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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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銀さんがいそいそと家を出て行ってから早数時間。
既に日付も変わり、神楽ちゃんも夢の中だ。

「僕もそろそろ寝ようかな・・・」

ボソリと呟き、繕い終えた着物を置いて出ていた針を仕舞う。

銀さんが呑みに行く時、大抵僕は万事屋に泊まる。
幾ら神楽ちゃんが強くても、まだまだ子供だし、その上女の子だ。
定春が居ると言っても、一人になんかしておけない。

だけど銀さんは、

『オマエだってまだお子様でしょうが』・・・だの。

『ってかなんで銀さんが居ない時にお泊り!?』・・・だの。

『寧ろ神楽を泊まりに出して、二人で・・・』・・・なんて

頭の腐った発言しかしてきやがらない。

なので僕は銀さんが呑みに行った時だけ泊まろうと、
固く決心していたりする。



まぁそんな訳で、本日僕はお泊りだ。
電気を消し、一応銀さんの布団も敷いてある和室へと
引っ込もうとしたが突然力強く玄関が叩かれ、その足を止めた。

「え?まさか銀さん?」

咄嗟に時計を見れば、まだ帰ってくるには早い時間だ。
だって確か今日は、誰かの奢りだと言っていた。
ならばここぞとばかりに呑みまくって来るはず・・・

そう思っていると、またドンドンと玄関を叩かれた。
このままだと下からも押入れからも苦情が来てしまう。

でもこんな時間に来るお客なんて、碌な用件じゃないよなぁ。
なんて思いつつ、僕は早足で玄関へと向かった。

・・・ら、玄関で待っていたのは、碌な用件なんかじゃなく、
禄でもない輩だったりした訳で。

だってアレだモノ。
なんかユラユラ揺れてるもの。
二つのモジャモジャな影
ユラユラユラユラとっ!!

・・・うん違うな。
きっと来る所間違えたんだよ。
だってこんな季節外れのナマハゲ、知らないもの。
それに悪い子なんか居ないしね、ここには。
悪い大人は居るけど、今は呑みに行ってていないから。

それに良い子は寝てる時間だしね。
僕、良い子だし。きっと寝てるし。

なのでここに居る僕は幻だし、

玄関の影はもっと幻だ。

そう自分に言い聞かせつつ、その場を後にしようと
体を反転させた所で、幻から声が掛けられた。

「お~い、新ちゃ~ん。ちょ、開けて~。
愛しの銀さんのお帰りだよ~。
何時もみたいに可愛い顔で、
『ご飯にする?それともお風呂?それか・・・僕?』
なんてほっぺ真っ赤にして出迎えて~」

「おぉ!何時もそんな事しちょるのか、金時ぃ。
羨ましいのぉ~、一遍死んで来い」

「あれ?坂本、なんか間違ってない?」

「あははは、すまんの、また名前間違えたかの」

「ん?他にもあった気がすっけど・・・ま、いっか。
それより新ちゃんのチューだよ、チュー。
お帰りのチュ~」

「そんな事までしちょるんか。
本当羨ましいぜよ、金時ぃ。とりあえず死ね」

「って誰がしとるか、そんな事ぉぉぉ!!!」

幻+幻聴だと言う事にしておこうと思ったけど、
あまりの妄想具合に我慢出来なくなった僕は、
つい勢い良く玄関を開けてしまった。

だが僕の怒りなんてなんのその。
玄関先に立っていたモジャモジャ達は、開いた玄関に
機嫌よく中へと入ってきた。

どうやら相当呑んできたらしい。
ゴツンゴツンと色んな所に体をぶつけながら、
居間へと向かっていく。


・・・どうせなら頭ぶつけちまえ、頭。





とりあえず入れてしまったものは仕方が無い。
僕は大きく息を吐いて玄関を閉めると、酔っ払いがいるであろう
居間へと足を向けた。

・・・ら、なんでだろう。

「おぉ、新八君。お邪魔しているぞ」

「っつうか酒ねぇのかよ、酒」

そう言って我が物顔でソファに座っている、
手配書で見慣れている顔の方々が。

あれ?僕、さっき玄関閉めたよね?
しかも仕方なしに入れたの、モジャ達だけだったよね?

なのになんで居るの、この人達ぃぃ!!!

