忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



「・・・僕の人生、ドコで間違っちゃったんだろう」

深い溜息を吐いて僕は目の前の鏡を見た。
そこにはイモいお下げ・・・っていやいや、一見クラスでは目立たないが
磨けばキラリと光る何かを持っている原石美人なお下げの女の子が・・・


って、ハズいな、これ。
痛いね、僕!!!


でもこうして自分内会話でもしてなきゃぁやってられないのが
事実だから仕方ない。

僕は本日何度目になるか判らない溜息を、もう一つ吐き出した。

現在、僕は何故かかまっ娘倶楽部(控え室)に居ます。
・・・本当、ドコで間違ったんでしょう?

 

事の発端は・・・まぁ話せば長くなるが、ぶっちゃけると短いので
ぶっちゃける。

はお登勢さんの限界が突破したのだ。
正しくは上司が仕事をしないからだ。

早い話、金がないのだ。


その結果、僕まで巻き込まれてこの状況。
銀さんと二人揃ってかまっ娘倶楽部に身売りされた訳だ。

強制的に僕の人生、捻じ曲げられた訳だ。

全く、なんでこんな目に・・・

 


自然と数が増える溜息の合間を縫って、背後から声が掛けられる。

「おいおい、オマエも男なら腹ぁ決めろ。」

顔を上げれば、原石美人の後ろに見慣れてるけど
見慣れていない姿が・・・

「あぁ、銀さんだ」

うん、僕が道を間違えてしまったのも強制的に曲げられたのも、
確実に銀さんのせいだ

そう言う思いがポロリと口から飛び出れば、

「うん?銀さんだよ?」

と両サイドに上げられた銀髪を揺らしながら、肯定された。

若干意味が通じてないような気もするけど、気のせいだ。
 
・・・よし、自覚あるみたいだから責任取って週一の甘味デーを
月一にしてもらおう。

勝手にそう心に決めていると、 それよりも・・・ と腕を取られ、
その場に立たされた。

「なんですか?」

「いや、なんかよぉオマエの帯、緩くね?」

そう言って帯との間に手を入れられたり、合わせ目を確認された。

「別にいいですよ、これで。きっちりし過ぎるとキツイですもん」

「バッカ!何甘っちょろい事言ってんだ!!いいか?店に出たらそこは
戦場だ!帯の緩み心の緩みを呼び、更には
客の手を呼び込むんだぞ!!
危ねぇだろうが!!

「ならまずその手を出せぇぇぇええ!!!!」

呼んでねぇんだよ!と、さり気なく合わせ目から入れられた
銀さんの手を叩き落す。

「酷ぉい、パチ恵ったら乱暴ぉ。パー子、お仕事のアドバイス
しただけなのにぃ」

そう言って叩かれた手を摩りながらクネクネする銀さん。

・・・なんでだろ?銀さんの事それなりに尊敬して
付いて来たって言うのに
全く聞きたくないよ、そんなアドバイス。
ってか知りたくなかったよ、そんなアドバイス。

じっとり睨みつけていると、銀さんに体を回され、帯を解かれた。

「ちょ、本当いいですって!」

ギュッと締められ、思わず体が揺れる。
するとパシンとお尻を叩かれた。

「いたっ!」

「いいから。オラ、ちゃんと立っとけ!」

パチ恵の操は俺が守る!!と言いつつ、ギュウギュウと締められ続ける。

や、そんな帯で守るぐらいなら、端から巻き込むなよ。

そう思った瞬間、止めとばかりに締められ、つい声が出てしまった。

「あっ!・・・や・・銀さん、キツ・・ィ」

それと同時に背後の銀さんの動きがピタリと止まったのが判った。
僕はチャンスとばかりに急いで帯の間に指を挟み、少しでも
緩くなるように試みる。

このままじゃ手も入らないけど、食料も入らないってぇの!
折角客の金で料理が食べられるかもしれないのだ。
どうせやるなら、少しでも多くのものを得てやる!!!
毒を食らわば皿までじゃ、コノヤロォォォオ!!!


