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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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ほら、よくあるじゃん?
街歩いてっと、アンケートだの勧誘だのって
声かけてくるヤツ。

銀さんなんてさ、なんつうの?
人の良さが滲み出てるっつうか湧き出てる感じじゃん?
だからよく声かけられんだよ。

やだね~、人の良いトコに漬け込みやがってよ。
無碍に出来ねぇっての、本当。

まぁ足蹴にはすんだけどよ。

ま、そう言う事で本日も捕まってしまって
こんな時間になってしまいました。
別にパチンコ屋に吸い込まれてた訳じゃありません。

 


そろそろ良い子は眠りに付く時間。
ちょっと出掛けて来ると言って昼過ぎに出て行った俺は
素直に遅くなった理由を言ったのに、目の前の新八は

「なら財布だしてみろ」

と笑顔で返してきました。

・・・あれ?どこでバレたんだ?


とりあえず、『僅かしかない』『全くない』のでは、
些細なようでとてつもなく大きな差があるので
なんとか誤魔化そうとしたのだが、
『後ろめたい俺』『本気主婦モードな新八』
力の差もとてつもなく大きかったようだ。

気が付けば仁王立ちしている新八の前で、正座をしていた。

・・・あれ?
俺って白夜叉とか言われてなかったっけ?





 

「全く、どうせ勝てないんだからやんなきゃいいのに」

深々と溜息を付き説教を終えた新八に、俺は軽く肩を回しながら
正座を崩した。

「んだよ、そんなのやってみなきゃ判らねぇだろうが。」

「やらなくても判ります。
じゃなきゃパチンコ屋さんはやっていけません」

そりゃそうだ。

思わず納得しかけるが、イヤイヤイヤと頭を振る。

だってあの箱を積み上げた後の優越感と幸せ度
やってるヤツにしか判らねぇ。

それが例え、稀にしかないとしても・・・だ。

過去、数回あったその幸せな光景を思い出し、
序にふと今日あった事も思い出した。

「そう言やぁ今日、俺の幸せを祈らせてくれって
言うのに捕まったんだけどよ」

そう言うと、新八は大きな目を更に丸くした。

「え、それ本当だったんですか!?」

「ウソをつく時は、ほんの少しの真実を交えた方が
バレないものなのだよ、新八君」

「や、バレバレでしたけどね。
っつうかそんな自慢げに言う事でもないですけどね」

で、銀さんはどうしたんですか?と聞いてくるので、

「他人に祈って貰って得られるほど、
俺の幸せは容易いもんじゃねぇって言っといた」

と答えたら、銀さんらしいですね。とやんわり笑われた。

・・・やべ、俺超幸せ。

「でも僕だったら、何も言えず祈られちゃいそうです」

どうやら完全に怒りは解けたらしい。
苦笑しつつお茶を入れてくれる新八に、俺は立ち上がって
ソファに腰を下ろした。

「あ~、オマエそう言うの弱そうだもんな。
押し売りには強いけど。
ってか別に『今すっごく幸せだから間に合ってます』って
言えばいいんじゃね?」

事実そうだろ?淹れて貰ったお茶を一口飲み、そう問い掛ける。
すると新八は一瞬キョトリと目を丸くし、次ににっこりと
口元を上げた。

「そうですね~、現に今日のおかず盗られたりとかしましたけど、
それは帰って来るだろうと思って用意していた
人の分
を貰ったんで大丈夫でしたし。
毎日の事で言うと・・・掃除をする端から
汚しまくってくれる人達が居る
んで
やりがいはありますし、
少ない生活費で遣り繰りしてるんで、計算能力
家事能力が格段に上がりましたし・・・
まぁこれは現在進行形で予定外の出費を
ガンガンしてくれるので
本当、鰻上りなんですけどね。
それになんか声量も上がったし・・・あ、何故か血圧も上がった気がしますけどね。
でも体力も上がった気がしますし、打たれ強くなったような
気もしますし・・・いいんじゃないですか?
全体的に。
人間諦めも肝心ですし。
本当、これ以上の幸せ祈る程度で貰えるとは
とても思えませんね」

ねぇ、銀さん。
そう言って笑う新八は・・・何故だろう


とても怖かった。



思わず固まれば、クスリと笑う気配が。

「なんてウソですよ。」

笑いながらそう言う新八に、俺は心底胸を撫で下ろした。

ちょ、オマふざけんなよ。
銀さん真剣に泣きそうになったじゃねぇか。

そう文句を言えば、

「ウソをつく時は少しの真実を混ぜればいいんでしょ?
・・・まぁ少しなんかじゃないですけど」

なんて言い返してきやがった。

本当、なんかすんません。

・・・て待てよ?ウソってどの部分がウソだったんだ?
もしかして幸せじゃねぇのか!?

