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「な~にやってるんでィ」
後少しで開店時間になろうとしているその時、一種の団子状態になっている
万事屋メンバーに一つの声が掛かった。
チラリと目を向ければ、其処にはあまり・・・と言うか限りなく切実に
会いたくない黒い方々が。
「別に~。君達には関係ないんでさっさと行って下さいぃ~」
銀時は向けた視線を逸らして追っ払おうとするが、ヒョコリと自分の
肩口から顔を出した新八にそれを阻止された。
「あ、沖田さん、土方さん。お早うございます」
早いですね~・・・なんてにこやかに挨拶なんてものまでしてるし。
おまけにゴソゴソと移動し始めるし。
何ソレ。さっきまで銀さんの事風除けにしてなかたっけ?
なんでこいつらの為に動き始めちゃってるわけ!?
それでもちゃっかり腕は離さないので、三人はそのままの格好で沖田達に
対する事になった。
「旦那・・・そんなに大っぴらにやっても、セクハラはセクハラですぜィ」
「違うから!ソレ違うからね!今回ばかりは同意済みだから!」
「って今回以外は違うのかよ、よぅし総悟、しょっ引け」
「ちょっとぉぉぉぉぉ、本当何言ってんの!!
その瞳孔、ちゃんと見えてますかぁぁぁぁ!!?」
「すみません、土方さん。卵が欲しいんでもう少し待って下さい」
「新ちゃん!!?何その無駄に真剣な顔っ!惚れるよ?銀さん惚れ直しちゃうよ!?」
「あ、やっぱいいです。今ドウゾ」
「あ~、ウソです!本当だけどウソですぅぅ!!だから離れんな、寒い!!」
そ~っと離れようとする新八達に、銀時は必死に抱きとめる。
「ぎゃ~、痛い!痛いですって銀さん!!!」
「ん?これが虫入り饅頭アルカ?」
「おしくらまんじゅうね。って言うか違うから!神楽ちゃんも押さないで~!」
「って言うかチャイナ。オメーも何やってるんでィ」
「見て判らないアルカ?虫食い饅頭ネ」
「そんなもん見たくも食いたくもねーな。」
「じゃあお前らは見なければヨロシ。温かくていい気分ネ。」
フフンと沖田等から顔を逸らし、ペタリと新八の胸元に頬を寄せる神楽。
そんな神楽に沖田は少し考えると、
「確かに今日はまた一段と寒いしねィ・・・よし判った。」
そう言って隊服の前を広げ
「眼鏡君、こっちに来てくだせぃ」
と、新八を誘った。
「は?」
「ちょっ!沖田君!?何言っちゃってんのぉぉ!!」
「俺だって寒いんでさぁ」
「お前なんか凍えて死ぬヨロシ。寧ろ死ネヨ」
沖田の言葉に新八は目を丸くし、その両脇で暴言が飛び出した。
が、そんな言葉など聞こえないかのように沖田は爽やかだが
何故か見た者に寒気を感じさせる笑みを浮かべる。
「いいじゃねーかィ。チャイナと旦那は二人で温め合ってれば」
「いやネ。加齢臭でむせ返るアル」
「ちょっ!いつまでそれ続ける気だゴルァァァ!?
って言うか万事屋は三人で一つなんですぅ!
テメーはそこの瞳孔マヨと寒々しく
抱き締めあってろ!あ、でも視界の暴力だから他所でやってね」
「いやでさァ。そんな事をするなら土方殺した方がマシってなもんでぃ」
「ってオイィィ!!そこは自分が死ぬトコだろぅが!!」
「いいから、ホラ来なせぇ、新八。
で、お前の熱を体ごと根こそぎ寄越しやがれ」
「何ソレ!全力でイヤなんですけど!!!」
「オイコラ、テメーの部下が思いっきりセクハラ宣言してんですけどぉ!?」
「ばっかオメー、コレはあれだ。S星の公用語だ。
とりあえず危ね~からこっち来とけ、し、し・・・新八」
「テメーが危ねーよ、ボケェェェェェェェェ!!!!」
騒ぎまくる万事屋メンバーと真選組の二人。
開店時間となり新八の主婦魂に火がついて、この虚しい戦いに
終わりがくるまで、あと少し・・・