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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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道を歩いていると、嫌なやつに会った。と言うか勝手に前から歩いてきた。
本当、そんなに狭くもねぇ街だと思うんですけどね?ここは。
てかプラプラ歩いてるだけの俺と遭遇って、
どんだけテメーもプラついてんだって話だ。

仕事ねぇのかよ、お前は。
言っとくが俺はねぇ。

とりあえずそのツラ見るだけで腹が立つが、こいつの為に自分の進む方向を
曲げたくねぇ。
なので こっち来んな。 と念を飛ばす。

・・・が、あっさりと俺の前まで来やがった。

本当、空気読め、お前。

そして何時もの如く、向き合う。

「おうおう、多串くんよ~。相変わらず何もしてない人も土下座する勢いの
面構え
してんじゃねぇの。何、その眉間の皺。
5百円玉何枚挟めるか挑戦でもすんの?判った、とりあえず俺も
協力してやるから5百円寄越せや」

「はっ!土下座するヤツはそれなりの事してんだよ。
ってか誰がするか、そんな挑戦!
大体協力するなんて言っておきながら、絶対ぇ猫糞すんだろ?
よ~し、恐喝未遂で逮捕だ。大人しく首出せ」

「おいおい、善意の行為に対してその言い草はねぇんじゃねぇの?
やだね~、これだから幸薄い人生送ってきたやつは。
ってか逮捕でなんで首?何か単語忘れてませんかぁ?」

「いいんだよ、首で。
ちょっと叩っ斬るだけだからよ。
っつうか明らかにテメーの方が幸薄い人生だろ、その頭が証拠だ」

「斬ったらちょっとも何もねぇよ。
お前逮捕の意味間違えてない?
一回辞書引いて恥ずかしさのあまり
首吊って来いよ、な?」

「何説得入ってんだ、おいぃぃぃぃ!!!!」

やっぱ叩っ斬る。と刀に手を掛ける土方に、銀時は緩く首を振って肩を
竦める。

「やっぱり不幸モンは短気だねぇ。俺を見てみ?
あまりの幸せライフに、全てが余裕だから。」

「テメーの場合は頭と財布が余裕過ぎてスカスカなんだよ」

ははん。と笑う銀時に、土方は忌々しげに呟き息を吐くと、刀に置いていた手を
離した。
そしてタバコを取り出すと、一本取り出して火をつける。

「ったく、なんでこんなヤツの所にあんな勤勉なヤツが居んだか・・・」

土方の零した言葉に、銀時の眉が微かに上がる。

「何?俺の幸せの源・新ちゃんがどうしたって?
言っとくがな、眼鏡=勤勉なんて連想、今時古いぞ?
今は眼鏡=新八だ」

「いや、意味判んねぇし。
ってか妙なキャッチフレーズつけてんじゃねぇよ
何か可哀想だろうが」

呆れ顔でそう言うと、土方は深々と煙を吐き出し、ちらりと視線を
銀時へと向ける。

「・・・それよりよ、なんであいつに
稽古なりなんなりしてやらねぇんだ?」

「・・・何それ」

土方の言葉に、それまで緩い表情だった銀時の顔が少しだけ変わる。
それを見、土方は何か思案するように頭を掻いた。
どうやら目の前の男はこれを言う為に、態々自分の前まで来たらしい。
土方は面倒臭そうに、だが止める事無く言葉を続けた。

「今日もそうだったがよ、近藤さんを探しに行くと時々新八が一人で
稽古してんのを見掛けんだよ」

道場自体が珍しくなってしまったこのご時勢、それも仕方ないだろう。
それでも剣を捨てず、一人頑張っているその姿に、土方は好感を抱く。
けれど幾ら頑張ったとしても、一人では限界があるのだ。

そこでつい土方は一言二言、助言してしまうのだが

「テメーは何も言わないらしいな」

その上稽古らしきものもつけてもらった事がないらしい。

自分の些細な助言に真剣に耳を傾け、頑張っていた少年は
困ったように笑い、そう答えていたのを思い出す。

銀時はそんな土方を見ると、小さく肩を竦めた。

「当ったり前ぇだろ。もしアイツが教えを乞うてこようが、
俺は何も言うつもりはねぇよ。
・・・ってかお前にも構って欲しくねぇんだけどな」

「あぁ!?!テメー、どう言う意味っ・・・」

銀時の答えに、土方の目尻がキッと上がる。
そして手を伸ばし、襟首を掴んだ所でピタリと動きが止まった。

銀時の手が、その手を止めていた。

「いいか、アイツのは『何も』知らない、けれど何かを『守る』剣だ。
そこに『斬る』為の剣しか知らねぇヤツが何を言えってんだ?」

ギラリと鈍く光る銀時の目に、土方は一瞬、勢いをなくす。

そう、土方の言うとおり、自分は新八に何も言った事がない。
だがそれは、言わない・・・のではなく、言えない・・・のだ。

自分の言葉一つで新八の『剣』に、『実戦向き』の・・・『人を要領良く殺す』
剣が加わってしまうのが怖くて。

折角そんなものを知らないのに。

知らないままで、いい状況なのに。

俺は知らない。

そんなものしか知らないのだ。


「俺には、何も言えねぇのよ」


銀時は小さく苦笑を浮かべた。

「寧ろ俺がアイツに教えて貰ってんだよ、『守る』って意味を。
・・・まぁ本人は無自覚だけどな」

銀時は少しバツが悪そうに眉を顰めると、掴んでいた手を
突き放すように離した。

その勢いに土方は二三歩後ずさると、微かに口元を緩め、
銀時は面白くなさそうに口を曲げた。

少し、話し過ぎちまったな。

銀時は盛大に頭を掻くと、止めていた足を再び動かした。

「ま、それにアレだ。俺が新八相手に稽古なんてつけれる訳ねぇだろ。
アイツ相手に木刀振るうとか、マジ考えらんねぇっての。
そんな事になったら、全力で手を抜くね、俺ぁ」

本命相手にそんなSプレイはしねぇ。そう言って土方の横を通り過ぎていく
銀時に、土方は笑いを含ませた声で へいへい。 と返事を返した。

「ってかテメーも勝手に口出してんじゃねぇよ!
何だ、おい。自分色に染める計画発動中ですか、コノヤロー!!」

「基本だけだ、基本だけ。
しかし、それで言ったらアイツがテメーの色に染まるのは
五十年後か?」

「髪の色の事じゃねぇよ!!
つうか俺のは銀だって言ってんだろうがぁぁぁ!!」

振り返って叫ぶが、既に土方も歩き出している。
銀時はその背中に小さく舌打ちをした。

・・・やっぱ話過ぎちまったな。
最悪だ、アイツ。・・・今から頭殴ったら記憶飛ぶか?

そんな考えが浮かぶが、態々アイツの為に引き返すのもムカつく。
そんな事するぐらいなら、少しでも早く帰りたい。

自分に守るべき意味を教えてくれる、あの少年と、あの空間に。

銀時は動かしている足を、少しだけ早めた。

********************
坂田、真実の愛に目覚める(違うι)
とりあえずウチの坂田は稽古はつけません、
怖がりでヘタレなんで。
それを新ちゃんは知ってるので、あえて教えて貰おうとは
しません。
でも、馬鹿だな~。とは思ってます(笑)

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