ってかどっから入った!と視線を巡らせば、
何故か開いている和室の窓を発見し・・・

「・・・まともに入って来れないんですか」

と言うか一緒に呑んでたんですか、あんた等。
カクリと肩を落として力なく問えば、何故か呆れたように
高杉さんに鼻で笑われた。

「まともに入ってきてどうすんだよ。
一応手配書に載ってる身だぜ?」

「うむ。何処で誰に見られてるか判らないからな。」

どうやらそれなりに気を使ってくれてるらしい。

使う所、完全に間違えてると思うんだけどね!?

大体自覚あるなら、まず呑みに行くな。

「ごめんなぁ、新ちゃ~ん。
もうさ、こいつらがど~しても、俺と新ちゃんの
新婚生活具合を見て見たいって言いやがってよぉ」

思わず半目で残念な大人達を見ていると、
更に残念な大人が擦り寄ってきた。

「何を言っておる、銀時。
お前がくだらん妄想をグダグダと言い募るから、
店から追い出されただけだろうっ!」

そう言って桂さんが銀さんの頭をパカリと叩く。

・・・どうせならカチ割る勢いでやって下さい。
と言うか・・・

「追い出された?」

耳に入った言葉に、コトリと首を傾げる。

だって妄想・・・ってのはキツイけど、ただ話してただけでしょ?
なのに追い出されるってどんな状況?

「妄想っつうか・・・
普通に通報されるレベルだな、ありゃ」

そんな僕の心境を察したのか、高杉さんがフッと渋く
笑いながら答えをくれた。

いや、そんなカッコ良く言われても、なんか傍に変なモノ
抱えてますからね、高杉さん。
なんですか、それ。
なんか角の薬局の前で見た事ある
ゾウさんなんですけどぉぉ!?
ってかさっきからちゃんと答えてくれて
普通にいい人ですね、高杉さんんん!!

・・・って、それよりもっ!

僕は古き良き伝統のお呪いをする為に持ってきていた
箒を勢い良く、足元に居る白モジャに振り下ろした。

「おいこら、天パ。」

「あ、ヤバイ新ちゃん。その目、ヤバイ。
なんか銀さんゾクゾクしてきたから。
箒が鞭に見えてきたから。
え、何コレ。
新しい世界への第一歩!?」

「あははは。キモイぜよ、金時~」

何故かウニョウニョと体をくねらせる銀さんに、
楽しげに笑いながらもそっと銀さんから離れていく坂本さん。

ちょ、モジャ仲間なんだからどうにかして下さいよ、コレっ!
僕も本気でキモイんですけどぉぉ!!

一先ず綿埃を払うように箒を動かし、
銀さんを足元から離れさせる。

そんな僕等に、桂さんが深々と息を吐いた。

「銀時・・・いい加減にしないか。
俺達は新婚生活具合を見に来ただけで、
夜の生活まで見るつもりは・・・」

「おおおぉいっ!!
結局見に来てんじゃないですかっ!
違いますからね!そんなんじゃないですからっ!!」

「恥ずかしがらなくてもいいぞ、新八君。
人にはそれぞれ趣味嗜好というものがあって、
それを否定する程俺達も野暮じゃない」

「そこじゃねぇよ、違うのはっ!
そんな事考える自分の頭を否定しろよ、コンチキショー」

「あ、忘れてたがこれ、土産だ」

「じゃないですよね、高杉さん。
それ明らかに途中でなんとなく持ってきた
角の薬局の前にあるゾウさんですよね

なんですか、邪魔になったんですか!?」

「んな事ある訳あるめぇよ。
なんだ?カエルの方が良かったのか?
でも新婚家庭にはこっちの方がいいだろうよ。

いいから遠慮なく受け取れ。
コイツがあると足の置き場がねぇんだよ」

「違いが全く判らないんですけど。
ってか結局邪魔なんじゃねぇかぁぁ!!」

「そうじゃ、チ○ポチ君。
ちょっとトイレ貸してくれんかの~」

「アンタはまず人の名前覚えやがれ。
何爽やかに人の名前を伏字部位にしてんだ、コノヤロー」

なんかもうやだ・・・僕は持っていた箒の柄を床に着き、
カクリと肩を落とした。

そこには、ニヨニヨと僕の足に縋り寄ってくる
白いモジャモジャ
が居て・・・

僕は箒を持ち上げると、そのモジャ目掛けて再度柄を
突き下ろした。

・・・うん、なんかカエルが潰れたような音がしたけど、
きっと幻聴だ。
だってもう真夜中だもん。
いい子は寝てる時間だもん。
僕だってもう寝ようとしてた所だもん。
だから幻聴ぐらい聞こえたって仕方ないよ、うん。