必死で帯を緩めていると、それまで止まっていた銀さんが
漸く動き出した。

「や・・・・え~っとアレだアレ。あ~~~~・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・男なら我慢しろ?」

そう言ってチャッチャと帯を綺麗に結んでくれた。
僕は何故か出来た銀さんの間に首を傾げながらも、とりあえず
鏡に背中を向けた。

うん、やっぱり僕がやるより銀さんがやった方が綺麗だ。
本当、無駄に器用だよね。ドコで覚えて来るんだか・・・
今度きっちり聞き出してやろう。

帯の形を確認し、僕は満足げに頷くと今度は目の前に居る
銀さんへお礼を言う為、顔を向けた。・・・が、

「・・・なんで鼻血出して前屈み?」

銀さんの姿に、思わず目が半目になる。

「いや、あの・・・男故に我慢が効かなかったと言うか・・・」

「そんな我が侭坊主は切り捨てちまえ」

とりあえず僕は姉上譲りの笑顔と共に、日頃の家事及び
バーゲンセールで鍛えぬいた足を勢い良く振り抜いた

 

その日、仕草が妙に女らしいと好評だった銀さんが、
店のおニィ・・・じゃなくオネェさん達に熱心に転職を
進められたのは言うまでもない。

************************************
一万打お礼企画・第六弾
もんちょ様からの再リクで
「家賃を払うために、オカマバーで短期バイトをするパー子とパチ恵」
と言うことでしたが、如何でしたでしょうか?
あまり美人な表現が出来ませんでしたが(寧ろ皆無状態ι)
少しでも気に入って頂けたら嬉しい限りですvv

再びの企画参加、本当に有難うございましたv
 

拍手[0回]

PR


ソファに寝転んでテレビを見ていると、机に足を乗せてジャ○プを
読んでいた銀ちゃんが

「新八ぃ~」

と、台所で夕飯の支度をしている新八の名を呼んだ。
ちょうどCMだった事もあって、どうしたのかとそちらに視線を向けるが、
その後は何も言わず、ただひたすらジャ○プを読んでいる。

・・・何がしたいネ、銀ちゃん。

名前を呼んだからには用があるのだろう。
そうは思うが、呼んだ本人は何も言わない。

まさかもうボケたのであろうか。

そんな事を考えていると、台所から新八が姿を現した。

「もう!夕飯の準備してるんだから少しは自分で動いてくださいよ!」

そうは言うが、その手には湯呑みと急須が乗ったお盆を持っていて。

あぁ、またか。

と、白けた視線を二人へと向けた。

この二人は時々こう言うことをするネ。
言葉に出ていないのに、互いの気持ちが判る・・・と言うか。


アレ取って。ソレ貸して。この間のどこやったっけ?


こんな会話は序の口アル。

この間なんて、風呂場の電球が切れたとかで、椅子の上に立って懸命に
新八が変えようとしている所に、何故か下で呑んでいた筈の銀ちゃんが
フラリと現れ、変えて行ったネ。

確かにあの時、新八は

「銀さんだったら簡単に変えれるんだけどな~」

と言っていた。

「来てくんないかな~」

とも確かに言っていた。だけどそれは私との会話でネ。
まさか本当に来るとは思わなかったアルヨ。
しかも変えたらまた下に戻っていったし。
新八は不思議に思わなかったのか、普通に感謝して、普通に
呑み過ぎないよう注意してたけど、

傍から見たらツッコミ所満載ヨ。

でも早くお風呂に入りたかったからスルーした。
便利な事に、越した事はないアル。

 




ちなみに反対の時もアルネ。


ちょっと前、新八が銀ちゃんの名を呼んだら、用件も聞かない内に

「ダメ」

って銀ちゃんが言ったネ。何アルカ、それ。

自分の名前の呼び方のダメ出しカ?
ダーリンとでも呼んで欲しかったカ?

