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「あ~にやってんだ、てめーはっ!」
その言葉と共に、ペシリと頭を叩かれた。
銀さんはよく頭を叩く。それは勿論理由があっての事だけど、
やっぱり頭はよくないと思う、頭は。
・・・と、言う事で。
「叩くなら他のトコにして下さいよ」
僕は叩かれた頭を撫でながら、そう訴えてみた。
ちなみに今回叩かれた理由は、昼間買い物に出掛けたまま、
僕が夜まで帰らなかったから。
ってか帰れなかったから。
確かに僕は買い物したらすぐに帰ってくるつもりでいたのだ。
けれど運悪くその道程で沖田さんと会い、強制的に暇潰しの
相手にさせられた挙句、サボリの沖田さんを探しに来ていた
土方さんに見つかり、そのまま強制的に共に逃亡。
逃げて攻撃して逃げておやつして。
攻撃、罠、嘲笑って逃亡、攻撃、返り討ち、逃亡。
そんな事を繰り返してたらいつの間にか夜になり、
沖田さんは就業時間終了、土方さんは疲労困憊で漸く僕も
解放されたのだ。
で、帰ってみれば何時もとは立場が逆転し、玄関で仁王立ちしている
夜叉と遭遇したと言う訳で・・・
って、あれ?これ、僕、悪く無くない?
寧ろ被害者的立場じゃない?
そうは思うが、心配してくれただろう銀さんにそんな事
言える訳なく、素直にお説教を食らっていたのだが・・・
つい、ポロッとそんな事が口から飛び出してしまった。
お陰で目の前の銀さんが、また怖いものになってきている。
うぅ・・・やっと終わると思ったのに・・・
だが、出てしまったものは仕方が無い。
それに前々から思ってた事だしね。
僕はそんなにないけど、神楽ちゃんなんかよくポンポンと景気良く
叩かれている。
僕はそっと神楽ちゃんが寝ているだろう押入れに視線をやった。
うん、やっぱり良くないよ。
だって大事だもん、頭って。
って言うか、あんまり手を出すのも良くないよね。
「オマエなぁ、怒られてるってのにダメ出ししてんじゃねぇよ。
大体昔っから悪い事したら頭叩かれるって決まってんの。」
拳固じゃなかっただけ有難いと思え。そう言う銀さんに、
僕はちょっとだけ口を尖らした。
そりゃ~拳固じゃなかったのは良かったけどさ。
でもやっぱり頭は・・・
「・・・てかさ、頭じゃなかったら何処叩けばいいんだよ」
そんな不満が判ったのか、銀さんは溜息を吐くとガシガシと自分の頭を
掻いて問い掛けてきた。
・・・って、叩くのは絶対条件かよ、おい。
しかし銀さんの尤もな問い掛けに、僕もつい考えてしまう。
う~ん・・・顔・・・は絶対ダメだよね?
って事はやっぱり・・・
「お尻・・・とか?」
そう声に出してから、自分でも納得がいって思わず頷いてしまう。
そう、お尻だよお尻!
だって小さい子とかよく叩かれてるし。
頭よりは断然いいでしょう!
・・・あ、でも神楽ちゃん相手だとダメか。
流石に思春期の女の子相手にそんな事したら、軽く警察沙汰だ。
と言うか、やった方が病院行きだ、きっと。
寧ろ星海坊主さんによる地獄流し決定だ。
やっぱり今のは訂正しよう。と口を開こうとした時、
困ったような顔の銀さんが先に言葉を吐き出した。
「いや・・・そりゃ~さすがに・・・なぁ?」
「ですよね~」
うん、流石の銀さんもそれくらいの常識は持ち合わせてたみたいだ。
僕は乾いた笑いを上げ、銀さんの言葉に同意した。
すると銀さんは顎に手を当て、って言うかよぉ。 と頷きながら
言葉を続けた。
その表情は何時もより真剣で、思わず居住まいを正してしまう。
なんだろう、やっぱり銀さんには銀さんなりの
教育方針があるんだろうか?
そう思って見詰めていると、銀さんが重々しくその口を開いた。
「まぁアレだ。ケツ叩きはあくまでプレイであって、
お仕置きじゃないと思うわけよ、銀さん。」
「・・・・は?」
なんだか真剣な表情から、理解出来ない・・・と言うか
したくもない言葉が出てきて、思わず変な声を上げてしまった。
だが、目の前の銀さんはそんな僕に構わず、どんどん
言葉を続けていく。
「やっぱそこら辺はきっちりしときたいって言うか?
や、お仕置きからプレイに発展ってのも十分アリだけどね。
アリだけど、・・・アリだな、それ。
・・・やべ、結構クルわ、そのシチュエーション。
今まできっちり区別してた自分が情けないね、おい。
あ~・・・新八君?さっき叩いたのは無しにして、今から
新八の希望したケツ叩きを是非実践・・・」
「するか、ボケェェェェェ!!!」
とりあえず、僕は勢いよく腕を伸ばすと、渾身の鼻フックを炸裂させて貰った。
暴力はやっぱりいけないと思う。
そこはやはり譲れない。
でもね?銀さん・・・
躾は別ですよコノヤロー。
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台無し坂田(ひでぇι)
でも実際の所、あんまり新ちゃんの事は叩かないんですよね。
・・・・S心が覚醒するから?(ちょっ!)