忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



「全く、お子様は元気だね~」

いつの間にか日課となってしまった、放課後のお手伝い。
静かな資料室の中で、ボソリと先生が呟いたのが聞こえた。

視線を上げれば、そこには手を止めたままボンヤリと窓の外を
眺めている先生が居て、つい僕も窓の外へと視線を移した。

そこには夕陽に染まったグランドで部活動をしている生徒達が。

「寒いのにさ~、本当よくやるよ。」

「先生、その発言おっさんぽいですよ」

ってか早く手を動かしてくださいよ。そう言うと、先生はへいへいと
返事を返しながら、手元の書類へと視線を落とした。

動き出した手を確認し、僕もそれまでの作業に戻る。

夏休み前の告白まがいな事から、はっきりとした告白を受けてしまった後、
僕達はどうなったかと言うと・・・実はそんなに進んでいない。

と言うか、実ははっきりと返事をしてなかったりする。

や、学校のある日はこうして放課後残って、一緒に居るんだけどね。
帰りも大体送ってもらってたりするんだけどね。
休みも、時々一緒に出掛けたりしてるんだけどね


セクハラも偶にされてるんだけどね。



でも・・・返事はしてないんだよね、僕。

なので未だ正式にお付き合いしてるって感じでは・・・ない。

なんかね・・・もうこうなるとタイミング?
ってか勢い?そう言うものが大事だと思うんだよね。
なんか今更って感じもあるし・・・

それに・・・あれから先生、何にも言ってこないし。

や、セクハラはするんだけどね。

でも・・・本当の所、先生はどう思ってるんだろう、この状況。
もしかして、もう付き合ってる感じなのかな?
それとも、ちゃんとした返事を返さないから諦めちゃった?

・・・どっちにしろ、聞きにくい事に変わりない・・・か。

ちらりと視線を向ければ、何故かこっちを見ていた先生と
目が合って、僕は慌てて視線を戻した。

ってかなんであの人こっち向いてんのぉぉぉ!!!
仕事しろよコノヤロー!!!

一人焦っていると、のんびりとした先生の声が掛けられた。

「なぁ、新八ぃ」

「な、なんですか!」

焦ってるせいか、少しだけ大きな声を出してしまった気がする。
が、先生は気にしていないようで、そのまま言葉を続けた。

「外、寒いよなぁ?」

「・・・そりゃそうでしょ」

何を言い出すんだか・・・とドキドキしている心臓を押さえつつそう返せば、
机の向こうで大きな溜息が聞こえた。

なんだろう、そんなに寒いのが嫌いなのかな?

コトリと首を傾げていると、先生は小さくペンを持っていない手を振った。

「先生さ~、寒がりなのに手袋、忘れちゃったんだよねぇ」

「はぁ・・・」

ってかそんなの何時も持ってたっけ?

思い返したが、そんなのしてなかったように思う。
それを言おうとする前に、再び先生が口を開いた。

「ちなみに上着のポケットは片方破けててスースーです」

「あ、縫いましょうか?」

そう言ってみたが、それはまた今度頼む。と言われた。

どうやら先生の要求しているものは違ったらしい。
・・・が、依然何を言いたいのか判らない。

「これが終わる頃には真っ暗だろうしさ、そうすっとますます
寒くなんじゃん?俺、耐えられないかも~」

首を傾げている間も、先生の言葉は止まらない。

や、それだと僕も同じ状況になるんですけど?
僕だって手袋、持ってないし。
・・・まぁポケットは破れてないけど。

「と、言うことで・・・だ。新八君」

訳が判らないままの僕の前で、先生はやっと話を止めると
口元を緩く上げた。

「そろそろ正式に、身も心も暖めてくれる恋人にならねぇ?」

ちなみに入れてくれるポケットも募集中です。そう言って掌を
差し出してくる先生に、それまで冷静になっていた頭が
再び沸騰する。

突然の事に、ただパクパクと口を開いていると、

「お~、新八は暖かそうだなぁ」

ほっぺ真っ赤っか。と、先生は嬉しそうに笑みを広げた。
それに僕は、先程までの考えなど遠くの彼方に放り投げた。

さ、最悪だこの人!なんでこのタイミング!!?
や、ってかタイミング良すぎぃぃ!?
そりゃあ今更聞き辛いなぁとか思ってたけど・・・
思っていたけれどぉぉぉぉ!!!

「こ、これは夕陽のせいです!」

僕は慌てて顔を背けると、目の前の資料を睨みつけた。

「ん~?でももう陽も沈んで・・・」

「ません!!まだありますっ!」

ほら、さっさと終わらせますよ!!そう言って顔を背け、
乱雑に手にしていた資料を棚に戻す。
なんだかポカポカしてきて、余計に頬が赤くなっていくのが
判り、ますます感じる熱は高くなる。

あ~、もう絶対先生、僕の返事判ってるじゃん!
判ってて聞いてるよね、それっ!

ククッと笑みを零す先生の声を聞きながら、僕は今日の帰りにでも
新しく住人になるであろう、自分よりも幾分大きな手を思った。

 

・・・どうやら今年はそんなに寒さを感じなくてすみそうだ。

**************************
漸くお付き合いスタート(笑)

拍手[5回]

PR

[172] [171] [170] [169] [168] [167] [166] [165] [164] [163] [162
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]