電撃の変わりに嫌悪の鉄槌
落としてやろうカ、おい。

そう思ってる私の前で、それでも諦めず新八は銀ちゃんを呼んでたネ。
でも、返ってくるのは ダメ。 の一言。

それがどれくらい続いたのか、最後には新八が怒って最終兵器と言う名の

「なら正当な給料寄越せや、オラ」

を出して、渋々銀ちゃんが折れてたネ。
何が何だか判らなくて気になったけど、丁度ドラマが始まったから
そっちに心が奪われてしまったネ。

そしたら数日後、新八が来なかったネ。
サボリかこのヤロー。と怒ってたら、銀ちゃんがテーブルに朝ごはんを
置きながら

休みだよ休み。お通のライブなんだってよ。
この間言ってたろ?」

ったく、ダメだって言ったのによぉ。と、酷くムスッとした顔で言ってたネ。
そこで私は記憶を辿ったけど、覚えが全然ない。
って、もしかしてこの間・・・って、銀ちゃんがダメダメ言ってたやつアルカ?


・・・一言も出てねぇよ、そんな言葉。



そう思って文句言ってやりたかったけど、あんまりショボクレてるので
言わないでいてやったネ。

大人なグラさんに感謝するヨロシ。
だから銀ちゃんも私を起こす時、
寝惚けて殴ったのなんて忘れるネ。


ちなみに次の日出てきた新八に、一日中銀ちゃんが引っ付いてたってのは
何時もの事ネ。

・・・ウザくてまた殴ったけど。

 




そんな事を思い出していると、目の前にすっと湯呑みが差し出された。

見れば新八が私の分も持ってきてくれてて。

「神楽ちゃんも飲むでしょ?」

と、にっこりと笑って湯飲みを渡してくれた。

・・・実は私も少し喉が渇いてたネ。
ナイスタイミングヨ、新八。

「ありがと、新八」

そう言葉を告げると、新八はますます笑みを深めて返してくれた。

うん、やっぱり言葉に出すのも必要ネ。

新八の笑顔につられ、私までニコニコしていると、机から漸く足を下ろした
銀ちゃんが新八の名前を呼んだ。

新八と一緒に私も銀ちゃんへと視線を向けると・・・


・・・どうしたネ、銀ちゃん。
目が死んでないヨ?
寧ろ生き生きしてるネ。


無意識のうちに体を引かせると、新八が なんですか? と問い掛けていた。

あれ?何時もなら名前呼ばれただけで大抵会話が続いてるのに
今のは判らなかったアルカ?

不思議に思って今度は新八に視線を向けると・・・


やっぱり姉弟アル。
・・・姉御ネ。
般若と言う名の姉御が居るネ。


「いや、あのだからさ?新ちゃん」

「なんですか?」

「え~と・・・ですから今日お泊りなんか・・・」

「あ、神楽ちゃん、お腹減ったでしょ?もうご飯だから少し待っててね?」

「あれ!?いやいや、あの・・・新ちゃん!!?」

「明日のご飯、なんにしよっか?僕、来る途中朝市に寄って来るから
楽しみにしててね?」

ごっさこっちを見てる銀ちゃんを無視してそう言うと、新八は
いそいそと台所へと戻って行ったネ。


どうやら二人の間にも通じない場合があるらしい。


やっぱり偶には言葉に出さないと駄目ネ。

新八を追いかけて台所に行った銀ちゃんの潰れた声と鈍い音を聞きながら、
私は淹れて貰ったお茶を一口口にし、そう実感した。




・・・あ、でも一部言葉に出てたネ。
なんで通じなかったアルカ?

不思議に思ったが、テレビでは新たにドラマが始まり、そちらに意識を
持っていかれた神楽であった。

******************
一万打お礼企画、第五弾。
Mag.様からのリクで
「ごくごく普通にナチュラルに、テレパシーで会話している銀さんと新八」
と言うことでしたが・・・如何でしょうか?
確かに彼らは常に以心銀新状態ですよね(笑)
もう公式認定ですから、それは!(えぇ!?)