まぁさっきので心底幸せって言うのも
どんだけMなんだって話になんだけどなっ!

慌ててそう聞けば、新八は呆れた顔を俺に寄越した。

 


「何言ってんですか。
アンタ達と一緒に居て、幸せじゃない訳ないでしょう?」

 

 

 

 


・・・多分、今夜俺は幸せすぎて死ねる。


*******
偶にはうっかりしてみる。

拍手[19回]

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「なんでこんな暑いアルカ~」

「それは今が夏だからだよ」

「でもみぃちゃん家は涼しかったアル」

「それはエアコンがあったからだよ、きっと」

「じゃあウチもエアコン買うアル」

「・・・夏は暑いもんなんだよ、神楽くん」

 

 

 

 

 

 

 


「って、暑苦しいなぁ、オイ」

少しはシャキッとしなさい!なんて声が背後から聞こえてきて、
それまで扇風機を奪い合いながらグダグダ言い合っていた俺と神楽は、
のっそりと顔を向けた。

見ればハタキ片手に腕まくりをしている新八の姿が。

よし、夏万歳。

「仕方ないネ、新八。暑いんだから見苦しくもなるヨ。
見てみるネ。銀ちゃんなんか、暑くて鼻の下がデロッデロ
伸びきってるアル。
切断してこいよ、もう」

「ちょ、神楽ちゃんんんん!!?
怖いんだけど。
暑い筈なのに一瞬背筋がひんやりしたんだけどぉぉ!?
涼しくて良かったけどね!
ってか伸びてねぇよ、そんなに!
見てみ?ちゃんと見てみ!?何時ものすっきり爽やか
銀さんのフェイスがあるからぁぁ!!」

なぁ、新八!!そう言って視線を向ければ、返ってきたのは冷ややかな笑顔。

・・・あれ?今って夏だったよね?

「すみません、陽炎で全く見えません。
でも本当、毎日暑いですよね~。」

何時まで続くんだろ。と、新八は片手で顔を仰ぎながらそうぼやく。

「確かに。何時まで続くんだろうな~、この暑さ。
もうこうなったらパフェでも食べて体の中から涼を取るしか
なくね?」

「その前に体の中から血液抜き取ってきて下さい。
確実に涼しくなりますよ?こう、意識がなくなる程」

「あれ?それ死んでね?」

「暑苦しいのがいない&冷えた体で涼を取る。
一石二鳥ネ!」

「おぉぉぉいっ!
笑顔でサラッと言ってんじゃねぇよ!
めっちゃ心が寒くなったわっ!!!」

「銀ちゃんだけずるいネ。
お詫びに扇風機の占領権を私に寄越すヨロシ」

「え、何この理不尽。
チッキショー、絶対渡さねぇ!」

ってか何でこんな時だけ流暢な日本語ぉぉ!!?
神楽の言葉に怒鳴り返しながら、一生懸命扇風機の前に
体を押し込んでいると、パシリといい音が後頭部で炸裂した。

思わず頭を抱え込んで振り返れば、呆れ顔の新八が。

・・・ちっ、どうせならその可愛い足で
踏んで来いよ。

「アホな事ばっかり言ってないで、さっさと首振りに
して下さいよ。
僕だって当たりたいんですから」

「大丈夫だ。特等席な銀さんの膝があいてっから」

「何が大丈夫なんですか、それの。
ってか暑苦しいって言ってんでしょ!!」

「だからエアコン買お~。
それか銀ちゃんの屍~」

「どんな究極選択ぅぅ!!?」

寧ろオマエがなれっ!とばかりに、扇風機の前と言う
狭い範囲で、再び神楽とのど突き合いが始まる。

それに今度は扇風機を壊されたら堪らない・・・と、
新八まで参戦してきて。

 

数分後、暴れれば暴れるほど暑くなるのに気付き、
仕方なく首振りにして三人並んで扇風機に当たる事となった。

 

 

 

 

 

 

 


