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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「・・・何やってんでィ、アンタ」

どうやら今日の回収要請員は、土方さんと沖田さんらしい。
派手な音と共に現れた車から降りた途端、挨拶もなしに不審げな視線と
言葉を贈られた。

それを贈られた僕はと言えば、手には近藤さんから貰った紙袋と
エリザベスのぬいぐるみ。

・・・ここまでは多分普通だ。・・・多分。

けれど首には何故か万国旗が掛けられていて、足元には
未だ倒れたままの真選組局長・オプションで血塗れのハンカチ数枚


・・・本当、何やってんだろう、僕。



ちなみに桂さん達は車の音を聞いて、さっさとこの場から
立ち去っていった。







・・・・・・・・・・・・・・ちっ!

 

「なんだ、近藤さんはまだ起きてないのか」

ってかなんでこんなトコで寝てんだ?と不思議そうにしながらも
土方さんが近寄り、その体を抱き起こそうとしていた。

が、隠した筈の灰皿が目に入ったらしい。
一瞬手が止まるのを僕は見た。

・・・ちなみにそっと視線が逸らされるのもしっかり見た。

うん、正しい判断だと思う。
だって僕のウチ、まだ灰皿ありますもん。

「いつもすまねぇな。・・・で、付き添っててくれたのは
有難ぇんだが・・・本当、何してたんだ?」

近藤さんを車の中に押し込め、タバコを吸いながら土方さんが
怪訝な表情で問い掛けてきた。

・・・聞かないで下さい、泣きたくなるから。

まさかこんな朝っぱらから、危険分子と名高い二人のテロリストに
誕生日を祝ってもらってました~☆
・・・なんて言える訳もなく、
僕は乾いた笑いを零すしかなかった。

「・・・なんか泣きそうなツラですぜィ?まるで押し掛けマジシャン
強制的に微妙にショボイマジックショーを見せられた感じでさァ」

「何、その妙に具体的な状況!!!
どっかに隠しカメラでもあるんですか!?」

思わず周囲を見回す僕に、沖田さんは軽く肩を竦める。

「イヤですねィ。そんなのありませんぜ。
警察の観察眼を舐めちゃぁいけやせん。
舐めるなら他の所にして下せぇ。てか舐めろ

「ドコも舐めねぇよ!
ってか警察のセクハラに今まさに泣きそうだよ!!」

「だってよ。土方さん、いい加減にしなせぇ、その舐めるような視線。
俺が一般市民代表で抉り出してやらァ」

「おいぃぃぃぃ!!なんで俺ぇぇ!?
明らかにお前がしてんじゃねぇか!!!」

「うわっ。聞きやしたかィ?新八。この人、
人に罪を擦り付けやがったぜィ?」

怒鳴る土方さんに、心外そうな表情をして沖田さんが僕の隣へと
やって来てそう告げた。

・・・きりがないよね、本当。

僕は少し大袈裟に溜息を吐くと、首に掛かっていた万国旗を外し、
風呂敷の中へと仕舞う。

・・・うん、一応誕生日プレゼントだしね、持って行かなきゃ。
高杉さんのだけならまだしも、僕の指紋もばっちりだからね

「とりあえず僕に擦り付けなければいいですよ。
ってか、もう行ってもいいですか?」

エリザベスは・・・さすがにもう風呂敷には入らないか。と諦め、
腕に抱えたまま、まだ怒っている土方さんに聞いてみる。
隣で 酷ぇでさァ。 と文句を言ってる輩は無視だ。

一度『酷い』という言葉を辞書で引いてみろ。


すると、土方さんはハッとこちらを見て怒気を収めると、

「あぁ、有難うな。・・・てかそのままで行くのか?」

そう言って訝しげに僕の腕の中のエリザベスを見た。

確かに変だよね。僕、もう子供じゃないですもんね。
判ってますよ、えぇ、そりゃぁもう!
でも絶対懐には入れねーぞ、
コンチクショー。

力強く頷くと、土方さんはふと視線を上に向け、次に
少し待て。 と言って車の中へと体を突っ込んだ。

そしてゴソゴソと何かを漁ると、マヨネーズが数本入ったビニール袋を
携えて戻ってきた。

「オラ、これ使え」

「え?あ、いや有難いですけど・・・中身、入ってますよ?」

徐に差し出され、僕は暫し戸惑う。
けれどそんな僕を無視して、土方さんは腕の中からぬいぐるみを奪うと
ビニール袋の中にポイッと放り込み、そのまま手渡された。

「なんでィ、マヨ普及してマヨ人口増やすつもりですかィ?
これ以上新八に不幸を背負わせてどうするつもりでィ。
ただでさえ眼鏡なのに」

「おいコラ。眼鏡を不幸の元にしてんじゃねーよ!!」

「てかマヨも不幸の元にすんじゃねーよ!!!
これは・・・その、アレだ。・・・誕生日だろうが、今日は」

だから持ってけ。そう言って土方さんは照れ臭そうに顔を逸らした。

・・・お約束を外さない人だなぁ、この人。

だけどこれは使いようがある。
万国旗なんかよりもよっぽど利用価値がある。

なので素直に礼を言い、頭を下げた。
・・・が、ある疑問が沸き上がる。

近藤さんならまだしも、
何で僕の誕生日を知ってるんだろう?

そう思っていると、下げた頭にポンと何かが乗せられた。
僅かに顔をずらし見てみれば、隣に居た沖田さんが何かを乗せていて。

「これは俺からでィ。ちなみに真選組の奴等は皆知ってますぜィ?
近藤さんが隊内カレンダーに付け加えてやしたから

「燃やしちまえ、そんな下心見え見えのカレンダー。」

そう吐き捨て、乗せられた紙袋を落とさないよう気を付けながら
頭を起こす。
中を見ると、色んな駄菓子が入っていた。

「旦那に取られねぇよぉ、気ぃつけろよ?」

ニヤリと笑って告げられ、僕は苦笑を返す。

ちょっと楽しんでるだろ、おい。


うん、でも気を付けよう。
だってこれ、僕のだもん。

「土方さん、沖田さん、有難うございます」

笑って礼を言うと、土方さんには頭をクシャリと撫でられ、
沖田さんには軽く肩を小突かれた。

「おめでとさん、新八」

 

改めてそう言われ、走り去っていく車は
来た時よりも少しだけ優しい音がしていた。


・・・てか、来る時もそうしとけよ。

*********************
今回はこのお二人です。
なんか誕生日過ぎたって言うのにまだ終わりません(泣)
もう少しだけお付き合い下さい~ι

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