なんか最後は会話出来てませんでしたが(笑)少しでも
楽しんで頂けたら嬉しい限りですvv
企画参加、本当に有難うございましたv

拍手[1回]



「げ・・・」

その日、珍しく仕事をした俺は飯を食いに行き付けの定食屋へと
足を伸ばしていた。
そして店へと入ろうとした瞬間、出てきた人物と鉢合わせ、
思わず嫌な声が出てしまった。

それは向こうも同じだったらしく、目の前で思いっきり眉を顰めている。

「・・・何してやがんだ、テメー」

「おいおい、性格とツラだけじゃなく目も悪くなったか、コノヤロー
ここに入ろうとしてんだから飯食いに来たに決まってるでしょ~?」

「はっ。飯じゃなくてテメーのは得体の知れないエサだろうが」

「得体は知ってますぅ。小豆と米ですぅ。
ってかオメェにだけは言われたくないんだけどぉぉ!?」

「んだとぉコラァ!!マヨ舐めんなよ、クソ天パ!!!」

ピキリと青筋を立てて腰にある刀に手を添えようとする土方に、
んなもん舐めるか、ボケ。と鼻で笑う銀時。

ったく、こいつと会うといつもこうだ。
折角いい気分だったってぇのによぉ。
あ、でもこいつが居るって事は・・・

忌々しげに目の前の黒い服を睨んでいると、その背後からヒョコリと
思い描いていた一人の青年・・・と言うにはまだ幼い顔が飛び出てきた。

「あ、やっぱり。も~入り口で何してんですか、二人とも」

そう言って微かに頬を膨らませ睨んでくるので、俺は不満を顕に
口を尖らせて反論する。

「ちげーって。コイツが勝手に突っかかってくんのよ。眼鏡君」

「眼鏡じゃねーよ!あぁもういいですから!
はい、出入り口から離れる!!」

小さい手に押され、俺と土方はその場から離れさせられた。

「あんまり人が居るトコで騒がないで下さいよ。これ以上
真選組の評判が下がったら困るでしょ?で、坂田さんも
騒がせないで下さい!あと、そろそろ名前覚えろ、コラ!」

ムッとした表情で告げられ、俺は苦笑する。

知ってるよ。志村新八君でしょ?
でも言わないよ?だって俺、お前のツッコミ気に入ってるもん。
周りにボケのヤツしかいないから、新鮮なんだよね~。
やっぱり真面目だからか?一々突っ込んでくれるのは。
まだちっこい癖に、真っ直ぐな目ぇしてしなぁ。
なんで真選組なんかに居るんだか・・・
味覚、変になるよ??

と考えるも今度は顔には出さず、一応憎たらしい事に彼の上司であるらしい、
隣でタバコを吸おうとしている土方を顎で指した。

「そんな事よりコイツ、本当どうかしてくんない?
昼真っからチンピラに遭遇したかと思ったんだけど~

誰がチンピラだ!!チンチラみてぇな頭してるヤツに
言われたかねぇんだよ!!」

「ぅわっ!聞いた?新ちゃん!!今の言い方、マジチンピラじゃね?
893丸出しじゃね!!?お前もさ~、早く真選組見限った方が
よくね?根性曲がっちゃうよ~」

怯える様に新八の後ろに回り込んだが、当の本人からは何のリアクション
もなし。
あれ?と思いつつ、後ろから覗き込むように顔を見ようとする前に、
くるりと顔を向けられた。

「なんだ、僕の名前知ってるんじゃないですか」

そう告げてくる顔は嬉しそうに笑っていて、俺はホケッと見返すしか
出来なかった。
そんな俺をどう思ったのか、折角緩んでいた口元を微かに尖らせ、
新八は言葉を続ける。

「もうこれからはちゃんと呼んで下さいよ・・・って、あぁ!
どうしたんですか、これ!!」

今度は体ごとこちらに向きなおされ、そのままガシッと頬を両手で
掴まれた。
新八のその声に、それまで怒りを震わせていた土方も近寄ってくる。

・・・いや、テメーはくんな。
てか、どうかしたの、俺?

