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「子供はいいね~、遊ぶ事が仕事で」
ポツリと呟く銀時の前には、白い紙の束が置いてある。
それをペラペラと適当に手で捲りながら、先程お供の巨大な犬を
従え、外へと飛び出していった神楽の姿を思い返す。
楽しそうに飛び出していったその姿。
本来なら自分だって外に出る筈だったのだ。
神楽ほど意気揚々とは行かないまでも、少しぐらいは足取りも
軽く行っていた筈だったのだ。
だって今日も仕事はなくて
天気も良くて
何より新台入れ替えで
「なんで大人は遊んじゃいけねぇんかなぁ・・・」
「・・・普通は仕事がありますしね」
呟く声に、返事が返ってくる。
何時もより低めに感じるその声は、新八だ。
だってそれ以外、万事屋にはいない。
お茶の入った湯呑みを机の上に置くのを見ながら、つい不満を零す。
「でもたまの休みぐらいはさぁ~」
「たまの?」
更に低くなり、心なしか空気も冷えてきた気がして、銀時は新八から
視線を逸らした。
「あ・・・いやいや、あの・・・スンマセンでした。
銀さん、ちょっと調子こきました」
「ですね」
反省代わりにさっさとチラシ、作ってください。そう言って新八は
銀時の前にある紙の束を指した。
「でもよ~、これって何時でも出来んじゃん?けどよ、新台入れ替えは
今日しか・・・」
チラリと強請るように新八を伺えば、ニッコリと笑顔を送られ、
「銀さん、子供がなんで気軽に遊べるかって言うと、仕事云々もありますが、
そこに金銭が絡んでないからだと思いますよ?」
特にウチでは。さっくりと銀時の願いは断ち切られた。
だが銀時も負けてはいられない、必死で反論した。
「ばっか!オマエ判ってないね~。金銭どうこうじゃねーんだよ。
あの銀玉にはな~、一発一発、俺の夢と希望が込められてんだよ!」
「僕には欲と金の塊にしか見えませんけどね。
って言うかなんでお金ないのにそんなに行きたがるんですか?」
「ないから行くんじゃねーか!もしかしたら連チャンに次ぐ連チャンの
嵐という可能性があったらスゲー!!」
「欲丸出しじゃねーか!!
しかも可能性うすっ!!!」
いいからさっさとやって下さい!そう言って新八は洗濯終了を告げる
アラームに気付き、そちらへと足を向けた。
それを見、銀時は少し腰を浮かす。
新八が洗濯を取りに行ってる間に・・・
そう思っての事だったが、居間を出てく寸前に新八が銀時へと
視線を向けられ、ギクリと身を固める。
新八はすぅっと表情を潜めると、
「銀さん。もし抜け出したら銀さんの大好きな銀玉・・・
・・・・・・・・・埋め込みますよ?」
無表情でそう宣言した。
「・・・いやいや、ナニを言っているのかな、新八君は。
そんな大人気ない事、銀さんがする訳ないじゃない?
そんなみっともない事、する訳ないじゃない!?
でも・・・あの参考程度に聞いておきたいんですが・・・どこに?」
大量の汗を掻きつつも、なんとか笑みを貼り付けそう聞いてみると、
新八は視線を銀時の腰辺りに落とし、
「・・・アナログと銀玉をコラボさせたげます」
口元を緩くあげた。
「本っっっ当、スンマセンでしたぁぁぁぁっ!!」
新八の言葉に、勢い良く頭を下げる銀時。
情けなくてもなんでもいい。だって新八はやれば出来る子なのだ。
行けば、確実に執行される!!
さらばだ、新台!
あ・・・でも入れ替えの次の日ってのも実は狙い目だよな~。
力なく紙に手を伸ばし始めた銀時に、もう逃げる気はないだろう
と確信した新八は、今度こそ洗濯機の元へと足を進めた。
・・・が、単調作業は飽きるもので。
早々にチラシ作りに飽きてしまった銀時は、何気なく部屋を掃除している
新八に目をやる。
本当、ウチの奥さんは働き者だね~。さっきから全然座ってねぇじゃん。
っつーか掃除機かける姿も中々クるモンがあるね。
だって見てよ、あの尻。まぁなんとも可愛くプリプリと・・・
あ、駄目だ。やっぱ見んな、あれ銀さんのだから。
って言うか今って何気にチャンスじゃね?
神楽が帰ってくるまでにはまだ時間あるし、銀さんのアナログスティック、
進化中だし。
ならば・・・とばかりに、銀時は新八の名を呼び、コイコイと手招きをする。
「なんですか?銀さん」
「ん~・・・つーかよぉ」
傍に来た新八の腰に腕を廻し、ギュッと引き寄せるとそのまま自分の
膝の上へと乗せた。
慌てふためき、なんとか離れようとする新八に、銀時はニヤリと笑うと、
「金の掛かんねぇ大人の遊び・・・しねぇ?」
そう告げて廻した手を怪しげな動きへと変える。
その言葉と動きに、暴れていた新八の動きが止まる。
そして、
「・・・銀さん?」
新八は離れようと銀時の胸元へと置いていた手を下へと移動させ、
「・・・遊びだったんですか?」
「へ?」
ポツリと呟かれた新八の言葉に、不埒な動きをしていた銀時の手が止まる。
「しかもお金の掛からない、お手軽気分で手を出したんですね」
「あ、あの・・・新ちゃん?」
「銀さん?とりあえずでいいですから・・・」
逝って詫びろ。笑顔で言うと、進化の真っ最中であるモノを
容赦なく退化への道へと誘った。
その後、暫くの間妙に腰を引かせた銀時が、真面目にチラシ作りに
励んでいる姿が万事屋で見られたという。
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新台入れ替えでは何度となく泣かされた記憶があります。
・・・朝から並んであの仕打ちはないと思う(涙)
そんな恨みが坂田氏に行きましたv(待てι)