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久しぶりに暖かくなった午後、神楽と新八は二人並んで万事屋への
道を歩いていた。
手には本日の戦利品である特売品の数々。
会話は帰り道の途中で見た映画のポスターの話。
「銀さんだったら、絶対糖分取るって言うよね」
「私はそれにダラダラし続けるってのをつけるネ」
「あ、それズルイ!」
「女はズルイ生き物だって昔から決まってるヨ」
そう言い捨てると、神楽は軽快に辿り着いた万事屋への階段を上って行く。
新八もそれに続くように、両手に持った買い物袋をカサカサ揺らして
階段を登って行った。
二人が見掛けた映画のポスター。
それはもし世界の終わりが迫ったら・・・と言う、結構良く見る感じの
内容のもので。
それに対し、安直だの王道過ぎるだの文句を言いつつも、
『もし明日世界が終わるなら何をしたいか』
と言う話題になっていった。
とりあえずそんなに危機感のない二人は、酢昆布をたらふく食べる・・・とか、
お通ちゃんのCDを聞きまくる・・・等と言う非常に夢の無い答えになり、
それはもっと夢の無い、判りやすい大人の答えの予想
へと続いたのであった。
まぁ判りやす過ぎて答えは一つしか出なかったのだが。
「神楽ちゃ~ん、買ってきた物は~?」
とりあえず冷蔵庫に入れなければ・・・と、新八はそのまま
台所へと進む。
その途中、神楽に尋ねると、
「ソコに置いてあるネ。それよりも新八!こっちに来るアル」
逆に居間から声を掛けられた。
新八はとりあえず生物だけを冷蔵庫へと入れると、神楽に
言われた通り居間へと足を進めた。
「何?神楽ちゃん」
「これ見るヨロシ。この分だと私の勝ちネ」
ニシシと笑う神楽に言われるまま視線をやれば、ソコには
昼間っからソファで惰眠を貪る銀時の姿が。
「少しは予想を裏切れよ、おい」
思わず呆れた目で見詰めれば、その横で神楽が寝ている銀時を起こそうと
体を思いっきり揺らしていた。
「銀ちゃん、銀ちゃん!起きるヨロシ!!」
「はぁ!?え?何々?地震!?
世界滅亡級の地震!!?コレェェェ!!!」
「そうアル。
だから銀ちゃん、世界が明日で終わるとしたらどうするネ」
急激な振動を加えられ、さすがに寝ていられなかったのだろう。
銀時がぼやけた目をパチパチさせている中、神楽がそう尋ねた。
すると、銀時は珍しくも死んだ目を大きく見開き、目の前の新八達を
交互に見詰めた。
そして・・・
「え?何?お前らここ出てくの?」
と、問い掛けてきた。
その言葉に、今度は新八達が目をパチクリさせる。
「や、別にそんな事はないですけど・・・」
なんでそんな質問?ってかさっきの質問の答えは?
そんな事を思いつつ、答えを返すと、銀時は大きく息を吐きながら
肩の力を抜いた。
「んだよ、驚かすんじゃねぇよ。なら大丈夫だ。
俺の世界は終わらねぇ」
ったく、いい夢見てたのによぉ。そう言うと銀時は再びソファの上に
ゴロリと横になり、そのまま眠りの世界へと旅立ってしまった。
残されたのは、ポカンとしたお子様二人。
「えっと・・・僕、買ってきた物入れてくるね」
「私、ちょっと散歩行ってくるヨ」
どれだけ時間が経ったのか、二人はオズオズとそう呟くと、
視線を合わせないままその場から立ち上がり、居間を後にした。
頬を微かに染め、口元を緩めながら。
「えっと・・・何コレ。もしかして幻?
え?銀さん、もしかしてまだ寝てたりする?」
そろそろ夕食だと起こされた銀時は、目の前に置かれたプリンに
幾度となく目を擦ってみた。
それを見て、夕食の準備をしていた新八がクスリと笑う。
「何言ってんですか。まだ寝たりないんですか?
もう少しなら寝ててもいいですよ。あ、プリンは明日にします?」
「いやいやいや、寝ねぇよっ!
天下のプリン様を前にして寝てられるかってぇのっ!」
「銀ちゃん、今日は力が有り余ってるから
肩でも揉んでやるネ!」
「や、おかしいからね?
揉む理由が完全におかしいからね!?
なんなんだ、テメーラッ!どうかしちゃいましたかぁぁ!!?」
なんかすっげー怖いんですけどぉぉ!!そう言いながらもプリンを確り
握り締め、恐々と目の前の新八達を見詰める銀時。
だが、新八達はケロリとその視線を流す。
「別にどうもしませんよ?あ、今日のおかずは甘い卵焼きですよ。
それしかないですけど。」
「銀ちゃん、肩がイヤなら腰踏んでやるネ。
今日走り回ってないから、余力バリバリヨ!」
「ちょ、怖いっ!怖いから本当ぉぉぉぉぉ!!!!
神楽に関しちゃリアルに怖ぇぇぇぇぇっ!!!!」
だって仕方ないじゃん、ねぇ?
怯える銀時をよそに、新八と神楽は視線を交わすとにんまりと微笑んだ。
突然ですが、今日から銀さん愛護強化週間となりました。
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手違いで坂田に優しい話になりました(おいっ!)