疑問に思う俺を余所に、新八は益々顔を近付かせる。

「なんだ、どうした?」

「見て下さいよ、ここ。うわ~、なんか痛そ~」

どうしたんですか、コレ。と、至近距離+上目遣いで問われ、
一瞬色んな意味で言葉が詰まる。


や、今銀さん、頭回ってないからね?


だが、確かに新八にそっと触れられた所がピリッとし、俺は先程までの
仕事の内容を漸く思い出した。

・・・・あ~、アレか~。

心配げに見上げてくる新八の頭を撫でつつ、言われているだろう怪我の
原因を告げる為、口を開いた。

「いや~、なんか男の勲章?的なやつだよ、うん。もうさ、
銀さんモテモテだから、可愛い子猫ちゃんに悪戯されちゃって・・・」

「どうせ本物の猫相手の仕事でもしたんだろ」

見栄はんな、虚しい。と、途中で土方に遮られ、鼻で笑われてしまった。

・・・テメー、其処は気付いても流してやるのが侍マナーだろうが!!

何か言い返してやろうとする前に、土方は背を向けて新八に一言

「行くぞ」

と告げた。その声に一瞬新八の目が迷うが、

「すぐ行きますんで、先行ってて下さい」

と言うなり、ゴソゴソと自分のポケットを漁りだした。
少し離れた先で短く舌打ちをする土方に ざまぁみろ。 と思いつつも、
目の前の子が何をしたいのか判らず見詰めていると、小さな声と共に
柔らかい笑顔が上げられた。

「はい、絆創膏。ちょっと可愛いのですけど、我慢して下さいね」

そう言われ見てみれば、確かに可愛らしい絵柄の付いた絆創膏が
その手にあり、遠慮する間もなくペタリと頬に貼られてしまった。

「・・・かぁいらし~の、持ってんのね」

なんとも言えず、絆創膏の貼られた頬を手で撫でると、恥ずかしそうに
目の前の顔が赤く染まった。

「姉上に貰ったんです、ソレ」

ちなみに僕も今貼ってるんですよ。そう言って黒い隊服の袖を
捲り、絆創膏の貼ってある部分を差し出した。

・・・うん、確かにかぁいらし~のが貼ってあんね。
でもさ、そこ、服で隠れるよね?
俺の、隠す事すら出来ないフルオープンな場所なんですけどぉぉ!!?

そんな思いが顔に現れていたのか、新八は小さく笑うと、

「大丈夫、似合ってますよ。」

そう言ってますます笑った。

「や、嬉しくないからね、ソレ。
こんな羞恥プレイ初体験だよ、銀さん。責任取ってね?」

「それ言ったら同じの貼ってる僕もそうでしょうが。
って言うか責任とってセクハラでぶち込みますよ、本当

うんざりとした表情で言う新八に、俺は口元が緩むのを感じた。

コロコロと変わる表情。
心地良いテンポの会話。

うん、やっぱいいな~、この子。

そうは思うが、彼は真選組で。
しかも今はまだ仕事中のようで。

離れた所から痺れを切らした土方が、新八の名を呼ぶのが聞こえた。
それに新八は慌てて振り向き素直な返事を返す。

この時間が終わるのは残念だが仕方がない。
仕方ないけど・・・

最後に それじゃ失礼します、坂田さん。 と頭を下げる新八の
腕を咄嗟に掴み、俺は言葉を吐き出した。

「銀さん」

「え?」

キョトンとする新八を尻目に、俺は頭をワシワシと掻くと

「俺の事だよ、俺の。どうもお前の呼び方はケツが痒くなっていけねぇ」

だから今後は銀さんと呼ぶ事!と、告げると新八は困ったように眉を下げた。
きっとコイツの性格上、年上の、しかもあまり自分の上司と仲の良くない
人物をそう呼ぶのに抵抗があるんだな~とも思うが、ここは引けねぇ。