あぁ、でも目の前の煩い幻覚共は
消えないんだろうな~。

なら・・・と、突いてた柄をグリグリと力強く押して止めをさし、
僕はすっと押入れの前まで移動した。

そして残念な大人達の方を向き、にこりと笑う。

「皆さん、お休みなさい」

そう言って不思議そうにこちらを見ている銀さん達を余所に、
僕は勢い良く押し入れを開け放った。

そこには勿論、きちんと寝ていた良い子の見本である筈
神楽ちゃんが、物凄い形相で起きていたりした訳で。

・・・ま、アレだけ騒いでれば起きるよね、普通。

瞬間、色を失くした大人達に向かって、小さな影が
物凄い勢いで飛び掛っていきました。

うん、自主的に消えないなら、
消せばいいだけの話だしね。

 







その後、少しだけ風通しは良くなったものの、
とても静かに眠ることが出来たのは言うまでもない。


**********
何時も色々とお世話になってる蒼さんへv
こんな感じになりましたが捧げさせて下さいぃぃ!!
 

拍手[17回]

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そう言えば・・・と、カウンターの向こうに居たババァが
マジマジとこちらを見詰めてきた。

あんだよ、ババァ。
言っとくが金ならねぇぞ。
あったらこんな所で呑んでねぇ

そんな思いを込めて見返せば、とんでもない台詞が
飛び出してきやがった。

 

・・・あれ?俺、飲みすぎ?
なんか変な言葉が聞こえてきたんですけど!?

 







 


「おい、聞いてんのかい?
アンタ、いつ新八に掘らせてやるつもり・・・」

「ぅぉぉおおおおいぃっ!!
ちょ、何とんでもない事口走ってんだ、このババァ!!」

とりあえず聞かなかった事にしようと流せば、
再度ババァの口からとんでもない台詞が飛び出してきやがった。

慌てて言葉を被せれば、むっと顔を顰められる。

いや、そんな顔したいのは俺の方だから。

っつうか何っちゅう事言いやがんだ、このババァ!
恐ろしいにも程があるっつうか
俺の新八を汚すな。

そう訴えれば、何を今更・・・と呆れた顔を返された。

「アンタに食われちまったって時点で
既に可哀想な事になってんだよ、新八は」

「だから汚すんじゃねぇよっ!
ってかさっきから人聞きの悪ぃ事ばっか言いやがって。」

「人聞き悪いってテメーがやってる事だろうがぁ!
事実なんだから潔く認めなっ!
で、偶には変わってやんな」

「事実も何も夢みたいな事抜かしてんじゃねぇぇ!!
ってか変わるって何をぉぉ!!?」

偶にも何も
全然ないんですけどぉぉ!!

・・・とまで口走りそうになって、慌てて口を閉じ、
そっと視線を逸らせた。

だが、流石はババァ、伊達に年を食っちゃいねぇ。
なんとなく察しがついたようで、アンタ・・・と言ったきり、
酷く生暖かい視線が向けられてきた。

「あそこまで熟年夫婦な気配を出しておいて、
まさか・・・ねぇ」

まぁアンタも一応良心ってもんがあったんだね。なんて
妙に優しい声で言いながら、ババァは少なくなった俺の
コップに酒を注いでくれた。

・・・同情か?同情なのか、コレは。

そんなもんいらねぇから幸せをくれよ。

っつうか良心なんてもんのせいでこの現状なら、
即効で投げ捨ててるね、俺は。
いらねぇよ、そんなもん。
邪魔なだけじゃねぇか。

あんのはヘタレな男心だけなんだよ、
コンチキショー。

あ、でも流石にこれは隠しておこう。
うん、良心からって事にしておこう。
そうだよ、俺、良心的な男だから?
新八がちゃんと成人するまで待ってるっつうか?
や、向こうから誘ってきたら、また話は別だけどね?
なんつぅの?やっぱ新八の気持ちを優先したいって言うか?
杓子定規にはまってるだけの男じゃないからね、俺は。
絶対成人するまではっ!・・・とかじゃ全然ないから。
そう言う空気にはマジ敏感だから。
僅かでも感じ取ったら、
絶対逃さないからぁぁ!!




