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その日、起きるともう姉上が起きていて近藤さんを締め上げていた。

・・・ある意味凄い眠気覚ましだよな、この光景。

そう思いながらも近付き声を掛けると、爽やかな朝に似合う笑顔で

「あら、お早う、新ちゃん」

と告げ、笑顔に不釣合いな勢いで締め上げていた近藤さんを
庭へと投げ飛ばした。

「・・・お早うございます、姉上」

引き攣りながらも挨拶を返し、ご飯を作る為台所へ行こうとしたが、
不意に呼び止められ、振り返る。
すると、恐れ多い事に姉上が朝ごはんを作ると言い出し、
僕は一瞬意識が飛んだ。

って、飛ばしてる場合じゃない!!
そんな事になったら意識所か魂が飛んでいってしまう、
永久に!!


僕は慌てて遠慮したが、どうやら姉上は殺る気満々らしい。
どうしよう!!と泣きそうになったその時、何時の間に復活してきたのか
近藤さんが傍に来ていて、

「いや~、朝からお妙さんの手料理が食べられるとは・・・
近藤勲、天にも昇る気持ちです!!」

と叫び、姉上の足蹴りにより本当に天に上った。
・・・どうやら先程から同じような事を繰り返していたらしい。

近藤さん、本当に有難う。
貴方の犠牲は無駄にしません!!

その隙を付いて急いで朝食の支度をしてしまう。
だって僕はまだ天に昇りたくない。

なんとか出来上がった朝食を見て姉上が心底残念そうな顔をしたが、
すぐに笑顔を取り戻すと一旦自室へと戻り、何かの包みを持ってきた。
そしてそれを僕へと差し出して来たので、不思議に思いながらも
受け取り、中を見させてもらった。

出てきたのは新しい単の着物と袴。
どちらも涼しげでこれから着るのに丁度良さそうだ。

でも、なんで?

その時の僕は本当に不思議そうな顔をしていたのだろう。
姉上は 仕方ない子ね。 と苦笑しながら、

「今日は新ちゃんの誕生日でしょ?」

と教えてくれた。そして今度こそ本当に優しげな笑みを浮かべると、

「お誕生日、おめでとう」

そう祝いの言葉を贈ってくれた。


 
―――こうして僕の誕生日は始まったのである。

 






「今夜は仕事で都合がつかないけど、明日はお休み貰ったから
一緒にお買い物にでも行きましょうね」

姉上に送り出される時そう言われ、照れ臭いながらも嬉しくて、
自然と足取りが軽くなる。

軽くなる・・・が、突如その足が重くなった。
と言うか、何かに捕まれた!!?

びっくりして下を見れば、其処にはボロボロになったゴリラ・・・じゃなくて
先程僕の命を、ある意味身を挺して救ってくれた近藤さんが。

「こ、近藤さん!!?どうしたんですか、こんな所で・・・」

・・・って、あぁ・・・さっき姉上に塀の外に蹴り飛ばされてたっけ・・・

「え~っとあの・・・・・・・すみません」

とりあえず謝りながら、倒れて僕の足を掴んでいる近藤さんの横に
しゃがみ込んだ。
そして懐からハンカチを取り出し、未だ流れ出ている頭の血を拭き取り、
傷口部分を軽く押さえる。

あ、なんか一枚じゃ足りなさそう・・・

上半身を起こした近藤さんに、当てたハンカチを任せ、僕は新しいハンカチを
今度は風呂敷から取り出した。

ちなみに僕は常に何枚か予備を持ち歩いている。
が、最近それじゃ間に合わないので、いっその事タオルでも持ち歩いて
やろうかと考えてたりする。

「いや~、すまなかったね、朝から」

血を流しながら豪快に笑う近藤さんに、苦笑が漏れる。

「今日は助かりましたけどね。でもそう思うなら
自重して下さいよ?本当」

「いやいや、やはりここは街を守る者として、愛する人を守る一人の男として
だね、お妙さんの身を守ろうと・・・」

「あ、近藤さん。携帯持ってます?」

「ん?あぁ持ってるけど、どうするの?」

頬を薄っすら染めながら語りだした近藤さんにそう問い掛け、手を出すと
人好きのする笑顔で近藤さんが懐から携帯を取り出し、渡してくれた。

それをニッコリと笑って受け取ると、

「ストーカーを捕まえて貰おうと思って」

そう言って既に覚えてしまった屯所の番号を押していく。

ちょ!ストーカーじゃないから!
お早うからお休みまで。そしてお休みからお早うまで
きっちり見守ってるだけだからぁぁぁああ!!!!」

「思いっきりそのまんまじゃねぇか!!!」

ペシリと新しく取り出したハンカチを微かに腫れだした頬に当てると、
近くにあった多分姉上への贈り物だったであろう紙袋を手渡し、
序に手を取って立たせる。

「もう・・・いい加減体壊しますよ、本当」

それだと姉上が犯罪者になってしまう。それだけは避けなければ。

そんな想いから思わず言い聞かせるように口に出すと、
近藤さんは嬉しそうに笑って

「心配してくれて有難う」

新八君はいい子だな~。と、僕の頭を撫でてくれた。

・・・こう言う所があるから心から憎めないんだよね。

大きな手に苦笑していると、頭から離れていった手が
手渡した紙袋の中へと消えた。

「そうだ。はい、これ」

そう言って出てきたのは少し小さめの・・・けれど厚みのある袋で。
僕はコトリと首を傾げた。
そして一つの心当たりに突き当たり、そっと眉を顰めた。

「あの、近藤さん。幾ら僕に渡されても姉上は受け取らないと思いますよ?」

「え?・・・あぁ、いや違うよ?これは新八君に」

僕の言葉に一瞬目を丸くするが、直ぐに目を細めて笑うと はい。 と
その紙袋を僕の手の上に置いた。

今度は僕が目を丸くする番だ。

思ったよりも柔らかいその感触の贈り物に、再び首を傾げる。
何だろう、まさか僕から懐柔していく作戦とか?
そう言えば局中法度にも妙なのがあったっけ・・・

そんな思いからつい胡散臭げな目で、手の上の物を見詰めていると、

「誕生日、おめでとう」

と言う思いもしなかった言葉が頭の上から聞こえてきた。
思わず顔を上げると、照れ臭そうに笑う近藤さんが。

「いつも世話になってるからね。
まぁたいした物じゃなくて悪いんだが」

沢山合っても困らないと思ってね。そう言われ、中を見させてもらえば
其処には色々な柄のハンカチが。

確かにこれは、何枚合っても困らない。
と言うか、今既に二枚血まみれになってるし。
血液って中々落ちないんだよね~。

でもやっぱり嬉しくて、

「有難うございます」

と、頭を下げた瞬間、頭上から何かが落ちてくる音と物凄く鈍い音が聞こえた。
そして視界の隅に、後頭部から新たな血を噴出しながら倒れてくる
近藤さんの姿が。

・・・そう言えばまだここは危険地帯(志村家近くの脇の道)だった。

僕はゆっくりと頭を上げると、まだ僕が持っていた近藤さんの携帯で
先程途中まで押した屯所の番号を最後まで押した。


「あ、お早うございます、志村です。いつもの
回収要請
お願いします。」


ちなみに近藤さんの傍に落ちていた、見覚えのあるような灰皿
そっと近くの電柱の影に押し込んだ。

うん、道にこんなのが転がってたら
危ないモンね。

****************************
一万打リクを少しお休みして、新ちゃん誕生日話です。
ちょっと続きます。

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