「お前はそう言ってそのまま帰る気だろうが」

沖田の提案に、土方が速攻でダメだしをすると、判ってねぇですねィ。と
緩く頭を振られた。

「なんだよ、まさか『ちゃんと戻ってきます』なんて心にもねぇ事
言う気じゃねぇだろうな」

「やだねィ、人を信じられないってのは。俺は帰る気なんて
更々ないですぜィ。
そのまま新八ん家に
泊まってきまさァ」

「サボリには変わりねぇだろうが、それぇぇぇ!!!」

怒鳴る土方と、それを飄々と交わす沖田。そんな二人を余所に、
新八は銀時を見上げて先程の問い掛けを繰り返した。

「でも本当、なんで早くても一人じゃダメなんですか?」

不満げな表情の新八に、銀時は苦笑を浮かべると、

「だってさ、お前触られやすそうじゃん?」

そう言い、ポンと新八の肩へと自分の手を乗せた。

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

 

 

 

 

 

 

 


「・・・あれ?ちょ、なんで三人してそんな目で銀さんの事見てんの?」

新八は元々だが、つい先程まで怒鳴りあっていた土方達までもが
何故か動きを止め、銀時へと視線を注いでいた。

しかもみんな、漏れなく温度の低い視線だ。

「だってそうじゃね?新八ってめっちゃ攫われやすそうじゃね?
銀さん、めっちゃ心配なんですけどぉぉぉ!!!?」

訳が判らずキョドル銀時に、土方が呆れたように溜息を吐いた。

「いやそうかもしれねぇけどな?まず自分の発言を心配しろや」

そして沖田が新八の肩に乗っていた銀時の手をそっと退ける。

「旦那ぁ、一応本音は隠しましょうぜィ?
さすがにで言い間違えられちゃあフォローも入れられやせん」

「え?何、何?この生温い雰囲気!!
なんかものっそい居た堪れないんですけどぉぉぉぉ!!!?」

何か変な事言った!?と新八の肩を再度掴み、問い掛けようとした
銀時だったが、すっとその身を離され、空振りへと終わる。
そして少し銀時との距離を開けると、新八はやんわりと口元を上げると、


「じゃ、そろそろ帰りますね、土方さん、沖田さん、銀さん
お休みなさい」


軽く頭を下げた。

それに目を丸くする銀時。

「は?いやいや送ってくって、新ぱ・・・」

「結構です」

銀時の申し出を笑顔のまま交わすと、新八はそのまま歩き出そうとする。
それに慌てて駆け寄り、銀時は新八の腕へと手を伸ばした。

「だってお前、もし触られたらどうする・・・」

「うっせぇよ!!
何ソレ、既にその危機なんですけどぉぉ!!!?
統一しろよ、ソコは!!さっき普通に言えてたじゃん!!!」

「・・・無意識に言ってんじゃねぇのか?それ」

ポツリと土方が呟くが、言い争ってる二人には届かない。
真っ赤な顔をして怒鳴る新八に、銀時はますます首を傾げる。

「ってかさ~、なんでそんなに怒ってんの?
触られやすそうっての、恥ずかしかった?
仕方ないじゃん、お前触られやすそうな顔してんだもん」

「連呼してんじゃねぇよ。
ってかどんな顔じゃ、
ボケェェェェェ!!!!!!」

真面目な顔でそう言ってくる銀時の頭を叩き、新八は近くに居た
沖田の手を取ると、土方へと視線を向けた。

「土方さん、沖田さん借りますから!!」

今日は沖田さんに送ってもらいます!!そう言う新八の迫力に負け、
思わず土方が頷くと、鼻息も荒く、沖田を引きずるようにして
新八は歩いていってしまった。

遠くなっていく二人に、何やら夜更かしの相談なんかも聞こえてきたが
一度了承してしまった為何も言えず、土方は深く息を吐いた。

その隣で銀時が叩かれた頭を摩りながら、二人の後姿を
見送る。

「あ~あ、行っちまったよ、おい」

いいのかよ、アレ。と銀時に横目で見られ、土方はヒクリと頬を
引き攣らせた。

「誰のせいだと思ってやがる、あぁ!?」

「部下に尊敬されてねぇヤツのせい。
・・・あ~ったく、仕方ねぇなぁ」

その言葉に怒りを顕にする土方を無視し、銀時はゆっくりとした足取りで
動き出した。
それを訝しげに見る土方。

「おい、何処行く気だ?」

銀時が向おうとしている方向は万事屋とは反対方向である。
それは今しがた新八達が消えていった方向でもあって・・・

土方の問い掛けに、銀時は顔だけを軽く向けると、

「やっぱアレだからね。
ちょっくら触ってくるわ、新八」

そう言ってヒラヒラと片手を振り、そのまま歩いていった。
土方はその後姿を呆れた表情で見送り、新しいタバコに火をつけた。

「だから間違ってるってぇの・・・て、本当に間違ってるのか??
アレ??
ってか間違ってても
間違えて無くても犯罪じゃね!?」

首を傾げる土方の耳に、遠くの方から新八の叫び声大きな衝撃音
そして何処か楽しげな沖田の声が入ってきた気がしたが、
気のせいだという事にして、少々疲れた体を引きずり、仕事へと戻っていった。

 

 

 

 

 

―――――――その後、不審な人物が道端で寝転がっていると
真選組に一報が入るのだが、それはまた別のお話・・・

*******************
普通に言い間違えそうです。
でもある意味間違いでもない(おいι)
 

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