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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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その日、銀時は何時もの如くジャ○プ片手にゴロゴロしていた。

いつも忙しく万事屋内を動き回っている新八は買い物。
神楽と定春もそれに付いて行った為、家の中はひっそりとしている。

どれだけ時間が過ぎたのか、熟読していたジャ○プも読み終わり、
ふと顔を上げると既に室内が赤く染まっている。

「あいつら、遅くね?」

ボソリと呟き、銀時はワシワシと頭を掻くと、仕方ねぇなぁ。とばかりに
渋々その腰をを上げた。

 

 

歩いていくか、それとも原付を出そうか・・・いやいや、最近ガソリンが
シャレになんないからね。
やっぱ歩きだな、うん。新八にも厳しく言われてっから。
だから今日銀さん、お留守番だったからね?
別に除け者とかじゃ全然ないから。
ガソリンが高くなったから連れてって
貰えなかっただけだから!!

虚しく叫びつつ、とりあえず今日新八達が行っているであろうスーパーを目指して
歩き出そうとした所で、不意にお登勢の店から賑やかな声が聞こえてきた。

それはとても聞き馴染んだ、今まさに迎えに行こうとしていた声で。

銀時は足を向ける先を変え、お登勢の店の扉を開いた。
するとそこには案の定新八達が揃っていて・・・

「・・・何やってんの、お前等」

なんだか楽しげなその様子に、銀時の口元が少しだけ尖る。
そんな銀時に気付いたのか、カウンターの中に居た新八がこちらへと視線を
向けた。

「あ、銀さん!丁度良かった~」

そう言ってゴソゴソと近くにあった袋を手にすると、ニコニコと笑って
銀時の元へとやって来た。
そして・・・

「はい、これ上に持ってっといて下さい

そう言って手にしていた袋を銀時へと差し出した。
どうやら本日の戦利品らしい。それを お願いしますね。 と言って
持たせると、カウンターの椅子に座り、お登勢の手元を覗き込んでいた
神楽へと視線を向けた。

「神楽ちゃ~ん、銀さんも来たし、そろそろ上に戻っときなよ」

「え~、やーヨ。もっとババァの年の功による料理マジックを見てるネ」

「一言多いんだよ!って、作ってる傍からつまみ食いすんなぁぁあ!!」

「あぁもう神楽ちゃんてば!つまみ食いしちゃダメだって言ったでしょ!」

ワーワーと再び賑やかになる店内を見詰め、ポツンと佇む銀時。


・・・あれ?俺、何か忘れられてない?
存在、見られてないゾ☆的になってない!!?


「・・・てか持ってけって・・・オマエは?」

あっれぇぇぇ????と首を傾げながらも、とりあえず疑問に思った事を
聞いてみると、目をパチクリさせた新八が振り返った。


・・・ね、その目、まだ居たの!!?って目だよね?
神楽に関しちゃ未だ感知してないよね、銀さんの存在ぃぃぃ!!!


あ、すみません。あのですね、なんか今日お登勢さんのお店が
忙しそうなんで、ちょっと僕、手伝いをする事になりまして」

新八の言葉に、銀時は面白くなさそうに軽く相槌を打った。
そして暫し無言になると、手渡された袋を少しだけ掲げ、その中身を尋ねる。

「・・・ふ~ん、なら急いで冷蔵庫に仕舞う必要はねぇわな」

新八の口から出される品物名を確認し、そう判断すると
そのまま店の中へと足を進め、カウンターの隅の方に腰を降ろした。

「ババァ、とりあえずビールな」

「とりあえず出てきな、このゴク潰し」

「あれ?銀ちゃん、何時来たネ?」

うっせーよ!!何オマエ、本気で見えてなかったのぉぉぉお!?」

酷くね!!?コイツ酷くね!!?と、新八に訴えかける銀時であったが、

「おや、上手く味がついてるじゃないかい」

「本当ですか?お登勢さんに言われた通りやってみたんですけど」

でも少し煮崩れしちゃって・・・と、眉根を寄せる新八に、
あぁ、そう言うときは・・・と説明をし出すお登勢と言う、
まるで嫁と姑の会話に弾き飛ばされ、届く事無く掻き消えたのであった。

