忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 

既に日付が変わった時刻、玄関の開く音と、続いてドサリと何かが
落ちる音が耳に入り、新八は繕い物をしていた手を止めた。
暫く耳を澄ませていたが、その後なんの音もしないのに小さく息を吐くと、
持っていた針を仕舞い、ソファから立ち上がって玄関へと足を向けた。

「・・・またこんなに酔っ払って・・・」

目の前にある、予想通りの光景に、新八は再び息を吐くと、
玄関先で寝転んでいる銀時の肩に手をやった。

「銀さん、こんなトコで寝ちゃぁ幾ら馬鹿でも風邪を引きますよ」

軽く揺さぶりながらそう言うと、銀時の瞑っていた目蓋が緩く持ち上がる。

「ん~?新八?」

「はいはい。さ、起きて下さいね~」

「・・・なんかさっき酷い事言ってなかった?」

「言いませんよ~。耳まで馬鹿になっちゃったんですか?

「ん?なんかやっぱ酷い事言ってない?アレ?」

おかしいなぁ。と呟きつつ、銀時はゆっくりと体を起こし、一緒に立ち上がった
新八の肩に腕を廻した。
その腕を新八は握り、もう片方の手を銀時の腰に廻して支えながら、
和室へと向かう。

「も~、なんで弱いくせにこんなに飲むかな?」

お金だってないのに!自分より大きい体を支え、ブツブツと文句を言いながら
進んでいく新八に、銀時はスルリと擦り寄る。

「・・・新ちゃん、いい匂い」

「アンタは酒臭いですけどね。お風呂どうします?入ってますます酔いを
まわして逝きますか?

「アレレ?なんか恐ろしい言葉が聞こえてくるよ?」

「そうですか?」

「そうですよぉ」

文句を言う割には、何が可笑しいんだかクスクス笑う銀時に、新八は
仕方ないなとばかりに笑い、敷いてあった布団へと銀時を下ろす。

「はい、酔っ払いはもう寝てください」

そう言って腰を下ろした銀時の肩を押して横にさせようとするが、
逆にその手を取られ、グイッと引き寄せられる。
その勢いのまま布団に膝を着くと、次いで新八の腰に銀時の腕が回り、
ギュッと抱き締められた。

「ちょっ、何してんすか!」

剥がそうと腹部にある銀時の頭を押すが、返ってグリグリと額を
押し付けられた。

「銀さん!」

名を呼び、剥がす手に力を込めると、銀時がモゴモゴと何かを呟いているのが
聞こえた。
新八は、も~ と肩を落とし、剥がそうとしていた手を緩め、そのまま
ポンポンと軽く頭を撫でた。

「何ですか?聞こえませんよ?」

新八が促すと、銀時は埋めていた顔を少し横にずらし、そのまま新八の
太腿に頭を乗せた。

「新ちゃん、酔っ払ってる銀さんはダメ?ここに居てくんない?」

「・・・今こうしてここに居るでしょ、強制的にだけど

銀時の問い掛けに、新八は首を傾げながらも現状況を的確に答えた。
だが、それは銀時の望んでいた答えではなかったらしく、緩く首を
振られる。

「じゃなくてぇ。ずっと居てくれるって言ったじゃん。それって何時まで?
銀さんに愛想尽かすまで?愛想尽かしたら出てっちゃう?」

別に止めないけどさぁ、銀さん。そう言いながらも、新八の腰に回っている
腕には確実に力が込められていって。

「銀さん、仕事しないしぃ。新八の言う事聞かずに糖分欲しがるしぃ。
金ないのにパチンコ行くし、飲みに行くしぃ・・・」

「その上セクハラ上司ですもんね」

銀時の言葉に新八が追加すると、また黙ってグリグリと頭を押し付けられた。


大方誰かにそう言われたんだろうなぁ。
そう思ってるなら、少しは気をつければいいのに・・・
全く、この大人は時々とんでもなく面倒臭い。
・・・ま、ちょっと可愛いなんて思っちゃう僕も僕だけど。


「ね、銀さん」

新八は優しくその頭を撫でながら、言葉を続けた。

「仕事しない銀さんの尻を叩くのは僕の役目だし、隠れて糖分摂取しようと
する銀さんをセーブするのも僕の役目だし、パチンコに行こうとするのを
止めるのも、酔っ払った銀さんを快方するのも僕の役目なんですよ?」

後、セクハラを撃退するのも。そう言って新八は少し前屈みになって
銀時の顔を覗き込み、

「もう忙しくって、愛想尽かす暇、ないと思いません?」

ふわりと笑った。

「・・・暇あったら愛想尽かすの?」

まるで駄々っ子の様にじとっとした目で見詰めてくる銀時に、
新八は笑いが込み上げてくる。
それをぐっと堪え、少し考えるように視線を上へと投げる。

「ん~、どうでしょうね?でも、銀さんは止めないんですよね?」

そうなっても。と、先程言った銀時の言葉を繰り返す。
本当はちょっとだけムカついたのだ、あの言葉が。

意地悪く言う新八に、銀時はグッと眉を顰めると、

「・・・うん、止めない」

でも・・・そう言うと、今まで以上に腰に廻していた手に力を込め、

「絶対ぇ連れ戻す」

そう言い、再び顔を埋めた。

銀時の言葉に、新八は一瞬目を見開き、次に顔を真っ赤に染め上げた。
そして開いている方の手で口元を覆い、そのまま黙ってしまった
銀時の頭を見詰める。


・・・最悪だ、この大人。
じゃあ愛想尽かすも何も、意味ないじゃん!


そのまま寝てしまったのか、銀時の元から小さな寝息が聞こえてくる。
新八は銀時の髪を一掬い手にすると、軽く引っ張った。

「この・・・馬鹿天パ、一人で眠りやがって・・・
・・・眠れそうにないじゃん、僕」

その小さな抗議に、銀時が少しだけ身じろいだ。

*******************
弱っている坂田氏が書きたかった・・・・筈(笑)

拍手[3回]

PR

[59] [58] [57] [56] [55] [54] [53] [52] [51] [50] [49
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]