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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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冬はやっぱり炬燵にみかんでしょ。

俺はそれまでの定位置であるソファに別れを告げ、
最近新しい定位置となった炬燵の一角に座り込むと、
テーブルに置かれた籠の中からみかんを一つ手に取った。

「やっぱアレだな。炬燵には魔法が掛けられてるね、絶対」

自分の考えに酷く納得しつつみかんを剥いていると、炬燵の向こう、
つまり居間の方を掃除していた新八が呆れた視線を寄越してきた。

「炬燵って言うより銀さん事態に掛けられてるんじゃないんですか?
堕落と言う名の呪いが」

「いやいや炬燵にも絶対掛けられてるって。
ちなみに銀さんはその呪いを広い心で持って受け入れ、
共に生きて行く覚悟であります」

「そこは強い意志で持って解いていく
覚悟を決めてくださいよ。
ただでさえ天パの呪いが掛かってるんですから、一つぐらい
荷物を軽くして下さい」

「え?なに?これ呪いだったの?だったらセオリー通り
新ちゃんが銀さんにチューして下さい。
さすれば色々なモノが解き放たれます」

「なんだよ、色々なモノって。
とりあえずそのままの銀さんがやっぱり好きなんで、
今後一切チューはしない方向としま~す」

折角真剣にお願いしてみたのに、新八は軽くそう返すと
ゴミを掃き取り、そのまま箒を持って視界から消えてしまった。

・・・チキショー。こうなったら意地でも呪いが解けるまで
チューしまくってやる。
あ、でもそう考えたらナイス呪いじゃね?これ。
かなり強固な呪いだからね、銀さんのは。
多分毛根が死滅するかどうかまで行かないと、解けそうにないから。

よし、それまでずっとチューする勢いで行こう。
それ以降もずっとしていく心積もりで行こう。

人間、やっぱ中途半端は良くねぇ。
最後の最後まで、ずっとして行こう、チューを。

そう固く心に誓っていると、今度は縛ったジャ○プを持った新八が
炬燵の向こうを横切っていった。

あぁ、俺の聖書が・・・

そうは思ったが、何も言わずにおく。
以前文句を言ったら、知らないうちにそれ以外の俺の聖書(エ○本)
もれなく捨てられた事があるのだ。

結構上手いこと隠していたと思っていただけに、
色々びっくりだ。

最初は誰かに貸したか?とも思っていたのだが、どの隠し場所を見ても、
見事に一冊もなくそこで漸く捨てられた事に気付いたのだが・・・

まさか新八に「俺のエ○本どこやった!!」・・・なんて
聞ける筈もなく、泣き寝入りとなってしまった。
が、何処となく俺の態度で気付いたんだろう、ある日新八が
酷く優しげな笑顔で、

「銀さん、聖書は一つでいいですよね?」

と言ってきた。

当ったり前だろうがコノヤロー!!
銀さんの少年的心をなんだと思ってんだ!?
何個も聖域を持つほど広かねぇんだからな?コンチキショー。
って事で昼と夜、それぞれに一つずつ必要です。
本当、ごめんなさい。

で、とりあえずそこら辺は量だけきちんと制限していれば
黙認してくれるらしい。
いやはや、俺の聖母は中々心が広い。

という事でサラバだ、俺の聖書。
夜の聖書の為にも、その身を犠牲にしてくれ。

少し涙ぐみながら、剥いたみかんを食べていると、雑誌を玄関に
置いてきたらしい新八が再び横切っていった。

今度は何をする気なのだろう。

モグモグと口を動かしながら、先程からチョコマカと動きまくっている
新八を目で追う。

すると、少ししてから今度は急須と湯呑みを載せたお盆を持って
新八が姿を現した。

「はい、お茶です」

そう言ってお茶を淹れた湯呑みを俺の前に置いた。

「あんまりみかん、食べ過ぎちゃダメですよ?」

そう言って笑う新八の視線の先には、既に二つ目を剥きだしている
俺の手が。

「これもある意味呪いだな」

ついつい手が出ちまう。しみじみ言うと、新八が小さく噴出した。
見上げればまだ立ったままで、直ぐにでも立ち去りそうだ。

案の定、馬鹿ばっかり言って。 と笑いながら、その場を離れようと
しているので、俺は慌てて新八の袴を引っ張った。

それに新八はクルリと振り返ると、小さく首を傾げる。

「なんですか?」

「よく働く新ちゃんにご褒美」

問い掛けてくる新八に、俺は剥いたみかんを一房手に取り、
新八へと差し出す。
新八は苦笑し、お手軽なご褒美だな~。等と言いつつも
みかんを貰う為、俺に手を差し出してきた・・・が、
俺はその手を避けるように、みかんを引き寄せる。

その行動に不審げな表情を浮かべる新八に、俺はニッと笑うと、

「はい、あ~ん」

そう言い、再び新八へとみかんを差し出した。
新八は一瞬目を見開くも、こうなった俺が言う事を聞かないと言うのを
理解しているのだろう。
顔を赤らめ、少し怒っているぞ、と言う風に眉を寄せると、
それでも素直に体を屈め、口を開けてくれた。

それに俺はポイッとみかんを放り込むと、そのまま新八の腕を引き、
序に俺の唇も新八へと差し出してみる。

驚く新八を無視し、暫しみかんと新八の味を堪能する。

あ~、やべ。
本当に色々なモノが解き放たれそう。

だが、昼真っからそんな事をすれば、後で新八の何かが
解き放たれてしまう。

俺はぐっと我慢し、最後に可愛らしい音を立てて新八の唇に
暫しのさよならを告げると、座り込んでしまった新八の頭を撫でて、
重い腰を上げた。

少し涙目になりながら、こちらを恨めしそうに睨む新八に
一つ苦笑を返すと、固まった体を伸ばす。

「さて・・・と。新ちゃんのお陰で炬燵の魔法は解けたみたいだから、
今日の夕ご飯は銀さんが作ってやらぁ」

新ちゃんはゆっくり炬燵の魔法にかかってなさい。そう告げて
新八の愛ある罵声を浴びながら、台所へと向った。

 

 

 


その後、こちらも何かの呪いにかかってんじゃね?と思いたくなるような
隙間だらけの冷蔵庫を前に、一頻り悩み、買い物にでも行くか・・・と
和室へと戻ってきた所、炬燵に潜り込んで眠っている新八を発見した。

どうやら見事に炬燵の魔法に掛かったらしい。

気持ち良さそうに眠る新八に、

「やっぱ眠り姫にはチューだよなぁ」

と、嬉しそうに俺が呟き、実行したのは、言うまでもない。

**********************************
日々、コタツの魔法にかかってます。
あの威力・・・半端ねぇ!!

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