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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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ある日、何時ものように買い物に行くと、これまた何時ものように
マヨを買いに走らされている山崎さんと会った。

それぞれ上司の愚痴やらを零しながら帰る途中で、不意に
山崎さんの口から銀さんの名前が飛び出してきた。
どうやら銀さんには、僕が気が付かなかった散歩の規則性があるらしい。

「だからさ、今度の特売日にはさ、誘ってみたら?」

きっと大丈夫だから。なんて自信満々に言う山崎さんには悪いけど、
僕としては話半分に聞いておいた。
だって、近くにある物ですら、僕を呼んで取らせようとするぐらいだからね。
そう簡単にはいかないだろう・・・て思ってたんだけど・・・


「銀さん、今からどっか出掛けます?」

次の特売日に、声を掛けるだけなら・・・と、思い切って銀さんに
聞いてみた。
すると、何時ものようにダラリとソファに寝転びながらジャ○プを
読んでいた銀さんは、チラリとこちらに視線を向け、

「なんで?」

と聞き返してきた。

質問に質問で返すなよな、いい大人が。

そう思ったけど、声には出さず銀さんの問い掛けに答える。
だって時間ないし。

「僕、今から買い物に行くんですけど、もし良かったら散歩がてら
行きません?」

着ていた割烹着を脱ぎ、財布を手にしながらそう言うと、銀さんは
読んでたジャ○プを置き、頭を掻きながら起き上がった。

「んだよぉ、さては銀さんを荷物持ちに使うつもりだな、コノヤロー」

全く人使いが荒い子だねぇ。なんて文句を言いながらも立ち上がり、
玄関へと向かう。

その姿に、僕は自分で誘ったにも関わらず驚きに目を見開いてしまった。

なんだろう、このすっごい違和感!!

呆然としている僕に、銀さんは訝しげな視線を向けてきた。

「・・・あ?んだよ、行かねぇのか?」

「え?あ、行きます、行きます!」

気が変わられては困る!と、僕は急いでその後を追った。
それからと言うもの、買い物には大抵二人で行くのが当たり前になった。

 


が、今日は少しだけ違う。
昨日まで振っていた雨のせいで、神楽ちゃんと定春が泥だらけで
帰って来たのだ。
お陰で万事屋内は泥だらけ。

別に泥だらけで遊んで来るのが悪いって言ってるんじゃないよ?
この頃雨ばかりで、思いっきり外で遊べなかったしね。
だけどね?

そのまま入ってくるのはどうかと思うんだ。

かと言ってそのままにしておける筈もなく、とりあえず神楽ちゃんをお風呂に入れて
服を着替えさせ、その後定春を連れて公園に行ってもらった。
アソコなら広いし、水道があるからね。
そこで泥を落として、序に日向ぼっこして乾かしてきてくれるよう頼んだ。
これで元凶の二人はいいとして・・・残るは無残なこの部屋だ

・・・とりあえず、洗濯物が被害に合わなかっただけでもよしとしよう。

出て来そうになる溜息を飲み込み、自分にそう言い聞かせると
和室からのっそりと出てきた銀時を見た。

「あ~あ、こりゃまた派手にやったなぁ、おい」

「ま、所詮泥ですから、掃除すればいいんですけどね」

銀時の言葉に力なく笑い、新八は今後の予定を組み立てなおす。
とりあえず、今から行こうと思ってた買い物は・・・

「ね、銀さん。今からどこか出掛けます?」

僕の何時もの言葉に、銀さんの口元が少しだけ上がる。

「ん?買い物か?」

「えぇ、そうなんですけど・・・今日は銀さん一人で行って来てくれません?」

「はぁ?」

僕のお願いに、銀さんは物凄く不満げな表情になった。
それに対し、僕も少しだけ口を尖らす。

「だって仕方ないじゃないですか、この部屋どうにかしないといけないし」

かと言って、それを待ってたらタイムサービスが終わってしまう。
それでは意味がないのだ。

「ね、お願いします、銀さん」

両手を合わせお願いすると、銀さんは頭を掻きつつ少し考えた後、
仕方ねぇなぁ と請け負ってくれた。

「で、何買ってくればいいんだ?」

「有難うございます!えっと確か今日は油とみりんが安くって・・・」

朝チェックしたちらしの中身を思い出しながら、買ってきて欲しい物を
上げていくと、銀時が ちょい待ち! と片手を上げてそれを止めた。

「そんなに言われても覚えきれねぇよ。なんか書くもん貸せ」

「あ、そうですね」

そう言われ、電話の横にあるペンとメモ帳を銀時に渡す。
すると銀時はペンを取り、次に新八の手を取ってその手の甲に
先程上げた商品名をメモリだした。

「って銀さん!!アンタドコに書いてんですか!!」

「あ?あぁ・・・間違えた

ま、いいじゃん。そう言ってヘラリと笑う銀時に、よくねぇよ!と叫びつつ、
新八は自分の手を奪い返した。

「あ~、もう何やってんだか・・・」

しっかりと書かれたメモに肩を落としつつ、新八は銀時に向かって
手を差し出した。

「僕が書きますからペン貸して下さい」

「え~、いいじゃん、もうそれで」

そう言うと銀時は差し出された新八の手を取ると、そのまま玄関へと
足を向けた。

「ちょっ、待ってくださいよ、銀さん!」

まだ掃除してない!・・・って言うかなんで僕まで!!?
一人で行ってくれるんじゃないんですか!?

確りと僕の手を握ったままブーツを履き始める銀さんにそう文句を言うと、

「だってメモねぇと何買ってきていいか判んねぇもん」

何当たり前の事聞いてんだ?みたいな表情でそう返された。
いや、こっちがするべき表情ですからね、それ

「だから今僕が書くって言ってるじゃないですか。
大体僕が一緒に行ったら、メモの意味ないでしょ?」

それに掃除しなきゃ・・・そう言う僕に、銀さんは握った手に少しだけ
力を込めてきた。

「掃除はさ、後で銀さんも手伝ってやるから」

だから一緒に行こ。銀さんの言葉に、僕は小さく溜息を吐いた。

知ってます?アンタ、今自分がどんな顔してるか。
今ね、玄関の段差のせいで、何時もと違い少しだけ視線が近いんですよ?
お陰で僕には丸見えなんですけどね。

三十路前のオッサンが、そんな構って欲しい
子犬みたいな顔すんなや!
あ、違う、子犬じゃないや
この駄犬、三十路だし。
ってそうじゃなくて! 
断れないでしょうが!、そんな顔されたら!!

「・・・絶対手伝って下さいよ?」

そう念を押し、僕も草履へと足を伸ばすと、横から凄く嬉しそうな
気配がしてきた。

あぁ、もう!絶対今顔赤いよ、僕!!

そして僕達は、また何時ものように二人で買い物へと向かったのであった。

 

 

その後、店に着くまで銀さんは僕の手を離そうとしなかった。
銀さん曰く、買い物メモはきちんと持ってなきゃダメなんだそうだ。

後日、それが二人で買い物に行く時の『当たり前』の事になったのは
言うまでもない。

***************************
『情け』の続き。
開き直った坂田は強かで・・・ウザい(笑)

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