「って、いやいや、違うよね?確かに新ちゃんお嫁さん的な存在だけれども
ババァはないよ、うん。よくって近所に一人は必ず居る世話焼きババァ?
って言うか、闇夜に一人は潜んでそうな妖怪ババァ???」

怖っ!一人呟き、身震いする銀時の頭に、鈍く光る物体が
勢い良く投げつけられた。

「ってぇぇ!!!何コレ、灰皿ぁ!?おいおい、UFO気取りですか?
銀さんの頭にミステリーサークルでも作る気ですか、コノヤロー!!」

俺が頼んだのはビールなんですけどぉぉ!!頭を摩りつつ、投げつけた本人
であるお登勢を睨みつけると、今度は凄い力で顔面を掴まれる。

「いっその事丸坊主にしたら少しは納まるんじゃないかねぇ、
そのクソ天パ
・・・とりあえず・・・」

「おい、ババァ。ちょ、これ、ババァの出す力じゃない・・・って
やっぱ妖怪!!?あ、うそ。ウソです。だからあの・・・
地味に本気に痛いんですけどぉぉぉお!!!」

「うるせー!!テメーはさっさと巣に戻っとけ!!!!」

そう叫ぶと同時にお登勢は銀時の顔を鷲掴んだまま、見事なフォームで
持ってその体を扉へと向けて放り投げる。
ちなみに扉は予想していたのか、たまが開けて待機しており、銀時が
飛び出ると同時にきっちりと閉められたのであった。

 


強制的に店から出されて暫し。
道端に倒れこんでいた銀時が漸く体を起こし、その場に座り込んだ。

「っててて、んだよ、ここは暴力バーか?ったく、そんな所なら
尚更新八を置いておけねぇってんだよ」

そう言って立ち上がると、凝りもせず目の前の扉へと手を掛ける。

・・・が、その瞬間に聞こえてきた


『ターゲット。ロックオンしました』


と言う、小さいながらも的中率100%を思わせるたまの声。

銀時は寸前の所で手を止めると、再び先程の自分の不時着地点まで戻り、
頭を抱えてしゃがみ込んだ。

「おいおい、どーすんだよ、俺。なんか感覚的にRPGになってるんですけど。
お姫様捕らわれて城までやって来たけど、装備が棍棒??みたいな。
しかもラスボスが一人かと思ってたら、
実は大ボスも居るんです~みたいな?」

やべーよ、俺、ライフマーク一つしかねぇよ。・・・とブツブツ
呟きながら地面を見詰める銀時の横を、気味悪げに見ながら
一人の男性が通り過ぎていく。

どうやらお登勢の店の客らしく、足早に店へと入ろうとしているその手を、
ガシリと素早い動きで銀時が捕らえた。
その瞬間上がる男性のか細い悲鳴を無視し、銀時が尋ねる。

「あ、もしかしておじさんこの店入るの?入っちゃうの??
あ~、入っちゃうんだぁ~。
あのね、この店飲み屋だけど、入るには厳しい条件があんのよ。
それ守んないと凄い事になるから。え?凄い事って??あのね?
中に妖怪ババァか~いらし~子と、その他が居るんだけど、
そのか~いい子に触ると、その部分、無くなっちゃうのよ。
スパーンと。
いい?コップとか受け取る時にちょっと指が触れてもダメだから。
サクッと無くなるからね、指。
ちなみに見詰めても無くなるから、目ん玉。
え?なんでそんな目に合うのかって?
俺のだからに決まってんだろぉがよぉ。
あ、ちなみにババァとその他は無条件だから。だからどうしても
ってんなら、そっちね。ってか推奨。
だからね・・・て、あれ?入んないの?あ、入んないんだ。
そうだね~、やっぱ寄り道は良くないよ、うんう・・・」

「って営業妨害ぃぃぃぃいいいい!!!」


―――その日、銀時が宙を舞った二度目の瞬間であったが、
去り行く男性の背を視界に入れ、何処か満足げであったと言う。

 

 

 

 


「・・・あ?」

目を開けると、其処には見慣れた天井が映っており、銀時は暫し目を瞬いた。
そこにヒョコリと神楽の顔が映り込む。

「あ、気がついたアルカ、銀ちゃん」

銀時は唸るように返事をしながら体を起こし、数度頭を振った。

「あ~・・・ってか新八は?」

「新八ならまだババァの所ネ。」

その言葉に、それまでボーっとしていた銀時の目が開かれる。
そして横になっていたソファから飛び起きると、そのまま玄関へと
向かおうとして・・・

 