「いいか、銀さんって呼ばねぇと返事しないからな」

鼻息荒くそう断言すると、キョトンとしていた新八の顔に笑いが弾けた。

子供みたいってお前・・・いいじゃねぇか。
こんなかぁいらし~絆創膏が似合う俺だもの、
この発言だってアリだろうがコノヤロー。

散々笑った後、新八は軽く目を拭いながらも

「判りました。じゃあまた。」

そう言って再び頭を下げ、今度こそ土方の元へと走り去っていった。

見ると傍に来た新八に何か言ってるが、どうせ俺の悪口だろう。
・・・今度絶対投書してやる。

しかし、どう見ても同じ色の服を着ている二人は年の差だとか
階級だとか違うものの、俺と並んでいるよりもしっくりしていて、
ほんの少しだけ胸が痛んだ。

・・・こういう時はアレだ。天下の糖分だ。
糖分が全てを癒してくれる筈だ、きっと。

そう思い、ここまで来た本来の目的を遂げようと、先程入り損ねた
店へと足を向けた瞬間、後ろから声が掛けられた。
振り向けば其処には、

「銀さ~ん、あんまり糖分摂っちゃダメですからね!!」

そう言って大きく手を振る新八の姿が。

おいおい、俺の心の中にまで突っ込みますか、お前は。

そう思いながらも、確実に俺の頬は緩んでいて。


・・・うん、そうだな。やっぱり今日はあの店やめとこう。
なんか胸の中が甘ったるさで一杯だ。


見えないだろうけど一応背を向け、軽く手を振って答えると
足取り軽く、俺はその場を後にした。

*************************
一万打お礼企画、第四弾。
玖美様からのリクで「新八が真撰組だったらのパラレルで銀→新」
と言うことでしたが・・・如何だったでしょう?
なんかあまり真撰組な雰囲気が出せなかった気が・・・(滝汗)

萌えツボに少しでも掠る事が出来たなら嬉しい限りですv
企画参加、本当に有難うございました!
これからも暖かく見守ってくださいませv
 


 

拍手[1回]



「お前さ~、将来どうすんの?」

何時もやる気のない担任が、これまた然程興味なさ気に問い掛けてきた。

僕は目を数度瞬く。
だって今までの会話と全く関連なく、突然言われたのだ。

「・・・それ、二者面談的質問ですか?」

とりあえずそれまでの会話・・・と言っても先生が一人でカキ氷に対する
シロップの割合を熱く語っていただけだが
・・・から脳内をシフトチェンジ
して聞いてみた。

すると、机に向かってペンを走らせていた先生は、目も上げずに

「いや、単なる好奇心」

と告げてきた。

・・・ならもっと興味有り気に聞いて来いよ。
ってか、担任が受け持ちの生徒の進路に対して『好奇心』って・・・

僕は片付けていた本を抱えたまま、一つ息を吐いた。

ま、この先生に『先生らしさ』を求めても無駄か・・・

今日も終業式だって言うのに、こうして放課後に資料室の片付けを
手伝わせているぐらいなのだから。

「・・・とりあえず、一般的な常識を持ち合わせた大人になりたいです

「なんか益々地味さが増しそうだな、おい」

「カビの生えたパンを本棚の裏に隠したまま忘れてるような
大人にはなりたくないって事ですよ、坂田先生?」

ニヤニヤと笑って視線を向けてきた先生に、たった今発掘したものを
指で摘んで放り投げてやる。
すると、うぉっ! と一瞬体を逃がしたものの、机の上に落ちたパンを見詰め、
哀しそうな顔をした。

忘れるぐらいなら隠すなよ、こんな所に。
ドコの小学生だよ、本当。
ってか、こんな担任を持った僕の方こそ、悲しみ溢れる表情が
似合うと思うんですけど!?