「あ~、でも本当。エアコン購入真剣に考えましょうか?
家の中でも熱中症になった人、結構居ましたし」

確かそろそろシーズンオフで安くなって来てるはず・・・と、
新八は扇風機の風に前髪を揺らしながら呟いた。

「おぉ!マジでか!?
快適に過ごす為なら私、銀ちゃんの糖分減らしてもいいネ」

「いや、そこは自分の酢昆布を減らせよ。
っつうかエアコン・・・ね~」

確かに、ここの所の暑さで外での作業と言う仕事が幾つかあったから、
一っっっっっ番安いのならなんとかなるかもしれねぇ。

・・・でも・・・

「・・・やっぱ駄目だな。
電気代も掛かるし」

「あ~・・・ですよね~」

きっぱり言えば、新八もある程度予測していたのか
苦笑を浮かべて答えを返してきた。

「んだよぉ、糠喜びさせてんじゃねぇぞ、コラ」

神楽も口ではそう言うものの、然程期待はしていなかったようだ。
今は扇風機に向かって声を出し、一人で遊んでいる。

 


と言う事で、我が家のエアコン導入はまた遠のいた。

・・・っつうか元々入れる気はねぇけどな。

金がないってのも理由の一つだが・・・

 


俺はちらりと視線を巡らせる。

 


少し手を伸ばせば届く距離。

そこに神楽が居て、新八が居て。

こんな状況を作り出してくれる扇風機を
手放せる訳がねぇ。


じんわり滲んでくる汗を感じながら、
俺は今年も扇風機に深く感謝した。


*******
どんな些細な理由も逃しません。


拍手[12回]



 

ポカポカと暖かい日差しの中、神楽は何時ものように
傘を差し、跳ねるように道を歩いていた。

ただ、少しだけ違うのがその格好。
神楽の後を追うように、ヒラヒラと薄紅色のスカートが舞う。
それがまた嬉しくて、神楽は頬を緩めてぴょんと跳ねた。

 





その日、神楽はお妙に呼ばれて新八の家に行っていた。

なんでも部屋の掃除をしていたら、昔着ていた物が
出てきたらしく、数枚ではあったが洋服も出てきた為、
神楽にどうか・・・と呼ばれたのだ。

昔から着物派だったお妙なので、洋服は殆ど着ておらず、
それは新品同様だった。

「良かったわ、丁度良くて。」

ニコニコと笑うお妙を前に、神楽は嬉しそうに
薄紅色のワンピースの裾を翻した。

「本当にいいアルカ?私が貰っても」

「勿論よ。私はもう着れないし、神楽ちゃんが
着てくれれば嬉しいわ」

よく似合っているわよ。お妙にそう言われ、神楽は照れ臭そうに
頬を緩ませた。

「でも私、こう言う服初めてヨ」

「大丈夫。十分可愛いわよ。あ、そうだ。それ、着て帰る?
きっと新ちゃん達、びっくりするわよ」

一応洗ってあるし・・・

まるでちょっとした悪戯を思いついたかのように告げてくるお妙に、
神楽は暫し悩む。

普段の神楽の格好は、大抵がチャイナだ。
その中にはドレスっぽいものも含まれているが、よく動く為
中にスパッツ等を穿いている。

それが、今着ている物は今まで縁のなかった、
フワフワとした裾の広がるワンピース。
それが何処か気恥ずかしくて、神楽は少し迷ってしまった。

まぁ貰った以上何時かは着るのだろうけど、でも・・・

 

びっくりはびっくりでも、自分の体調の方に対してだったら
どうしてやろう。

 


可愛くて驚くのならまだいい。
照れ臭いけど、拳一つで許せる範囲だ。

でももしこの格好を見て、熱でもあるのか!?と驚かれたら・・・

 


折角の綺麗な薄紅色が、真紅に染まる事になってしまう。

それはちょっとイヤだ。
折角綺麗な色なのに。

 


「ね、神楽ちゃん」

少しだけ顔を伏せて黙り込む神楽の髪飾りをそっと取りながら、
お妙は優しく声を掛けた。

「こうすればもっと似合ってるわ。
だから新ちゃん達にも見せてやって?」

そう言ってお妙に下ろした髪をそっと撫でられ、神楽の胸が
ほこりと暖かくなる。

・・・うん、今なら少し染みがつくくらいで許せる気がするアルヨ。

お妙の言葉に、神楽はニコリと笑うと控えめに頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

その後、ワンピースのまま家路についたのだが、神楽の考えは
杞憂に終わっていた。

顔見知りに会うとまず驚かれたが、それでも皆直ぐに笑い、
よく似合ってると言ってくれたのだ。

その度に神楽の胸はほっこりと暖かくなる。

・・・まぁ一部例外はあったが。

 


