忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



ダラリとデスクに足を乗せ、ジャ○プを読んでいると、玄関の開く音と、
新八の ただいま帰りました。 という相変わらず礼儀正しい声が聞こえてきた。

「おっかえりぃ~」

銀時はそう返しながら、乗せていた足を下ろした。
それと同時に居間に入ってくる新八の気配を感じ、銀時はチラリとジャ○プから
視線を上げた。

「・・・なんだ、そりゃ」

見ればソコには、いつものスーパーの袋とは別に、大小様々な袋を
携えた新八の姿が。

・・・臨時収入なんてあったっけ?

とりあえず今の万事屋には、こんなに大量の何か(多分食料)を買える
余裕はない筈だが・・・と、銀時は不審げに新八を見やった。
新八は銀時の問い掛けに、力なく肩を落とすと、持っていた袋を
テーブルの上に置き、

「・・・なんなんでしょうか」

序に溜息も落とした。

 


とりあえず買ってきたものを仕舞って来ます。そう言って新八は、
何時も通りの大きさの袋を持ち、台所へと向かった。
残ったのは、持ってきた新八でさえ意味が判らないらしい袋の数々。
なんとなく銀時の糖分レーダーが反応しているのだが、まずは新八の
説明待ち・・・と、銀時は読んでいたジャ○プをデスクの上へと置いた。

暫くすると、新八がお盆に湯飲みを乗せて戻ってきたので、
銀時は腰を上げ、ソファへと移った。
新八は銀時の前に湯呑みを置くと、もう一つを手に取り、向かいのソファへと
腰を下ろす。

「・・・で、どったの?」

お茶を一口飲み、再度銀時が問い掛ける。
すると新八も一口お茶を飲んでから、目の前に置いた袋を見て答えた。

「貰いました」

「誰に?」

「えっと・・・まずはスーパーであった山崎さん。その後巡察していた
土方さんと沖田さん。少し行った所で路地裏から呼ばれて、行ってみたら
桂さんとエリザベスが居て・・・あ、その後真選組に見つかったんですけど
うまく逃げれたみたいです。で、戻ってきた真選組の方数名から。
後は、公園で出店のバイトしてた長谷川さんと、車で移動中の近藤さん。
それと下でお登勢さんに」

指折り数えて名前を読み上げる新八に、銀時は眉を顰めながら
目の前にある袋を覗き込む。

「・・・なんか全部食べ物みたいだけど・・・」

「えぇ、長谷川さんやお登勢さんは違いましたが、それ以外の方達は
ちょっと待っててくれと言って、態々近くの店で買ってきてました」

「もしかして皆で銀さんに感謝感激☆心を込めてお礼の品を~・・」

「ちなみに銀さんには一欠けらも分け与えるな!
・・・との事です」

ニヘラと笑い、希望的観測を述べる銀時に、新八がサラリと告げ、
アンタ、なんかしました?と疑惑の目を向けた。
それに対し なんにもしてねぇよ! と不貞腐れながらも否定する銀時。
なんとも言えない空気が二人の間を通り過ぎていった。

「・・・なんなんだろうなぁ」

「なんなんでしょう・・・」

二人して首を傾げる。
と、そこに新八が小さく声を上げた。

「どったのよ?」

意味が判らず不気味で、お達しも貰ったのだが未練はタラタラ。銀時がソロリと
袋に手を伸ばせばパシリと叩かれた。
その手を摩りながら、新八に言葉の続きを促すと、

「何故だかさっきの注意と共に、『沢山食べて大きくなりなさい』とも・・・」

僕ってそんなにちっちゃいですかね?不満げに眉を寄せる新八を前に、
銀時の脳裏に何かが過ぎり、次に今度は銀時が小さく声を上げた。

 

それは数日前の事。
偶然道で会った土方に、銀時が文句を言ったのだ。

新八にお古の着物を与えたことを。

それを知った時、銀時は問答無用で新八から着物を引っぺがした。
当たり前だ。ドコの世界に可愛いウチの奥さんに、余所の、しかも最早天敵に
ちかい男のお古を着せなきゃいけないのだ。

するとその余所の男は小さく溜息を吐き、ちっちぇえ野郎だな。と吐き捨て、
それにまたムカついていると、それよりも・・・と、真剣な表情を向けられ、

「テメェ、あいつにちゃんと飯、食わせてやってんのか?」

と、問い掛けられた。

なんじゃそれゃ。話摩り替えてんじゃねぇぞ、この瞳孔オープン。

「別に摩り替えてんじゃねぇよ、このクソ天パ!
ただ・・・やったあの着物は俺が13ぐらいに着てたやつだからよ」

腕もそれなりに筋肉ついてるみたいだが、細いしよ。大丈夫か、あいつ。
心配げにそう言う土方に、

「マジでか?いや・・・新八はまだ成長期だし、こう言うのは個人差も
あるし・・・って、何気に腕とかチェックしてんじゃねぇよ!

腰も細いんだぞ、このセクハラマヨ!!と叫べば、
テメェの方がチェックしまくりじゃねぇか!!
その目を速攻抉り出せ!!

怒鳴られ、乱闘寸前になったのは記憶に新しい・・・

 


そう言えば、言い合った場所は人通りも激しい大通りだったっけ・・・

思い出しながら、銀時はちょっとした小山状態になっている袋を見、
そして次に新八の方へと視線を向けた。


キョロリと見開いた目。
小さな顔を支える、白く細い首。
湯呑みを持つ両手は、日頃している家事でカサついているものの、
自分の無骨な手と比べれば、小さく、手首など軽く一掴み出来そうで・・・


「どうかしました?」

そのの視線に新八が首を傾げると、銀時は唸りながらガシガシと後頭部を掻き、

「いや、まぁなんだ・・・大きくおなりなさいよ

と言って、懐から取り出した飴を一つ、袋の中へと落とし、そのまま
新八の傍へと袋を押し出した。

「はぁ!?アンタまでなんなんですか!!?
って言うかそんなトコにまだ隠し持ってたのか、コノヤロー

「いやいや、銀さん的にはそのままでも丁度いいんだけどさ。」

「ちっちゃいってか!?ちっちゃいって言いたいのか!!?」

「いやいやいや、だから銀さん的にはジャストサイズなんだけどね?」

「世間的には違うってか~!!!」

穏やかな午後、万事屋から最早日常となってしまった少年の叫びが
鳴り響いた。

 


その後、新八への不思議な貢物は暫く続き、
新八の機嫌は見事に下がっていき、万事屋の食事は少しだけ豪華になった
と言う。

******************
原稿も頑張ってます。でもそういう時に限って
色々思いつくから摩訶不思議。

拍手[2回]

PR

[70] [69] [68] [67] [66] [65] [64] [63] [62] [61] [60
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]