・・・って事で新八から誘ってくんねぇかな~。




「ならその良心でもって、ちょっと新八に
掘らせてやんなよ」

ぼんやりと桃色未来を想像していると、再びババァから
爆弾が投下されてきた。

思わず呑んでいた酒が変な所に入り、むせてしまう。
すると 落ち着き無いねぇ。なんて嫌そうなババァの声が
聞こえてきた。

うっせぇよ!落ち着きなくなるような事言ったのは誰だよっ!

「っつうかそんな良心は本気でいらねぇ」

大体なんでそんな話になるんだ。と問い質せば、ババァは
それがねぇ・・・と言って、タバコに手を伸ばした。

「新八に『人類股間計画』の話したら、
せめて一度使うまで待っててくださいって言われてねぇ」

「・・・おい、待てババァ。
何なんだよ、その空恐ろしい計画はっ!
ってかなんちゅう会話してんだよ、新八とっ!!!」

なんでも以前俺が猫になっていた時に、そんな会話を
していたらしい。

本当、俺の新八を汚すな。
ってか俺の為にもその計画は是非無かった事にして下さい。
まだ使っていたいです

・・・や、使ってないけどね、最近。


でも、希望は持っていたい・・・と
思いっきり睨み付けるが、ババァは何処吹く風。
深々と溜息を吐いた。

「でもアンタがそんなんだから、新八が使う機会なんて
ないだろう?」

「ったりめぇだ。
使うも何も、アレは俺のもんだ」

「まだ手も出してないヘタレが威張るんじゃないよ。
ったく、だからいっその事アンタに相手させようと
思ったんだけどねぇ・・・」

まさかまだとは・・・と、ババァはもう一度、呆れたように
深々と溜息を吐いた。

「あたしの計画は、何時になったら遂行出来るのかねぇ」

・・・いや、実際問題遂行されない方がいいだろ。
そんな人類絶望計画。

でも、まぁ・・・と、俺はコップに残っている酒を
グイッと口にした。

新八が一度使ったら、計画が遂行されると言うなら
ある意味好都合だ。

それを理由に絶対ぇ使わせねぇ。

ババァ、ナイスアシスト。

後はアレだよなぁ・・・と、空になったコップを
ババァへと差し出した。

 

 

 

 

 

 

・・・とりあえず新八の良心に訴えてみっか?

***********
実はまだ未遂だった二人(笑)

拍手[13回]



「僕、銀さんの手って好きなんですよね~」

オヤツはないけどオヤツな時間。
新八と二人でお茶を啜っていると、突然新八がそんな事を言い出した。

・・・あれ?なんでそんな話題?
確か今日の夕飯、何にするか話してなかった?
え、何?好きってそう言う意味で好きって事?
おかず的な意味で好きって事!!?
最近肉食ってないから、銀さんの手を差し出せって事!?
無理。無理だからね。食べられないから、銀さんの手ぇぇ!
筋張ってて全然美味しくないから、本当。
あ、でも新八の手なら銀さんいけるかも。
だって好きだからね、新八の手。
おかずでも、おかず的な意味でも大好物だから。
寧ろお世話になってます的な感じだからね、うん。
あ、ちょっと待て。ならもしかして新八も?

「・・・銀さん、ちょっと脳みそ
握り潰していいですか?」

思わず脳内桃色劇場が開演した所で、
新八の冷たい声が耳に乱入してきた。

「ちょ、なんで突然猟奇殺人予告ぅぅ!?」

「や、なんとなく不穏な感じがしたんで」

慌てて開演を中止するが、新八からの視線の温度は低いままだ。

全く、妄想ぐらい自由にさせてくれってぇの。
以心伝心も考えもんだなぁ、おい。

よし、考えるのは新八が帰ってからにしよう。

なのでその目は止めてください。
銀さん、知らない世界の扉開けちゃいそうだから。
なんかゾクゾクしてきたからね、コレ。

「・・・で?俺の手がなんだって?」

とりあえずまだ扉は開けたくないので、先程の会話を
引き戻してみる。
すると蔑んだ目をしていた新八がパチリと手を叩き、
次にヘラリと頬を緩ませた。

「あぁ、ただ好きだなぁって思って」

・・・ね、これで妄想すんなって
どんな拷問!?

