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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「ただいま帰りました~」

タイムサービスやら特売品やらを詰め込んだビニール袋を一旦置き、
脱いだ草履を整えながら返事を待つが、何も返って来ない。

新八はほんの少し首を傾げるが、すぐにある想像が頭を過ぎる。

「また昼寝でもしてんのかな?それかパチンコにでも行ったか・・・」

ここですぐ仕事が入ったかな?と思えない自分が悲しい。
新八は一つ息を吐いて戦利品を手にすると、そのまま力なく
台所へと足を進めた。


「・・・やっぱり」

予想していたソファに居なかった為、もしや・・・と
思いつつ和室へと来て見れば、そこには畳みの上で大の字になって
寝ている銀時の姿が。

「少しは予想を裏切ってくださいよ」

えいっと銀時の足を軽く蹴飛ばすが、なんの反応も返って来ない。

新八はまた一つ息を吐くと、その体を跨いで洗濯物をよせるべく、
窓辺へと近付いた。


「あ・・・いい風」

畳み終えた洗濯物を横に置き、新八は入ってくる風に顔を上げた。
ここの所暑い日が続いたが、今日はとても過ごしやすい。

「これじゃぁ横になったら一発だね」

クスリと笑い、その罠に掛かって未だ昼寝真っ最中の銀時を見る。
畳の上だと言うのに、なんだかとても気持ち良さそうだ。
呑気なその寝顔に、つい怒りを忘れる。

そして新八はチラリと視線を銀時から上へと上げた。

まだ夕飯の準備をするには早すぎる時間だ。
掃除は午前中に終えてしまったし、買い物も終わった。

一つ一つ、自分の仕事を思い浮かべ、やる事を探すが何も思いつかない。
かと言ってテレビの番人をするのもつまらない。

「・・・僕もちょっとだけ・・・」

どうせなら、この気持ち良さを分けてもらおう、と
新八は銀時の腕にコテンと頭を預け、横になった。
ちょっと固いけど、何もないよりはいい。

チラリと視線を向けるが、銀時は気付いた様子もなく、先程と同様
微かな寝息を立てているので、新八は安心して体の力を抜いた。

だが、幾ら気持ちの良い風が入ってこようとも、日頃から昼寝などの
習慣がない新八に、おいそれと眠気が襲ってくるはずもなく、
ゴロリと体勢を変えてみる。
すると少し先に銀時の掌が見えた。
新八はそれにそっと自分の手を重ねてみる。

「う・・・大きい」

自分の掌よりも幾分はみ出してしまう銀時の掌に、少しだけショックを受ける。

しかもなんだか自分の手より固い。

自分もそれなりに剣の鍛錬をしているが、まだここまでではない。
なんだか自分との差を見せ付けられた気がして、新八は
プニプニと突いたり摩ったりしてみる。

突かれるままにフニャフニャと動く指に、新八は笑みを零す。
そして試しにその手を掴み、自分の方へと曲げてみると、
頬の下の筋肉が少しだけ動いてちょっと面白い。

・・・・が、なんかゴリゴリする。

筋肉が動いているのだから当たり前なのだが、先程まで自分の思い通りに
動かせていただけに、少しだけムッとする。

面白いけど、なんかやっぱ寝にくいや。

新八は少しだけ頭を浮かせると、そのまま体をずらし、今度は銀時の
掌へとその頭を落とし、横になった。
そして暫しモゾモゾと動き、自分なりに寝やすい位置を探す。

・・・うん、ここがいいや。
ちょっと汗ばんでるけど。

銀時に背を向ける形で漸く落ち着き、新八は口元を緩めた。
それは丁度掌に頬を押し当てる格好で、直ぐ目の前に軽く曲げられた
銀時の指が見えた。

「あ・・・傷発見」

指先や根元等、日頃気付かない場所の古い傷を見つけ、
新八はそっと自分の指を這わせた。

「何時ごろのやつなんだろう・・・」

そう呟き、新八は先程まで頭を乗せていた腕の事を思う。
きっとソコにも傷はあるのだ、この人は。


そしてその傷の分だけ、何かを護り、何かを失いもしたのだろう。

「痛くないのかな?」

新八はそう呟くと、そっと這わせていた指を止め、代わりにやんわりと
銀時の指を包み込んだ。


もう痛くないといいな。

心から、そう祈る。

もうないといいな。
この優しい掌が傷付く事が、これから先なければいい。

そう、願う。


けれど、きっとそうもいかないだろう。

だってこの人、やる気のないマダオの癖に、滅茶苦茶情が深いんだもの。


「ホント、馬鹿なんだから」


頬に当たる手のひらの固さに、ほんの少しだけ視界が霞んだ。

************************
一万打お礼企画・第七弾
ツリリ様からのリクエストで
「銀さんの体(どこでも良いです)に、頬をくっつけて甘える新八」
という事ですが・・・い、如何でしょう?(ドキドキ)
すみません、あんまり引っ付きあいませんでした~(泣)
当初はすっげー甘甘を狙ってたのですが、
何処でどう間違ったのやら・・・ι

こんな感じに仕上がりましたが、少しでも気に入って頂けたら
嬉しい限りですv
企画参加、並びに嬉しいお言葉の数々、有難うございましたv
これからも少しでも楽しんで頂けるよう頑張らせて頂きます!

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