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本日は万事屋にお泊りです。
という事で和室に布団を敷き、明日の朝食の準備でもしようかと
台所へ行こうとした所、丁度お風呂から出てきた銀さんと行き会った。
「あ、もうお布団敷いてありますから」
「お~、有難うさん」
ヒラヒラと手を振る銀さんを見送り、僕もさっさと下準備して
お風呂に入ろう・・・と思っていると、不意に居間へと行った
銀さんに名前を呼ばれた。
「なんですか?お茶ですか?お酒はダメですよ。
イチゴ牛乳はもっとダメですよ?」
そう言いながら居間へと顔を出せば、何やら和室を前に
仁王立ちしている銀さんが。
不思議に思い、ソファに座ってテレビを見ていた神楽ちゃんを見れば、
こちらも同じように不思議そうな顔をしていて。
なんなんだろう、一体。
なんか変なトコでもあったのかな?
「あの、銀さん?どうかしました?」
和室の前の背中に問い掛けると、銀さんはゆっくりと顔だけを
こちらへと向けた。
その顔は、なんだかとても真剣で、思わず僕は背筋を伸ばしてしまった。
「銀さん?本当、どうかしました・・・」
「新八ぃ・・・いいんだな、オマエ」
コクリと息を飲み、再度問い掛けるが、言い終わらないうちに
そんな事を言われてしまった。
いいって・・・何が?
訳が判らず、何も言えずにいると、銀さんは何かを決意したかのように
一つ頷き、今度は神楽ちゃんへと視線を向けた。
「よし、判った。・・・神楽、オマエはもう寝ろ」
「寝ろってまだテレビの途中ネ」
銀さんの真剣な雰囲気に少し驚いたようだったけど、直ぐに気を取り直し、
神楽ちゃんはそう言い返した。
うん、そうだよね、
しかもまだ八時だしね。流石に寝るには早いよ。
ってか一体なんなんだろう。
何かあったのだろうか。僅かに湧き上がる不安に、キュッと拳を
握り締めていると、銀さんは大きく溜息を吐いた。
そして・・・
「ばっか、オマエ空気読めよ。見てみ?今ものっそく
大人の雰囲気満載だから。
和室から駄々漏れ中だから。」
「って何言ってんだ
アンタァァァァ!!!!!」
・・・とりあえず近くにあったゴミ箱を投げつけさせて貰いました。
「ぃってぇぇ!!!何すんだよ、コノヤロー!
折角銀さんがオマエの意思を尊重して、状況作りに協力してやろうって
のによぉ!!」
「うっさいわぁあ!!空であった事に感謝しろよオイィィ!!
ってか何の意思ですか!
どんな状況作りですか!!」
そう叫ぶと、銀さんは微かに頬を染め、視線を反らした。
「何ってオマエ・・・」
「銀ちゃん、空気読むヨロシ。
キモイ空気が満載ネ、今」
白けた表情でそう言う神楽ちゃんに、今度は銀さんが
叫び声を上げた。
「キモイ言うな!ってか銀さんきっちり読んでるからっ!
その上での状況判断だからっ!!」
「だからどんな状況判断ですかっ!」
そう言うと、銀さんは体をずらし、和室の奥を指差した。
そこにはここに泊まる時はそうしている様に、きちんと並んだ二つの
布団が・・・
「別に何時も通りじゃないですか」
こっからどんな状況を想像するんだろ?
首を傾げていると、銀さんは僅かに眉を顰めた。
「あぁ!?全然何時も通りじゃねぇよ!見てみ、何時もより
布団の距離が近いから!
10mmは確実に近いからっ!!
って事はアレだろ?今夜はOKよvvって事だろ!?
何だかいけそうな気がすんだろ?
そう言うの、あると思います!」
「ねぇよっ!!全く塵ほどもねぇよっ!
ってか何?その無駄な計測力ぅぅ!
大体そんな事考えながら敷いたりしません!!」
「いやあるって、マジで!
俺は大抵そんな事考えながら敷いてるからっ!
きっとアレだ、深層心理の何かが働いて、無意識に近付けちゃったんだな、
新ちゃんは。いやいや、初々しくて銀さん嬉しい」
「何かって何!?
ってかその前に警戒心がバリバリ働くわっ!!
ちょ、どいて下さい!今すぐ布団、引き離しますから。」
「ばっ、やめろって!近付けるなら大歓迎だが、
引き離すのは却下だ却下!!」
ドカドカと和室に近付き、中に入ろうとするが、銀さんに
止められてしまい、暫しその場で揉み合ってしまう。
・・・とその時、頭の直ぐ横でカチャリと言う冷たい音が聞こえてきた。
チラリと視線を向ければ、ソコには何故か傘を構えた神楽ちゃんが・・・
「テレビの音、聞こえないネ。少し黙るヨロシ」
「「・・・は、はい」」
座った目をした神楽ちゃんに、ほんの少し寿命が縮まった気がしたけど、
大切なモノは守れました。
とりあえずその後、僕が全ての行動に於いて慎重になったのは言うまでもない。
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多分ウチの坂田は目が合っただけでも、こう判断します(おいι)