思わずまた脳内桃色劇場が開演しそうになったので、
俺は慌てて新八から自分の手へと視線を移した。

よし、よくやった。流石俺
学習能力半端ねぇよ、オイ。

だけど・・・と見詰めたまま俺は手を自分の目の高さまで
上げた。

これの何処がいいんだ?

まじまじと見るが、何の変哲も無い、至って普通の手のひらだ。
寧ろ所々細かい傷があって、あまり見ていて気持ちの良い
もんでもない。
と言うか結構嫌いだったりする。

だってこれは、守る為と言っては血に塗れ、
守ろうとして取りこぼして来た惨めな手だ。

こんな手の何がいいんだか・・・

そう思い、自然と眉間に皺が寄る。
と、その時、不意に横から自分のよりも小さな手が
伸びてきた。
そしてその手はそのままキュッと俺の手を両手で
包み込んでしまった。

「わ、思ったより指、長いですね」

見れば新八が顔まで寄せてきて俺の手を観察していて。
何が楽しいのか、くすくすと笑いながらやんわりと俺の手を
擦っていく。

「銀さんのね、この大きな手が好きなんですよ、僕。
ってか羨ましいのかな?
無駄に器用な手先も、意外と暖かい所も、
あんまり褒めたくないけど、美味しい甘味を作る所も」

そう言いながら、俺の指を一つ一つ折っていく新八。

なんかアレ?て思う言葉もあったが、それでも
新八が一つ俺の指を折り曲げていく度に、なんだかホコホコ
胸が暖かくなってきて。

俺はそんな新八の手の方が愛しくて、大好きで。

・・・まぁさっきまで脳みそ握りつぶそうとしてた手だけどね。

でも、例え本当にそんな事になったとしても、
なんの問題もねぇけどな。

新八に握られるなら、手だろうが脳みそだろうが
何処でも幸せだ。

・・・あ、でもやっぱ脳みそはなしの方向で。
まだまだ銀さんは新八と幸せ時間を過ごしたいです。

でもまぁそんな事素直に言える俺だったら、
妄想なんてものを四六時中してない訳で。

でもせめて少しでも気持ちが伝わるように・・・と、
空いている方の手で新八の頭を撫でてみる。
するとキョトンとした新八が顔を挙げ、次にとても嬉しそうに
口元を緩めた。

「後、そうやって頭を撫でてくれるトコとかも」

 


新八のその笑顔に、俺の手もまんざら悪くねぇんじゃね?

とか思ったのは言うまでもねぇ。

 

 

新八が笑ってくれるなら、
俺はきっと何だって好きになるさ。

 

 


「あ、でも一番好きなのは、仕事している時の手かな?」

「マジでか!?
じゃあちょっくらパチンコ打ってくらぁ!!」

「仕事じゃねぇぇぇぇぇ!!」

********
私は拍手してくれる皆さんの手が好きです(コラ)
何時もパチパチ、有難うございますvv

拍手[26回]




「たでぇまぁ~」

銀玉に見放された午後、銀時はカクリと肩を落とし家へと
帰ってきたが、中からは誰の声も返ってこなかった。

「あんだよ、銀さんが帰ってきたって言うのに
誰もいねぇのかよ。」

なんて言いながらも、お説教が待ってなくて良かったと
少し安心する。

・・・あ、でもやっぱ出迎えがないとちょっとアレだ。
や、別に寂しいとかじゃ全然ないんだけどね。
お説教が待ってなくて良かったんだけど。
あ~でもなぁ・・・や、だけどなぁ・・・
・・・うん、やっぱお説教なくて良かった事にしとこう。
だって新八、怒るとマジ怖ぇじゃん。
流石あのお妙と血が繋がってるだけはあるってもんよ?本当。

銀時はお説教時の新八を思い浮かべて、
ブルリと体を震わせた。

・・・が、同時に少しだけ口元が緩むのも感じて。

だってなぁ、怒られるって事自体は構われてるって
感じがすんだよなぁ。
なんて言うの?なんかこう、俺の事考えてますよ・・・みたいな?
しかもあいつ、怒る時も一生懸命っつうかさ。
それがまた可愛いっつうか、そんな可愛い口から
出てくる言葉
にもゾクゾクしちゃうっつうか。