       キュ

 


と、神楽に首を掴まれた。

「何やってるネ、銀ちゃん」

それはこっちの台詞だ!!・・・と言いたいが、生憎素晴らしい力で
首を絞められている為、言葉に出来ない。
ワタワタと手を動かし、どうにか神楽の手を離そうとするが、力は益々
込められるばかりで・・・


―――銀時はその日、二度目のフェイドアウトを体験した。

 

 

 

 

目が覚めて、銀時は考えた。
どうも新八に言い含められたらしく、神楽は自分の監視人になっているらしい。
自分が少しでも下に行こうとすると、キュッとくる。キュッと。

ならば・・・

銀時は考え抜いた末、電話の前に立った。

こっちから行けないのであれば、向こうから来てもらえば良いのである。

自分でもいい考えだと思ったが、とりあえず一回目は途中で切られた。
出たのは新八だったのだが、多分他のヤツが切ったのだろう。
新八はそんな事しない筈だ
二度目に宙を舞った時も、背中に新八の足の裏的感触を感じたが、
きっと勘違いだ。
だって俺は、新八の愛すべき旦那様だもの。

なので懲りずに再びかけた。
今度は中々出ず、延々鳴らしていたら、妖怪が出た。


・・・妖気に当てられそうだったので、
自主的に切った。



でも負けなかった。何度も何度もかけ続け、漸く下から出前を取る事に
成功したのだ!!

銀時は受話器の前でガッツポーズを取った。
その時、玄関からチャイムの音が聞こえ、銀時は軽い足取りで向かった。
そして意気揚々と扉を開け・・・

「出前持ッテキテヤッタヨ。サービス料金ガッポリ上乗セシロヨナ」

「チェンジで」

勢い良く閉めた。
その後、再び電話をかけたが、何故か繋がらなくなっていた

電話料金ぐらいちゃんと払っとけよ、ババァァア!!

そう怒鳴りつつ、受話器を叩き付けた所で、何時の間に後ろに来ていたのか、

「銀ちゃん・・・・ウゼェ

との言葉と共に神楽にキュッとやられた。
今度は花畑が見えた。

 

 

 


「あ、気がつきましたか?」

目が覚めると、天使が居た。

「も~、ダメでしょ!邪魔ばっかりするからこんな目に合うんですよ?」

優しく頭を撫でられ、銀時は気持ち良さそうに目を閉じた。


あぁ、やっと帰って来た。


そう思うと嬉しくて、頭の横にある新八の膝へと擦り寄る。

「もう今日みたいのはご免ですからね?判りました?」

言い聞かせるように告げる新八に、銀時は小さく頷く。

「ん、判った。もうやんねぇよ」

銀時の言葉に安心したのか、新八がクスリと笑ったのが判った。
その感触に、銀時の頬も緩む。

「お腹、すいたでしょ?お登勢さんの所から余りもの貰ってきましたから
一緒に食べましょ?」

そう言って撫でていた手が離れていくのを感じ、銀時はパシリと掴む。
そして自分の頬へと新八の手を持ってこさせると、

「ん~・・・その前に新ちゃん補給。今日、全然足りてねぇから」

と言ってその手に頬ずりした。

なんですか、それ。と笑う声が聞こえたが、本当なんだから仕方がない。
もう今日みたいなのはご免だ。もうやらねぇ。

絶対手伝いなんかにゃやらねぇかんな。


そう固く誓った銀時は、その後も何度となく宙を舞い、
花畑に行く日々を送るのであった。

**************************
一万打お礼企画、第二段。
蒼月銀河様のリクで、「二世帯住宅」話(笑)
・・・こんな感じに仕上がりましたが、如何でしょうか?(ドキドキ)
他にも色々と入れたいネタがあったんですが、
えらく長くなりそうなので、とりあえずこんな感じにι
書ききれなかった部分は、また別の話で入れさせて頂きます!!

少しでも楽しんで頂けたら嬉しい限りですvv
企画参加、本当に有難うございましたv

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