忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



傘に落ちてくる音がしなくなってきたと思ったら、段々と
周囲が明るくなってきたのが判った。

神楽は傘の合間から、ちらりと空を見上げる。
そこには少しながらではあるが、確かに晴れ間が広がっていて、
もう雨は終わりなのだと言う事が判った。

周囲の人達も次々に傘を閉じ、それぞれの行き先目指して歩いている。
けれど神楽は傘を差したまま。

雨が降ろうが天気になろうが、神楽には関係ない。

でも・・・神楽は目の前にあった大きめの水溜りをパシャリと蹴った。

「雨の日はあんま遊べないネ」

神楽の育った星とは違い、ここの子供達は雨が降ると外で遊ばない。
勿論、急に晴れたからと言って、すぐ遊べるものでもない。
この水溜りの様に、遊ぶのを邪魔するものが、出現するからである。

「・・・つまんないネ」

神楽はもう一度水溜りを蹴った。
そして怨みの篭った目を空へと向け、次いでその目を丸くした。

その視線の先には、大きな虹。
あまり見かけないその光景に、暫し神楽は歩くのを止め、じっと
その光景を眺めていた。

「・・・・・あっ!」

どれぐらいそうしていたのか、不意に以前遊び友達から聞いた話が蘇った。

その子曰く、虹の根元には宝物が埋まっているらしい。

「・・・どうせ今日は誰も遊んでないネ」

神楽はニッと笑うと、水溜り等関係ないように大きく足を踏み出し、
虹に向かって歩き出した。

 

「宝物、宝物・・・う~ん、ナニアルカ?酢昆布は入ってるネ、うん。」

神楽は視線を上に向けたまま、ひたすら虹に向かって歩いていく。
考えるのはその根元にある宝物の事だ。

「後は・・・あ!ご飯を忘れちゃいけないネ!!」

さっきまでつまらなかったのだが、今はなんだか冒険のようで
少し楽しい。
おまけに辿り着けば宝物も手に入るのだ。
神楽の足取りは、一層軽くなっていく。そして・・・


「あれ?神楽ちゃん?」

不意に声を掛けられ、視線を空から戻せば、そこには見慣れた景色が
広がっていて。

「・・・新八?」

「どうしたの?今日は早いね、帰ってくるの」

ニコリと笑う新八がそこに居て。

「お、なんだ。帰ってきたのか?」

「銀ちゃん・・・」

少し視線を上げれば、家の階段から降りてくる銀時が居て。
神楽は思わず、もう一度空を見上げた。

それに釣られるように、銀時達も空を見上げる。

「あ、虹だ」

珍しいですね~。と笑う新八に、そうだな。と微かに微笑む銀時。
そんな二人に、神楽は勢い良く抱きついた。

「ぅわっ!突然どうしたの、神楽ちゃん!」

「おいおい、オマエ今撥ねようとしたろ?人身事故起こす気だっただろ?」

「うるさいネ!それよりドコか行くアルカ?」

「え?いや晴れたから買い物にでも行こうかと思って・・・」

なら私も着いてってやるネ。そう言って神楽は二人の腕にしがみ付いた。

 

酢昆布には劣るけど、まぁコレで我慢してやるネ。

 

神楽は不思議そうな顔をしている二人に、ニッと笑いかけた。
***************************
坂田家が幸せならそれでいい(笑)

拍手[2回]

PR

[50] [49] [47] [46] [45] [44] [43] [42] [41] [40] [39
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]