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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「げ・・・」

その日、珍しく仕事をした俺は飯を食いに行き付けの定食屋へと
足を伸ばしていた。
そして店へと入ろうとした瞬間、出てきた人物と鉢合わせ、
思わず嫌な声が出てしまった。

それは向こうも同じだったらしく、目の前で思いっきり眉を顰めている。

「・・・何してやがんだ、テメー」

「おいおい、性格とツラだけじゃなく目も悪くなったか、コノヤロー
ここに入ろうとしてんだから飯食いに来たに決まってるでしょ~?」

「はっ。飯じゃなくてテメーのは得体の知れないエサだろうが」

「得体は知ってますぅ。小豆と米ですぅ。
ってかオメェにだけは言われたくないんだけどぉぉ!?」

「んだとぉコラァ!!マヨ舐めんなよ、クソ天パ!!!」

ピキリと青筋を立てて腰にある刀に手を添えようとする土方に、
んなもん舐めるか、ボケ。と鼻で笑う銀時。

ったく、こいつと会うといつもこうだ。
折角いい気分だったってぇのによぉ。
あ、でもこいつが居るって事は・・・

忌々しげに目の前の黒い服を睨んでいると、その背後からヒョコリと
思い描いていた一人の青年・・・と言うにはまだ幼い顔が飛び出てきた。

「あ、やっぱり。も~入り口で何してんですか、二人とも」

そう言って微かに頬を膨らませ睨んでくるので、俺は不満を顕に
口を尖らせて反論する。

「ちげーって。コイツが勝手に突っかかってくんのよ。眼鏡君」

「眼鏡じゃねーよ!あぁもういいですから!
はい、出入り口から離れる!!」

小さい手に押され、俺と土方はその場から離れさせられた。

「あんまり人が居るトコで騒がないで下さいよ。これ以上
真選組の評判が下がったら困るでしょ?で、坂田さんも
騒がせないで下さい!あと、そろそろ名前覚えろ、コラ!」

ムッとした表情で告げられ、俺は苦笑する。

知ってるよ。志村新八君でしょ?
でも言わないよ?だって俺、お前のツッコミ気に入ってるもん。
周りにボケのヤツしかいないから、新鮮なんだよね~。
やっぱり真面目だからか?一々突っ込んでくれるのは。
まだちっこい癖に、真っ直ぐな目ぇしてしなぁ。
なんで真選組なんかに居るんだか・・・
味覚、変になるよ??

と考えるも今度は顔には出さず、一応憎たらしい事に彼の上司であるらしい、
隣でタバコを吸おうとしている土方を顎で指した。

「そんな事よりコイツ、本当どうかしてくんない?
昼真っからチンピラに遭遇したかと思ったんだけど~

誰がチンピラだ!!チンチラみてぇな頭してるヤツに
言われたかねぇんだよ!!」

「ぅわっ!聞いた?新ちゃん!!今の言い方、マジチンピラじゃね?
893丸出しじゃね!!?お前もさ~、早く真選組見限った方が
よくね?根性曲がっちゃうよ~」

怯える様に新八の後ろに回り込んだが、当の本人からは何のリアクション
もなし。
あれ?と思いつつ、後ろから覗き込むように顔を見ようとする前に、
くるりと顔を向けられた。

「なんだ、僕の名前知ってるんじゃないですか」

そう告げてくる顔は嬉しそうに笑っていて、俺はホケッと見返すしか
出来なかった。
そんな俺をどう思ったのか、折角緩んでいた口元を微かに尖らせ、
新八は言葉を続ける。

「もうこれからはちゃんと呼んで下さいよ・・・って、あぁ!
どうしたんですか、これ!!」

今度は体ごとこちらに向きなおされ、そのままガシッと頬を両手で
掴まれた。
新八のその声に、それまで怒りを震わせていた土方も近寄ってくる。

・・・いや、テメーはくんな。
てか、どうかしたの、俺?

疑問に思う俺を余所に、新八は益々顔を近付かせる。

「なんだ、どうした?」

「見て下さいよ、ここ。うわ~、なんか痛そ~」

どうしたんですか、コレ。と、至近距離+上目遣いで問われ、
一瞬色んな意味で言葉が詰まる。


や、今銀さん、頭回ってないからね?


だが、確かに新八にそっと触れられた所がピリッとし、俺は先程までの
仕事の内容を漸く思い出した。

・・・・あ~、アレか~。

心配げに見上げてくる新八の頭を撫でつつ、言われているだろう怪我の
原因を告げる為、口を開いた。

「いや~、なんか男の勲章?的なやつだよ、うん。もうさ、
銀さんモテモテだから、可愛い子猫ちゃんに悪戯されちゃって・・・」

「どうせ本物の猫相手の仕事でもしたんだろ」

見栄はんな、虚しい。と、途中で土方に遮られ、鼻で笑われてしまった。

・・・テメー、其処は気付いても流してやるのが侍マナーだろうが!!