「なんでィその格好。
精神攻撃かますなんて、少しは知恵がついたじゃねぇか

お陰で今夜魘されそうだぜ。会うなりそう言って嫌な顔をしたのは
言うまでもなく沖田だ。

とりあえず何時もなら拳の一発乱発ぐらいするのだが、
今の神楽はそれ所ではない。

・・・やっぱりこう言う反応ネ。

沖田でさえそうなのだから、銀時達も似たような事を言う可能性が
高まった。

・・・まぁ手放しで褒められたら褒められたで気色悪いのだが。

思わずげんなりとした顔をしていると、隣に居た近藤が
軽く沖田の頭を叩いて諌めた。

「こら、総悟。そんな事言うもんじゃねぇぞ?
意外と似合ってて可愛いじゃないか」

やっぱり女の子なんだなぁ。なんて笑う近藤に、少しだけ神楽の
心にほっこりが舞い戻ってくる。

「ってか意外ってどう言う意味ネ。
私は何着ても似合って当然ヨ」

「あはは、そうだったな。すまんすまん」

だが素直にそれを受け取るのは恥ずかしいので、何時ものように
口答えしてみれば、近藤は気を悪くする事もなく、豪快に笑って
謝罪してきた。

・・・案外いいヤツネ、ゴリの癖に。

「でも本当よく似合ってるよ。
なんて言うのかな・・・うん、服がいいな、服が
こう可愛らしくて楚々としていて・・・
あぁ、まるでお妙さんのようだ」

 

 

 

 

・・・やっぱりゴリラはゴリラネ。

 

 

 

 

野生の勘か、それともストーカーとしての本能か・・・

まぁどちらもだろう。

何処かうっとりとした表情でこちらを見てくる近藤から
逃げるように、神楽はさっと身を翻してその場を後にしたのだった。

 

 

 

 



 


さぁ、本番はここからだ。

漸くついた万事屋の前で、神楽は一つ大きく深呼吸をした。

とりあえず、沖田のような事を言ったら大輪の花を咲かせよう。

目にも鮮やかな真っ赤な花を。

けれど褒められたら・・・それはそれで恥ずかしいので
やっぱり花を。

・・・まぁその時は気持ち、量は少なめに。

・・・まぁその時は軽く蕾程度に。

 

 


・・・出来るかな?

 


「ま、いいネ。
女は度胸、男は大凶ヨ!」

神楽は固く拳を握り締めると、勢い良く玄関の扉を開けたのだった。

 

 

 

 

 

その日、万事屋にどんな花が咲いたのかは判らないが、
お妙に貰ったワンピースは今も綺麗なまま、時折万事屋周辺で
ヒラヒラ舞っていると言う。
 

**********
多分坂田あたりに大輪の花が(笑)

拍手[13回]




朝、起きると何故か枕元にカーネーションの花束がありました。

 

・・・・・・・なんで?

 

 

 


 

「あら~、綺麗なカーネーション。」

とりあえずそれを持って部屋を出て行くと、珍しく姉上が
居間でお茶を呑んでいて、そう笑顔で告げてきた。

いや、確かに綺麗ですけど、用途が不明です。
おまけに経路も不明です。
怖いです、これ。

だが姉上はそんな僕の心境に気付かず、

「きっと新ちゃんがいい子だから、サンタさんがくれたのね」

今日、母の日だし。なんてまた笑っていた。

とりあえず色々突っ込みたい。
突っ込みたいけど、何かこれの贈り主が判ってきたので、
嬉しさの方が勝ってしまった。

「えへへ、有難うございます、姉上」

「いやだわ、新ちゃん。お礼なら私じゃなくて
サンタさんでしょ?」

「あはは、そうでしたね。
あ、そう言えばこれ」

僕は姉上の言葉に小さく頷きながらも、花束と一緒に持っていた
小さな包みを姉上へと差し出した。

「やっぱり『有難う』ですね。
何時も有難うございます」

小さな包みだが、ちゃんとカーネーションのシールが貼られている
それを見て、一瞬姉上は驚いた表情になったが、
また直ぐに笑ってくれた。

「有難う、新ちゃん。
あら、綺麗なハンカチ。大切に、尚且つ絶対盗られないように
気合入れて死守するわね」

嬉しそうに僕が選んだハンカチを見て力強く宣言する姉上に、
これを選んで良かったと思いつつ、今度近藤さんに会ったら
アレだけは盗らない様にと注意しておこうと誓った。

