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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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上のヤツラに呼び出された帰り、偶には歩こう・・・と近藤が言い、共に
歩いていた土方であったが、とある公園の所まで来て、その足が止まった。

「またアイツラ・・・っ!」

「ん?どうした、トシ」

剣呑な表情で公園内を見詰める土方に、隣を歩いていた近藤も止まる。
そして土方の視線を追っていけば・・・

「あぁ、また派手にやってるなぁ」

土方の表情の原因を見つけてしまい、思わず苦笑する。

二人の視線の先、そこには怒鳴り声を撒き散らしながら、大暴れという言葉が
可愛く思えてしまう程の乱闘
をしている見慣れた二人、神楽と沖田。
そしてそれを少し離れた所で見守っている新八の姿が。

「ったく、何やってやがんだ、アイツラは!!」

大体総悟は巡察の時間じゃなかったのか!?と息を荒くして公園内へと
入っていく土方に、近藤も続いた。

どうやら公園内にはその三人以外いないようだ。
ざっと見渡し、被害状況を確認する。

すると、人の気配に気付いたのか、それまで見守っていた新八がクルリと
顔を向け、次に慌てたようにこちらへと小走りに寄って来た。

「あ、すみません!今ここに入ってくると危なっ!!」

どうやら新八は、ただ見守っていただけではなく、被害を大きく
しない為に地道に頑張っていたらしい。

・・・が、何かに足を取られたようで、途中で盛大に転んでしまった。
近藤と土方は足を早め、新八の元へと急いだ。

「いてててて・・・あ、危ないですから・・・て、近藤さんと土方さん」

なら大丈夫か~。慌てて顔を上げ、ずり落ちた眼鏡を掛け直しながら
そう注意する新八であったが、入ってきたのが見知った人物だった為、
ほ~っと肩の力を抜いた。

「おい、大丈夫かよ」

そう言って倒れこんでいる新八を見れば、何故かそこには浅いものではあるが穴が
空いていて、一瞬土方の眉が顰められる。

ここの設備はどうなってんだ。と、公園に相応しくないその穴を見詰めるが、
直ぐにその原因に思い当たり、同じように自分の転んだ原因を
見ていた新八と共に、深い息を吐いた。

近藤はそんな二人に苦笑すると、未だ倒れこんでいる新八へと手を伸ばす。

「新八君も大変だな」

近藤の言葉に、乾いた笑いを返しながら手を借りようとした新八だったが、
その手は空振りへと終わってしまう。

新八が不思議に思う暇も無く、近藤は新八の脇へと両手を差し入れると、
そのまま軽々と抱き上げてしまった。

「・・・へ?」

「怪我はないかい?」

まるで子供のように新八を抱き上げたまま問い掛けてくる近藤に、
新八は目を丸くしながらも コクンと頷いた。
そして何時もとは全く違う視界に漸く自分が置かれている状態に
気付き、顔を赤らめながら慌てて手足をバタつかせた。

それを不思議そうに見る近藤に、土方は一つ息を吐くと、軽く近藤の肩を
叩いた。

「近藤さん・・・いいからもう降ろしてやれ」

「ん?あぁ、そうか。」

はい、悪かったね。そう言って笑い、静かに新八をその場に立たせた。

「いえ、そんな・・・えっと、有難うございます」

それに恥ずかしそうにしながらも、きちんと頭を下げる新八。
その後ろで あ~!! と言う神楽のおおきな声が響いた。
何時の間に戦闘が終了したのだろうか、見れば神楽と沖田の二人が
こちらへと走り寄って来ていた。

「ずるいネ、新八!!私も高い高いして欲しいヨ!!」

「俺も土方さんに他界、他界して欲しいでさァ」

「おい、ちょっと待て総悟。
なんか字面に妙な呪いを感じるんだが?」

「はい、土方さん、他界、他界~」

「手を俺の首に
伸ばすんじゃねぇぇぇえ!!!!!
何ソレ、締める気満々じゃねぇかぁぁぁぁ!!!」

両手を伸ばしてくる沖田を振り払い、刀へと手を伸ばす土方。
それを諌めようと近藤が声を掛けようとした時、不意に目の前に
神楽が姿を現した。
そして近藤へと両手を伸ばしてくる。

