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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「仕事が入った」

銀時の言葉に喜んだ新八だったが、心なしか告げた本人の顔色が悪い。
もしや危ない仕事なのでは・・・と心配してみると、銀時は緩く首を振り、

「いや、危なくはない・・・けど危ない。
銀さんのガラスの如きハート

「大丈夫ですよ、それ防弾ガラスで二重窓になってますから。
で、なんの仕事なんですか?」

僕や神楽ちゃんも行くのかな?そう思い聞いてみると、
オマエ等はいい・・・と返って来た。

「・・・だってかまっ娘倶楽部だし・・・」

俯き、力なく答える銀さんに、乾いた笑いと いってらっしゃいませ。
の言葉しか贈れなかった僕は、まだまだ人生経験が浅いと思う。

なので人生経験豊富な大人に頑張って貰わなきゃ、うん。

 

 


「ゲッ、なんだこりゃ」

我が家の財布の中身を悲しいほど理解している銀さんは、
文句を言いながらも仕事へ行く為、和室へと入っていった。

それを合掌して見送り、一人分浮いた夕飯をどうしようか・・・
と思いつつ、僕は残っている家事をこなす。

・・・て言うか、なんか鼻歌が聞こえてきてんだけど、
何してんの?あの人。

訝しげに閉じられた襖を見ると、先程の銀さんの声。

どうかしましたか。と襖を開けると、ソコには
女物の着物に身を包み、髪を両サイドで結い上げている銀さんが・・・

「・・・何してんですか、アンタ」

ってかさっきの鼻歌はその支度しながらかよっ!
こわっ!このオッサンこわっ!

「見て判んない?仕事行く支度よ、し・た・く」

白けた目を向ける僕に、科を作りながらそう答える三十路前。

判りたくもねぇし知りたくもなかったよ。
つぅかお店ですればいいでしょ、支度なんて!!」

これ以上僕の視力を下げないで下さい。そう言う僕に銀さんは一つ
息を吐くと、

「判ってねぇなぁ。店なんかでやってみ?お節介な化け物共が
寄り集まってあ~だこ~だと・・・銀さんまで化け物にされらぁ。
やっぱやるからにゃ~ビシッとだな・・・」

だから判りたくねぇよ、そんな心意気。
・・・で?どうしたんですか?」

語りだした銀さんの言葉を遮り、先程の言葉の意味を問い掛ける。

・・・て言うかさっきの鼻歌といい、この心意気といい、確かに
この仕事は危ないかも、銀さんの癖になりそうで。

そう考えていると、銀さんは先程の事を思い出したのか、あっと叫び、
手にしていた小さな筒を僕の目の前に突き出してきた。

「これだよ、これ!」

「これって口紅?・・・あ」

受け取って蓋を取ってみれば、そこには想像していた様な状態ではなく、
ポッキリと折れてしまっている色鮮やかな棒が。

「ったく、これじゃ使えねぇじゃねぇか!折角のパーフェクトパー子が
台無しよ!」

貸すならマシなの寄越せってんだ!と怒る銀さんを はいはい と宥めつつ、
横に置いてあった化粧ポーチを手に取る。

パーフェクトパーな子は大丈夫そうですけどね。」

あ、あった。目的のモノを見付け、僕はそれを取り出した。

「・・・なんだ、そりゃ」

不思議そうにそれを見る銀さんに 紅筆ですよ。と答え、
折れてしまった口紅にそっと筆を下ろす。

「姉上もコレ使ってるんです。この方が綺麗に塗れるらしいですよ。
それに最後の最後まで使えるし」

ある程度の紅を筆につけると、覗き込んでいた銀さんの頬に手を当て、
顔を上げさせる。

「はい、塗ってあげますからちょっと口開いて下さい」

「お、おう」

告げると銀さんは緩く口を開け、少しだけ目を伏せた。

・・・なんか可愛い。

赤くなりそうな頬を無視して銀さんの顎に手を添え、丁寧に紅を塗っていく。


身長差のせいか、こんなに間近で銀さんの顔を見るのは始めてかも。


なんか嬉しくて、ちょっと楽しくなって。
恥ずかしいのもあったけど、今は誰にも見られてないからいっか・・・と、
僕は少しだけゆっくりと紅を引いた。


って言うか銀さん睫ながっ!
こうして見ると、整ってるんだよねぇ銀さんって。
色も白いし・・・うん、この口紅の色、銀さんにあってるかも。

さっきまでの自分を棚上げしてそんな事を考え、少し笑った。


「はい、もういいですよ」

自分の塗った口紅の出来栄えに満足しながらそう告げると、
銀さんは漸く視線を上に上げた。

「・・・パー子、綺麗?」

「綺麗綺麗。すっごく美人ですよ~」

口紅を塗ってもらったのが恥ずかしかったのか、ふざけ気味にそんな事を言う
銀さんにクスクス笑って答えれば、銀さんもニヘラと笑い、

「あんがと、新ちゃん」

チュッと塗ったばかりの口紅を、僕の唇へと移してきた。

「なっ!!」

「ん~、新ちゃんにはもう少し可愛い色が似合うなぁ」

ゴシゴシと袖で口を拭う僕の手を取り、まっいっかぁ。と笑い、再び唇を
寄せてこようとする銀さん。

 

「さっさと仕事行ってこいや、ボケェェェ!!!」

とりあえず外に放り出したのは、言うまでもない。


・・・て言うか人生経験豊富な大人は時々卑怯だ。


僕は少しだけ色の残った唇を、そっと撫でた。

**********************
一度は書いてみたいパー子話。

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