何か言い返してやろうとする前に、土方は背を向けて新八に一言

「行くぞ」

と告げた。その声に一瞬新八の目が迷うが、

「すぐ行きますんで、先行ってて下さい」

と言うなり、ゴソゴソと自分のポケットを漁りだした。
少し離れた先で短く舌打ちをする土方に ざまぁみろ。 と思いつつも、
目の前の子が何をしたいのか判らず見詰めていると、小さな声と共に
柔らかい笑顔が上げられた。

「はい、絆創膏。ちょっと可愛いのですけど、我慢して下さいね」

そう言われ見てみれば、確かに可愛らしい絵柄の付いた絆創膏が
その手にあり、遠慮する間もなくペタリと頬に貼られてしまった。

「・・・かぁいらし~の、持ってんのね」

なんとも言えず、絆創膏の貼られた頬を手で撫でると、恥ずかしそうに
目の前の顔が赤く染まった。

「姉上に貰ったんです、ソレ」

ちなみに僕も今貼ってるんですよ。そう言って黒い隊服の袖を
捲り、絆創膏の貼ってある部分を差し出した。

・・・うん、確かにかぁいらし~のが貼ってあんね。
でもさ、そこ、服で隠れるよね?
俺の、隠す事すら出来ないフルオープンな場所なんですけどぉぉ!!?

そんな思いが顔に現れていたのか、新八は小さく笑うと、

「大丈夫、似合ってますよ。」

そう言ってますます笑った。

「や、嬉しくないからね、ソレ。
こんな羞恥プレイ初体験だよ、銀さん。責任取ってね?」

「それ言ったら同じの貼ってる僕もそうでしょうが。
って言うか責任とってセクハラでぶち込みますよ、本当

うんざりとした表情で言う新八に、俺は口元が緩むのを感じた。

コロコロと変わる表情。
心地良いテンポの会話。

うん、やっぱいいな~、この子。

そうは思うが、彼は真選組で。
しかも今はまだ仕事中のようで。

離れた所から痺れを切らした土方が、新八の名を呼ぶのが聞こえた。
それに新八は慌てて振り向き素直な返事を返す。

この時間が終わるのは残念だが仕方がない。
仕方ないけど・・・

最後に それじゃ失礼します、坂田さん。 と頭を下げる新八の
腕を咄嗟に掴み、俺は言葉を吐き出した。

「銀さん」

「え?」

キョトンとする新八を尻目に、俺は頭をワシワシと掻くと

「俺の事だよ、俺の。どうもお前の呼び方はケツが痒くなっていけねぇ」

だから今後は銀さんと呼ぶ事!と、告げると新八は困ったように眉を下げた。
きっとコイツの性格上、年上の、しかもあまり自分の上司と仲の良くない
人物をそう呼ぶのに抵抗があるんだな~とも思うが、ここは引けねぇ。

「いいか、銀さんって呼ばねぇと返事しないからな」

鼻息荒くそう断言すると、キョトンとしていた新八の顔に笑いが弾けた。

子供みたいってお前・・・いいじゃねぇか。
こんなかぁいらし~絆創膏が似合う俺だもの、
この発言だってアリだろうがコノヤロー。

散々笑った後、新八は軽く目を拭いながらも

「判りました。じゃあまた。」

そう言って再び頭を下げ、今度こそ土方の元へと走り去っていった。

見ると傍に来た新八に何か言ってるが、どうせ俺の悪口だろう。
・・・今度絶対投書してやる。

しかし、どう見ても同じ色の服を着ている二人は年の差だとか
階級だとか違うものの、俺と並んでいるよりもしっくりしていて、
ほんの少しだけ胸が痛んだ。

・・・こういう時はアレだ。天下の糖分だ。
糖分が全てを癒してくれる筈だ、きっと。

そう思い、ここまで来た本来の目的を遂げようと、先程入り損ねた
店へと足を向けた瞬間、後ろから声が掛けられた。
振り向けば其処には、

「銀さ~ん、あんまり糖分摂っちゃダメですからね!!」

そう言って大きく手を振る新八の姿が。

おいおい、俺の心の中にまで突っ込みますか、お前は。

そう思いながらも、確実に俺の頬は緩んでいて。


・・・うん、そうだな。やっぱり今日はあの店やめとこう。
なんか胸の中が甘ったるさで一杯だ。


見えないだろうけど一応背を向け、軽く手を振って答えると
足取り軽く、俺はその場を後にした。

*************************
一万打お礼企画、第四弾。
玖美様からのリクで「新八が真撰組だったらのパラレルで銀→新」
と言うことでしたが・・・如何だったでしょう?
なんかあまり真撰組な雰囲気が出せなかった気が・・・(滝汗)

萌えツボに少しでも掠る事が出来たなら嬉しい限りですv
企画参加、本当に有難うございました!
これからも暖かく見守ってくださいませv
 


 

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