近藤は困ったようにちらりと土方達へと視線を飛ばすと、
既にそこには新八の姿があり、二人の間に入ってくれているようだった。

安心していると、焦れた様に神楽が手を振りながら近藤の名を呼ぶ。

「早くするネ、ゴリ。女の誘いを断るもんじゃねーヨ」

「ってゴリって名前じゃないからね!?と言うか女の子が
そう言う事言っちゃダメでしょうが!!」

そう言いながらも仕方ない・・・と神楽の両脇に手を入れ、
先程の新八の様に高く抱き上げる。

「お~!!凄いネ、視線が高いヨ!!人がまるでゴミのようネ!!」

「いや、そこまで高くないからね」

神楽の喜びようをやんわりと笑って見詰めていると、喧嘩が終わったのか
憮然とした土方と、飄々とした沖田、それに苦笑を浮かべた新八が
直ぐ傍へと来ていた。

「すみません、近藤さん」

「いやいや、これくらい軽いもんだよ。
なんなら新八クンももう一回するかい?」

そう聞くと新八は頬を微かに染めながら一瞬止まり、慌てて首を横に振った。
だが、少しだけ空いたその間に、近藤はクスリと笑みを深める。

「さすが近藤さん、伊達にゴリラの称号を持ってないでさァ。」

「いや、ゴリラじゃないからね。そんな称号、持ってないから。
ってか貰っても嬉しくないから、そんな称号!!」

「でも本当、力ありますよね。僕だって軽々でしたもん」

未だ降りようとしない神楽を抱き上げたままの近藤を、
新八と沖田は感心した目で見詰め、小さく頷いた。

「全く、土方さんには出来ない芸当でさァ
マヨネーズを最後の最後まで搾り出すぐらいしか力、ねぇからねィ」

「あぁ?んだとコラ、マヨパワー舐めんなよ?」

沖田の言葉に、土方はヒクリと頬を引き攣らせると オラ、こっち来い!! と
神楽へと手を伸ばした。
その手を神楽は一瞬見たものの、直ぐにフイッと顔を逸らす。

「やぁヨ。ゴリの方が背が高いネ。そっちに行ったら低くなるヨ」

「おいおい見たかィ、新八。思いっきり振られてまさァ。
しかも相手はあのチャイナだぜィ。女っ気ないと思ってたら
そう言う趣味だったなんて・・・俺は恥ずかしくって見てらんねぇでさァ
目の前から速やかに消えてくれよ、土方コノヤロー」

「おいぃぃぃ!!!!何いい加減な事言ってやがんだぁぁ!!!!
ってか近藤さんも何気に距離を置くんじゃねぇよ!!!
今までの会話、
聞こえてましたかぁぁぁ!!!?
大体テメーが言い出した事だろうが!総悟!!」

ギロッと新八の肩に凭れ、こちらをニヤニヤと見詰めている沖田に
そう怒鳴るが、言われた方は何処吹く風。
軽く肩を竦めると、

「俺は何にも言ってねぇですぜィ。土方さんが自主的に
チャイナのに手を伸ばしただけでさァ」

やらしい男でさァ、ねぇ?と、隣の新八へと同意を求めた。
それに新八は乾いた笑いしか返せない。
土方は少しの間怒りに体を震わせていたが、これ以上何を言っても
自分がムカツクだけだ・・・と悟り、大きく息を吸い込んだ。