あ、違う。呆れ顔か、この場合。


とりあえず、今度徹底的にこの中を家捜ししよう。と心に決め、
空いたスペースに抱えていた本を入れていく。

「先生はどうだったんですか?」

やっぱり小さい頃から先生になりたかったんですか?先生に背を向けて
そう聞くと、それまでしていたペンの音がピタリと止まった。

変わりに聞こえてきたのは、ん~ と言う声と、髪をかき回す音。

「・・・ま、昔はそんな事考えてなかったのは確かだな、うん。
っつうか気付いたら教壇に立ってたし?」

やべっ!俺、天性の教師資質!!?と言う先生の言葉を、とりあえず
はいはいそ~ですね~。 と言って軽く流す。

てか、そんな人は見るのが面倒だからって夏休みの宿題を
なしにしません。

僕の返事に不服そうに文句を言っている先生を無視して、
下に積んであった本をどんどん棚へと戻していく。

あ~、もう窓を全開にしてても暑いな~。
早く終わらして家に帰ろう、うん。
・・・ま、家の中も暑いんだけどね。

でもシャワーあるし。汗、流せるし。そう考えると、途端に
流れる汗が気になりだした。
早く終わらせようと思ってはいるものの我慢できず、本を戻す作業を休め、
頬を伝い落ちていく汗を腕で拭い取っていると、不意にその手を取られた。

振り向けば、何時の間に来たのか、先生が後ろに居て。

「・・・でもやっぱなるんじゃなかったかな。だってよぉ先生としちゃぁ
やっぱ生徒には手ぇ、出せないじゃん?」

そう言って、取られた手をペロリと舐められた。

「ちょっ!何してんですか!!!」

「あ、しょっぱい」

「当たり前です!!!ってか、手、離して下さいよ!」

言動が一致してないし!!自分でも判るぐらい顔を真っ赤にして、先生の頭を
空いている手で押しのけようとしたけど、その手も簡単に掴まってしまう。

行き成りの事に頭がついて行かない。

次の言葉が出ず、まるで鯉のようにパクパクと口を開けるだけの僕に、
顔を下げて視線を合わせてきた先生は、困ったように苦笑すると、

「だけど先生してなかったら、志村と会えなかった」

それはすっげー困んのよ、俺。そう告げてくる先生に、僕は視線を
合わしている事が出来ず、下を向いてしまう。


何ソレ。あんた国語の教師じゃなかったのかよ。
何を言いたいのか、全然判んないんだけど。
全然、判んないんだけど・・・顔が熱くなってくのは判る。


何も言えず、ただ頬を染めて俯く僕の頭に、
軽い・・・けれど熱い感触が落とされる。

「な?俺、どうしてたら良かったと思う?」

「・・・知るか、ボケ」

漸く返す事の出来た言葉に、クスリと笑う感触がした。
それに対し、先程までとは違う意味で顔が熱くなる。

変な所でやる気出しやがって!!
パン隠してカビさせちゃうくせに!!!
大体死んだような目がアンタの売りじゃなかったのかよ!!!
授業中に今のその目を見せて見やがれ!!!

湧き出てきた感情を勢いにして顔を上げ、キッと睨みつける。

「ど、どっちにしたって、今現在先生である事に変わりはないんですから、
手ぇ出さないで下さいよ!!」


すると一瞬先生はポカンとし、次に あ~、わりぃわりぃ と言いながら
僕の両手を解放してくれた。

・・・てか、笑いながら言われても、全然説得力ないですから、ソレ!!

ジーッと睨んでいると、首筋を掻きながら先生はニヤンと笑った。

「うん、だな。現在、先生だしな、うん」

とりあえずもう少し待ちますか~。そう言うと先生は書類が
乗っている机へと戻っていった。

いや、もう少しってどういう意味ですか。

そう聞きたかったけど、聞けなかった。
だって、聞いたらまた心臓に悪い展開になりそうなんだもん。

ホッと息を吐き、熱くなっているだろう頬を摩っていると、
途中で先生が顔だけをこちらに向けた。

「あ、ちなみに学校出たら違うから、俺。
仕事とプライベートはきっちり別ける性質なんだよね~」

「へ?」

「さ~、さっさと仕事終わらしてデート行こう、デート。
明日からは夏休みだし、色々行こうな~。
良かったな~、おい。宿題なくて。」

やる気でた~。と、何時も通りのやる気のない声で言いつつ、
肩を回している先生に、カクリと肩を落とす。

・・・もう少しって・・・本当に少しだな、おい!!!

