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ソファに寝転んでテレビを見ていると、机に足を乗せてジャ○プを
読んでいた銀ちゃんが
「新八ぃ~」
と、台所で夕飯の支度をしている新八の名を呼んだ。
ちょうどCMだった事もあって、どうしたのかとそちらに視線を向けるが、
その後は何も言わず、ただひたすらジャ○プを読んでいる。
・・・何がしたいネ、銀ちゃん。
名前を呼んだからには用があるのだろう。
そうは思うが、呼んだ本人は何も言わない。
まさかもうボケたのであろうか。
そんな事を考えていると、台所から新八が姿を現した。
「もう!夕飯の準備してるんだから少しは自分で動いてくださいよ!」
そうは言うが、その手には湯呑みと急須が乗ったお盆を持っていて。
あぁ、またか。
と、白けた視線を二人へと向けた。
この二人は時々こう言うことをするネ。
言葉に出ていないのに、互いの気持ちが判る・・・と言うか。
アレ取って。ソレ貸して。この間のどこやったっけ?
こんな会話は序の口アル。
この間なんて、風呂場の電球が切れたとかで、椅子の上に立って懸命に
新八が変えようとしている所に、何故か下で呑んでいた筈の銀ちゃんが
フラリと現れ、変えて行ったネ。
確かにあの時、新八は
「銀さんだったら簡単に変えれるんだけどな~」
と言っていた。
「来てくんないかな~」
とも確かに言っていた。だけどそれは私との会話でネ。
まさか本当に来るとは思わなかったアルヨ。
しかも変えたらまた下に戻っていったし。
新八は不思議に思わなかったのか、普通に感謝して、普通に
呑み過ぎないよう注意してたけど、
傍から見たらツッコミ所満載ヨ。
でも早くお風呂に入りたかったからスルーした。
便利な事に、越した事はないアル。
ちなみに反対の時もアルネ。
ちょっと前、新八が銀ちゃんの名を呼んだら、用件も聞かない内に
「ダメ」
って銀ちゃんが言ったネ。何アルカ、それ。
自分の名前の呼び方のダメ出しカ?
ダーリンとでも呼んで欲しかったカ?
電撃の変わりに嫌悪の鉄槌
落としてやろうカ、おい。
そう思ってる私の前で、それでも諦めず新八は銀ちゃんを呼んでたネ。
でも、返ってくるのは ダメ。 の一言。
それがどれくらい続いたのか、最後には新八が怒って最終兵器と言う名の
「なら正当な給料寄越せや、オラ」
を出して、渋々銀ちゃんが折れてたネ。
何が何だか判らなくて気になったけど、丁度ドラマが始まったから
そっちに心が奪われてしまったネ。
そしたら数日後、新八が来なかったネ。
サボリかこのヤロー。と怒ってたら、銀ちゃんがテーブルに朝ごはんを
置きながら
「休みだよ休み。お通のライブなんだってよ。
この間言ってたろ?」
ったく、ダメだって言ったのによぉ。と、酷くムスッとした顔で言ってたネ。
そこで私は記憶を辿ったけど、覚えが全然ない。
って、もしかしてこの間・・・って、銀ちゃんがダメダメ言ってたやつアルカ?
・・・一言も出てねぇよ、そんな言葉。
そう思って文句言ってやりたかったけど、あんまりショボクレてるので
言わないでいてやったネ。
大人なグラさんに感謝するヨロシ。
だから銀ちゃんも私を起こす時、
寝惚けて殴ったのなんて忘れるネ。
ちなみに次の日出てきた新八に、一日中銀ちゃんが引っ付いてたってのは
何時もの事ネ。
・・・ウザくてまた殴ったけど。
そんな事を思い出していると、目の前にすっと湯呑みが差し出された。
見れば新八が私の分も持ってきてくれてて。
「神楽ちゃんも飲むでしょ?」
と、にっこりと笑って湯飲みを渡してくれた。
・・・実は私も少し喉が渇いてたネ。
ナイスタイミングヨ、新八。
「ありがと、新八」
そう言葉を告げると、新八はますます笑みを深めて返してくれた。
うん、やっぱり言葉に出すのも必要ネ。
新八の笑顔につられ、私までニコニコしていると、机から漸く足を下ろした
銀ちゃんが新八の名前を呼んだ。
新八と一緒に私も銀ちゃんへと視線を向けると・・・
・・・どうしたネ、銀ちゃん。
目が死んでないヨ?
寧ろ生き生きしてるネ。
無意識のうちに体を引かせると、新八が なんですか? と問い掛けていた。
あれ?何時もなら名前呼ばれただけで大抵会話が続いてるのに
今のは判らなかったアルカ?
不思議に思って今度は新八に視線を向けると・・・
やっぱり姉弟アル。
・・・姉御ネ。
般若と言う名の姉御が居るネ。
「いや、あのだからさ?新ちゃん」
「なんですか?」
「え~と・・・ですから今日お泊りなんか・・・」
「あ、神楽ちゃん、お腹減ったでしょ?もうご飯だから少し待っててね?」
「あれ!?いやいや、あの・・・新ちゃん!!?」
「明日のご飯、なんにしよっか?僕、来る途中で朝市に寄って来るから
楽しみにしててね?」
ごっさこっちを見てる銀ちゃんを無視してそう言うと、新八は
いそいそと台所へと戻って行ったネ。
どうやら二人の間にも通じない場合があるらしい。
やっぱり偶には言葉に出さないと駄目ネ。
新八を追いかけて台所に行った銀ちゃんの潰れた声と鈍い音を聞きながら、
私は淹れて貰ったお茶を一口口にし、そう実感した。
・・・あ、でも一部言葉に出てたネ。
なんで通じなかったアルカ?
不思議に思ったが、テレビでは新たにドラマが始まり、そちらに意識を
持っていかれた神楽であった。
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一万打お礼企画、第五弾。
Mag.様からのリクで
「ごくごく普通にナチュラルに、テレパシーで会話している銀さんと新八」
と言うことでしたが・・・如何でしょうか?
確かに彼らは常に以心銀新状態ですよね(笑)
もう公式認定ですから、それは!(えぇ!?)
なんか最後は会話出来てませんでしたが(笑)少しでも
楽しんで頂けたら嬉しい限りですvv
企画参加、本当に有難うございましたv