・・・あれ?
銀さん何かヤバクね?これ。
なんか全然大人な感じがしないんですけど。
寧ろ変な意味で大人な感じがするんですけど。

主に特殊な。

いやいや待て、自分。
Sな自分を取り戻せ。

フルフルと頭を振って湧き出てきた思考を吹き飛ばしながら、
銀時は玄関を上がり、居間へと向かった。

そして昼寝でもしようとソファに向かったのだが・・・

「ありゃ、先客が居やがったか・・・」

何時も銀時が寝転んでいるソファ。
そこには気持ち良さそうに眠っている新八の姿があった。

「お~い、風邪引いちまうぞ~」

銀時は新八の横に腰を下ろすと、小さな声でそう呟く。
今日は比較的暖かな方だが、それでもまだまだ冬真っ盛りだ。
このままでは確実に風邪をひいてしまうだろう。

だが、ここまで気持ち良さそうに眠ってられると、
どうにも起こすのが可哀想になってくる。

「ってかこうしてるとまだまだ子供だね~」

比較的年相応な新八だが、こうしていると
幼さが前面に出ている気がする。

「でっかい目が隠れてるってのになぁ。
ってかメガネ、痛くねぇか?」

横向きで寝ている為、余計にそう思う。
銀時はそっと新八の顔からメガネを外すと、近くのテーブルに置いた。
そして乱れた前髪を優しく撫でる。

すると、新八の口元がやんわりと緩んだ。

「幸せそうにしちゃってまぁ・・・」

そのまま新八の頬へと手を滑らせる銀時。
すると今度はくすぐったかったのか、新八が小さな笑い声と共に
首を竦ませた。

その瞬間、銀時の指が新八の唇へと触れた。

「ぅおっ!!!」

指先に感じた柔らかな感触に、銀時の声が上がる。

「・・・え、何このプニプニ」

思わず指を当てたまま、銀時は新八の唇をじっと見つめた。

・・・こんな小さな口から、凄まじい突っ込みが
出てくるんだよなぁ。

動転してか、つい変な関心をする銀時の視線の先で、
新八の唇は気持ち良さ気に小さな寝息を立てている。

それは小さくて、プニプニしてて、ほんのり赤く色づいていて。

「なんか・・・美味しそう?」

思わずそんな事が口に出た。

・・・や、ちょっと待て、俺。
なんでそんなんが出てくんだ?
美味しそうって何だ?

いや、新八の唇だけどさ。

「ちょ、本気で待てって。
違うから、そう言うんじゃないから。
そんな趣味でもないから、銀さん。
そりゃ新八には時々キュンってくるよ?
でもそれはあくまで小動物的な?
子供って可愛いな~。
みたいな?
そう言う感情からであって、そんな・・・

あれ?、何時からそんなの好きになったっけ、俺。


・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ってそんなトコで正気に戻んじゃねぇよ、
俺ぇぇ!!
違う、本当違うから。
何が違うか判らんねぇけど、
兎に角違うからっ!!」

なんかこのままだととんでもない事に気付いてしまいそうだ。

銀時はそう思い、さっさと新八の唇から手を離そうとするが、

「・・・プニプニ」

思うだけで離れない体はある意味裏切り者だ。

「・・・え?本当何これ。
このプニプニから離れられないんですけどぉぉ!?」

内心焦ってはいるが、その指先は
まるで感触を楽しむかのように新八の唇を辿っていて。
次の瞬間、それが温かくて柔らかいものに包まれた。

「!!!!」

見れば新八の指が、銀時の指にパクリと食いついていて。

同時に心臓まで食らい漬かれたうな気がした。

 

 

 

 

 

 


「・・・お前、それは反則だろ」

一気に熱くなった頬を空いている手で覆いながら、
銀時はぼそりと呟く。



・・・とりあえずこの正直な体がこれ以上暴走する前に
起きてくんねぇかな?

あ、でも折角だからもう少しだけこのままでも・・・

いや、折角だからってなんだよ。

っつうか折角って言ったら折角だよなぁ、おい!





「・・・何やってるネ」



その後、帰ってきた神楽にものっそく冷めた目で
見られました。

や、折角だったんです、本当。


*********
坂田、妙な方向で自覚(笑)

 

拍手[17回]



 

二日酔いに痛む頭を抱え起き上がると、不思議な事に昼を過ぎていた。

あれ?俺放置?