・・・だってアレ、笑ってても本気の目だったもの。

 

 

 



 


その後、カーネーションは花瓶に入れて僕の部屋に飾った。

やっぱり何か微妙だけど、嬉しいのは確かなので
いい事にする。

で、そろそろ行くかと万事屋へと向かったんだけど・・・

「おぅ、新八じゃねぇかィ。
なんでィ、とうとうジョブチェンジかィ?」

「沖田さん・・・いえ、そんなのしてない筈なんですけどね・・・」

なんでだろう。何故だが僕の腕には大量のカーネーションが
抱えられていたりする。

いや、何故も何も、贈り主は判ってんだけどね、コレ。

「・・・また何か新しい局中法度でも出たんですか?」

ジト目で見てしまう僕に、罪はないと思う。

だって真選組の人達だもん、この贈り主っ!!

何コレ。どんな嫌がらせ!?
会う人会う人、それぞれ量は違うものの決まってカーネーション
渡してきやがってよぉぉぉ!!!
今日が何の日が判っててやってんのか、コノヤロー!!
人の目が痛すぎるわぁぁぁ!!!

「そりゃ判っててやってんだろ」

ホイ、俺からも追加でィ。そう言って沖田さんまでもが
カーネーションを一本、抱えていた花束の中にぶっ刺してきた。

「あんたにゃ朝飯とかご馳走になってるからねィ。
そのお礼でしょうぜ」

そう言われ、あぁそう言えばこれをくれた人は
近藤さん回収に来た人達ばかりだったな・・・と思い出す。

幾らストーカーの被害者であるとは言え、過剰防衛と言う
言葉も世間にはある訳で・・・

しかもそれを回収に来る人達には何の非もない訳で。

・・・まぁアレを野放しにしている・・・と言う非は
あるかもしれないが。

でも、やっぱり朝からこんな仕事は切な過ぎるだろう・・・と、
時折朝食を出していたのだけれど・・・


ま さ か こんな形で返ってくるなんてっ!!!


もう嬉しいやら恥ずかしいやら照れくさいやら切ないやら。

まぁ好意には違いないんだから・・・と、有難く
貰っておくことにした。

チキショー、見たいならどんどん見やがれってんだっ!!

「流石オカン、開き直りっぷりが半端ねぇや」

おぉ。と感情が全く篭っていない声と顔で拍手してくる
沖田さんに、そりゃどうもっ!と言い放って、僕は足取り荒く
その場を後にした。

・・・うん、でも今度から一品、おかず減らして出そう。

 

 

 

 

 


 

 

そしてやってきた万事屋。

とりあえず上に上がる前に、お登勢さんの所に寄り、
最早塊となったカーネーションの花束のおすそ分けをし、
元から買っておいたハンカチを渡してきた。

流石にカーネーションの塊には半分呆れ、半分笑っていたけど、
ハンカチの時は本当に嬉しそうに笑ってくれた。

ちなみにハンカチは三種類。
全く、二人とも恥ずかしがりやなんだから・・・と、
僕に序に一緒に渡しとけ。と言った上の二人を思い出した。

で、そのお登勢さんの嬉しそうな様子を早速伝えようと
階段を登って行ったんだけど・・・

 

 


・・・なんで玄関に僕の割烹着が
貼り付けられてるんだろう。

 

 

 

え、何コレ。
今度こそ本当の嫌がらせ!!?


なんて思ったが、ふと割烹着のポケットが異様に膨らんでいるのが
目に入った。

・・・僕、何か入れてたっけ?

不思議に思って取り出してみると、そこには押し潰されて
形の変わってしまった、ティッシュで作られた花達と、
見慣れた二つの文字で書かれたお手伝い券の束。

全く・・・どんだけ恥ずかしがり屋なんだよ。とか
なんで割烹着貼り付けてんだよ。とか
ってかこれ、穴開いちゃってんじゃない?とか

僕、一体何人の母になってんの!?とか


本当、色々と突っ込みたい事がいっぱいだったけど、
ま、いっか。なんて流す気になった僕は、
やっぱりオカン並みの開き直りを持ちはじめてるんだと思う。



 

・・・まぁそれがいいのか悪いのかは判らないんだけれど。

************
みんなの母です。

 

拍手[15回]



折角教えて貰ったので・・・

 

 