「ま、でもアレだな。俺は兎も角、お前には無理そうだな」

あれは。そう言ってクイッと顎で未だに神楽を抱き上げている
近藤を示す。
それに沖田は深く息を吐き、頭を緩く振ると、

「当たり前でさァ。俺は抱き上げるより
跪かせる方が得意なんでねィ。」

と告げ、ニヤリと口元を上げた。

「その発言の方がよっぽどやらしいんですけどぉぉぉぉ!!!」

何得意げに言ってんのぉぉ!!?思わず土方がそう怒鳴るが、

「あ、近藤さん、もう一回新八を上げて下せィ」

あっさりと無視され、沖田は新八を連れて近藤の元へと行ってしまった。
それに焦ったのは新八。
捕まれた手を振り払おうと、懸命に振る。

「ちょ!僕はいいですって!!」

なんで僕なんですか!!と、恥ずかしさから頬を赤くして言う新八に、
沖田は再びニヤリと笑いを零す。

「何言ってんでィ。実はちょっとやって貰いたかっただろ?
素直になんなせィ。それで羞恥に悶えまくれィ」

そう言って神楽を降ろした近藤の前へと新八を押し出す。

「何その一方的なプレイ!!!
第一近藤さんも疲れますって!」

「いや、大丈夫だよ?」

はい、おいで~。とにこやかに笑って新八へと手を差し出す近藤。
その姿に、神楽が感嘆の息を零す。

「おぉ~さすがゴリネ。空気読んでるアル」

「いや、読んでねぇよ。
全然読めてねぇよぉぉぉお!!!
ちょ、本当マジでいいですからぁぁぁぁあ!!!!」

逃げようとするが後ろからがっちりと沖田が肩を捕まえており、
身動きできない。
それに近藤が明るい笑い声を上げ、そのまま抱き上げた。

「ぎゃぁぁぁぁあ!!!お、降ろしてくださいぃぃい!!」

「ははは、新八君は遠慮深いなぁ」

「さすが近藤さん、小娘一人上げられなかったどっかのヤローとは
違いまさァ」

「まだ言うか、このクソガキ!!おい、新八!
ちょっとこっち来い!」

「い、いやですぅぅぅぅぅ!!!!」

沖田の言葉に土方が青筋を立て、今度は新八へと手を伸ばすが、
新八は恥ずかしさのあまりそれ所ではない。
涙目になりながら、必死に頭を振った。

それを見、沖田と神楽がコソコソと話し出す。

「おい、見たかィ、チャイナ。あのヤロー、今度は新八狙いでさァ。」

「本当ネ、子供の敵ヨ。暫く私に近付かないで」

「って丸っきり聞こえまくってんですけどぉぉぉお!!!?」

違うって言ってんだろうがぁあ!!と、土方はとうとう刀を抜き、
沖田に向き合うが、それよりも一瞬先に沖田と神楽が走り出す。

「とうとう力に訴えてきやがったぜィ。
タスケテ~、穢サレルゥゥゥウ」

「大人って汚いネ!獣ヨ~!!!」

「ちょ、テメー等ぁぁぁぁ!!!
滅多な事言ってんじゃねよ!!!!!
頼むから口を噤めぇぇぇぇ!!!!!」

始まってしまった壮絶な追いかけっこを、近藤は新八を抱き上げたまま
微笑ましげに見詰めた。

「うんうん、仲が良いってのはいい事だなぁ」

「・・・近藤さんってホント、色々と大らかですよね」

「いや~、そうかなぁ~」

「・・・ってかそろそろ降ろしてください」

「ん?もういいのかい?」

「はい、本当にいいです」

新八の妙に力強い言葉に、近藤は笑って手を降ろすと、そのまま
新八の頭をくしゃりと撫でた。

「こんな事なら何時でも言ってくれ、お安い御用だから」

そう言って柔らかい笑みを浮かべる近藤に、新八は恥ずかしさと
照れ臭さが混じった微妙な顔を浮かべる。

確かに、ちょっと子供の時の事を思い出して嬉しかったりもした。
いい人だな~。とも思う。

けどやっぱり・・・

「なら近藤さん、今度は沖田さんにしてあげて下さいよ。
僕や神楽ちゃんだけだとズルイでしょ?」

恥ずかしかったんだぞ、コノヤロー!!!

と、沖田にも同じ思いをして貰うことにした。
ニッコリと笑ってそう言えば、近藤はポンと手を叩き、

「あぁ、そう言えばそうだな。おーい、総悟~」

と言って、未だ追いかけっこを続けている沖田達へと手招きした。

 

 


―――――沖田の珍しい声が園内に響き渡るまで、後少し・・・

********************
近藤さんは子煩悩そうですv

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