いやいやまさか。違うって、そうじゃないって。
ただ単にあいつ等が優しくなっただけだって。
呑んできた銀さんを慮って、そっとしといてくれたんだよ、うん。
怒ってるとか呆れてるとか、そんなんじゃなくて。
あくまで優しさだから、
優しさ。
あ~、良い子だなぁ本当。出来てるよ、空気読めてるよお前ら。
今までこんな事なかったからね?
二日酔いだろうが何だろうが、
問答無用で叩き起こされてたからね?
これが成長したってやつ?いや~良かった良かった。

でも一応・・・と、俺はそ~っと襖を開けて居間を覗いた。

うん、違うから。
別に怖いとかじゃないから。
ただ行き成り出てったりして新八達驚かしちゃマズイじゃん?
だから・・・・て。

「いねぇじゃん、誰も」

なんだよ、ビビッて損した。小さく舌打ちをして、俺は居間へと
足を進めた。

「買い物でも行ってんのか?」

腹を掻きつつ、水を飲む為にそのまま台所へと向かう。
その途中、テーブルの上に一枚の紙が乗っているのに気付いた。

不思議に思って手に取ってみると、新八らしい生真面目な文字が
綴られていた。

「えっと・・・『お登勢さんに誘われたので、新しく出来た健康ランド
行ってきます。家の近くなので、神楽ちゃんはそのまま僕の家に
泊まるそうです。』・・・おいおい、健康ランドってオマ・・・
ま、いいや。」

なんとなく十代がそんなトコに行くなよ。とか思ったが、
十代は十代でも、職業・主婦に近い十代だったな・・・
と思い直し、
それもアリかと納得した。

しかもババァに誘われてってトコがまたなんとも言えず
しっくり来てて微妙だ。

「っていいやじゃねぇよ。え?なんで俺放置?
放置だよね?紛れも無くぅ!だって普通起こすだろう、コレ。
何でもない日は叩き起こして、こういう時だけそっとしとくって
どんな優しさぁ!?」

全然優しくねぇ!
寧ろババァの財布に対しての優しさだろ、コレ!!

「大体俺の飯どうすんだっ・・・て」

と言い掛けた所で、続きの文字が目に入ってきた。


『ご飯は昨日のカレーが残っているのでそれを食べてください。
夕ご飯は、多分まだカレーが残っているので、それを食べてください。
明日の朝は、きっとカレーが残っている筈なのでそれを食べて・・・』


「って三食カレーかよっ!」

何だ、コレ。
加齢臭じゃなくてカレー臭撒き散らすことになっぞ、おいぃ!
・・・や、別に本当に加齢臭醸し出してる訳じゃないけどね、銀さん。
基本、フローラル(トイレの脱臭剤)系か、バニラ(主に甘味)系だから、
銀さんは。

ってかふざけんなっ!!と、手にしたメモを叩き付け・・・ようとしたが、
折角の新八の直筆メモにそんな事出来ませんっ!!と、
そっと丁寧に畳んで懐に入れる。

・・・いや、別に違うから。
変な蒐集趣味があるとかそんなんじゃないから。
そりゃ今までの『今日はもう帰ります』メモや
お使いメモももれなく取ってあるけど、違うから。

単に新八が大好きなだけだから、銀さん。


・・・あ、嘘。違うわ、コレも。
大好きなのは本当でも、とって置く理由が違ったよ、うん。
本当はエコね、エコ。地球、大切だからねぇ。
ほら、幾らメモに使ったって言っても、まだ再利用出来んじゃん?

まぁどんな風に再利用してるのかは
言えないんだけどね。

ま、そんな地球に優しい俺が新八お手製のカレーを残す事なんて
出来る筈も無く、言われたとおりにカレー三昧な一日を
過ごす事になった。

うん、大丈夫。銀さんカレーも大好きだから。

 

「・・・でもアレだな」

 

なんとなく、何時もより美味しくないような気がした。

 

 

 




 

次の日、元気良く帰ってきた新八達に

「カレー臭っ!!」

と言われたのは言うまでもない。

・・・てかオマエまで行ってたの?定春ぅぅ!!!

 








「ぅわっ!ちょ、なんで抱き付いてきてんですか。
苦しい!本気で苦しいですからぁぁ!!」

「おまけに臭いネ!
もう加齢なのかカレーなのか判らないヨ!!」

「うっせぇよ。テメー等ももれなくカレー臭くなりやがれっ!」


それと昨日出来なかったお前等を補給させやがれ、コノヤロー。

*********
・・・途中、文字が打てなくなりました。
坂田の呪い!!!?

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