「って事で銀さん。
ちょっと目を抉り出して下さい」

「・・・・いやいや。
いやいやいやいや・・・ちょ、まっ・・・えぇぇぇ!?
何それ。何で行き成りスプラッタァァ!?
無理、無理だから。銀さんの目はあくまで死んだようなであって、
まだ死んでないからね?まだここに必要だからぁぁ!!」

「あ、間違えました。すみません」

懸命に首を振り、新八から距離を取って拒絶を示せば、
それまで真剣な目をしていた新八が、少し照れくさそうに笑った。

あ、やべ。なんかキュンときた、今。

「って事で銀さん。
ちょっとツラァ貸せや」

「こわっ!!何かさっきよりは微妙な差で良くなった
気がしないでもないけど、こわっ!!
笑顔な分ものっそくこわっ!!」

キュンって感じより、キュッてなった、何か。

「何言ってんですか。銀さん、今ものもらいでしょ?
治し方聞いてきたんですよ」

「・・・へ?」

きょとんとする俺の前で、苦笑を浮かべる新八と、
何処か呆れたような顔をしている神楽。

それにホッと胸を撫で下ろし、距離を取っていた体を
元座っていた場所へと戻す。

「んだよ、なら最初っからそう言えってんだよ」

「煩いアルよ、銀ちゃん。いいから早く顔貸すヨロシ。」

神楽の言葉に、はいはい。と返事をしながら
隣に座った新八へと顔を向ける。
すると、新八は顔をぐっと掴むと、そのまま力強く固定させた。

そしてそのまま、後ろに居る神楽へと言葉を告げる。

「よしっと・・・じゃあ神楽ちゃん、準備よろしく」

「アイアイサー」

新八の言葉に元気良く返事をすると、神楽はそのまま
和室へと向かっていった。

・・・なんだ?目薬とかじゃねぇのか?

固定されたまま、視線だけを神楽へと向けていると、
畳の上に座り込んだ神楽が、ポケットから何かを取り出し、
凄い勢いで畳へと擦りつけ始めた

「・・・え?」

「ちょっと銀さん、準備が出来るまで動かないで下さいよ」

「いや、動かないでってオマ・・・え?何アレ
何やってんの、あいつ」

「何って・・・ものもらいを治す準備ですけど?」

キョトンとした顔でこちらを見てくる新八に、俺の方こそ
キョトンとしたい。

だって準備って・・・え?何か畳から煙が
立ち始めてんですけど?

おまけになんか焦げ臭くなってきたんですけど!?

嫌な予感しかしないが、とりあえず聞いてみよう・・・と、
俺は覚悟を決めて新八へと問い掛けると、直ぐに答えが返ってきた。

なるほど、つげの櫛ね。
確かに畳みに擦りつけて熱を帯びたものをものもらいにつけると・・・
とは言うわ。

・・・でもよ?
なんかあれ、帯びる所じゃなくね?

「よしっ!こっちは完璧ネ、新八」

「って待てや、コラ」

いい汗掻いたとでも言うように、いい笑顔つきで額の汗を
拭きながらこちらへと向かってくる神楽に、ストップを掛ける。

だってよ、オマエよ、それ・・・

「つげでも櫛でもねぇじゃねぇかぁぁぁ!!」

寧ろ鉄の串だ。
しかも真っ赤に成るほど熱せられてる、
死の串だ。

「男が細かい事にこだわるんじゃねぇヨ、銀ちゃん。
櫛も串も一緒ネ」

「いや違うからね?
全く別物だからね、その二つは!!
良く考えて見て、神楽ちゃんんん!!!」

「仕方ないでしょ。つげの櫛なんてモノ、ここにはないんですから」

「鉄の串だってここにはねぇよっ!ちょ、離せって!!」

「新八~、これって当てるだけアルカ?
折角尖ってんだから、このまま突き刺せばもっと早く治るんじゃ
ないアルカ?」

「突き刺すって何に!?
ものもらいだよね、勿論ものもらいにだよねぇ!?」

「ちょ、暴れないで下さいよ、銀さん。
間違ってものもらいに刺しちゃうでしょ?」

「間違ってるぅぅぅ!!!!
絶対間違っちゃいけない部分が間違ってるよ、新ちゃんんん!!」

 

 

 

 

 

 

 


その後、暫くの間銀時の顔から眼帯が消える事はなかったと言う。

**********
折角教えて頂いてのに、ネタにしてしまってすみません(土下座)
以前持っていたつげの櫛(土産物)が何処かにお隠れになってしまい、
試せなかった切なさを、坂田にぶつけて見ました。

拍手[10回]


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