そう思いつつも、頬の熱が収まらない僕には突っ込む事も出来ず、
とりあえずせめて今日と、そして夏休み前半ぐらいは逃げ切って
やろうと、少し乱暴に本を棚へと戻し始めたのであった。

***********************
一万打お礼企画、第三弾。
エース様からのリクで「3Zで銀新」
い、如何なもんでしょう?前々から書いてみたいとは思っていた
3Z話ですが、いざ書くとなると・・・難しかったですι(反省)
私はあんな素敵可愛いもの戴いたって言うのに!!!(涙)

それでも、少しでも気に入って頂けたら嬉しい限りです、はいv
企画参加、本当に有難うございましたvv

 

拍手[0回]



その日、銀時は何時もの如くジャ○プ片手にゴロゴロしていた。

いつも忙しく万事屋内を動き回っている新八は買い物。
神楽と定春もそれに付いて行った為、家の中はひっそりとしている。

どれだけ時間が過ぎたのか、熟読していたジャ○プも読み終わり、
ふと顔を上げると既に室内が赤く染まっている。

「あいつら、遅くね?」

ボソリと呟き、銀時はワシワシと頭を掻くと、仕方ねぇなぁ。とばかりに
渋々その腰をを上げた。

 

 

歩いていくか、それとも原付を出そうか・・・いやいや、最近ガソリンが
シャレになんないからね。
やっぱ歩きだな、うん。新八にも厳しく言われてっから。
だから今日銀さん、お留守番だったからね?
別に除け者とかじゃ全然ないから。
ガソリンが高くなったから連れてって
貰えなかっただけだから!!

虚しく叫びつつ、とりあえず今日新八達が行っているであろうスーパーを目指して
歩き出そうとした所で、不意にお登勢の店から賑やかな声が聞こえてきた。

それはとても聞き馴染んだ、今まさに迎えに行こうとしていた声で。

銀時は足を向ける先を変え、お登勢の店の扉を開いた。
するとそこには案の定新八達が揃っていて・・・

「・・・何やってんの、お前等」

なんだか楽しげなその様子に、銀時の口元が少しだけ尖る。
そんな銀時に気付いたのか、カウンターの中に居た新八がこちらへと視線を
向けた。

「あ、銀さん!丁度良かった~」

そう言ってゴソゴソと近くにあった袋を手にすると、ニコニコと笑って
銀時の元へとやって来た。
そして・・・

「はい、これ上に持ってっといて下さい

そう言って手にしていた袋を銀時へと差し出した。
どうやら本日の戦利品らしい。それを お願いしますね。 と言って
持たせると、カウンターの椅子に座り、お登勢の手元を覗き込んでいた
神楽へと視線を向けた。

「神楽ちゃ~ん、銀さんも来たし、そろそろ上に戻っときなよ」

「え~、やーヨ。もっとババァの年の功による料理マジックを見てるネ」

「一言多いんだよ!って、作ってる傍からつまみ食いすんなぁぁあ!!」

「あぁもう神楽ちゃんてば!つまみ食いしちゃダメだって言ったでしょ!」

ワーワーと再び賑やかになる店内を見詰め、ポツンと佇む銀時。


・・・あれ?俺、何か忘れられてない?
存在、見られてないゾ☆的になってない!!?


「・・・てか持ってけって・・・オマエは?」

あっれぇぇぇ????と首を傾げながらも、とりあえず疑問に思った事を
聞いてみると、目をパチクリさせた新八が振り返った。


・・・ね、その目、まだ居たの!!?って目だよね?
神楽に関しちゃ未だ感知してないよね、銀さんの存在ぃぃぃ!!!


あ、すみません。あのですね、なんか今日お登勢さんのお店が
忙しそうなんで、ちょっと僕、手伝いをする事になりまして」

新八の言葉に、銀時は面白くなさそうに軽く相槌を打った。
そして暫し無言になると、手渡された袋を少しだけ掲げ、その中身を尋ねる。

「・・・ふ~ん、なら急いで冷蔵庫に仕舞う必要はねぇわな」

新八の口から出される品物名を確認し、そう判断すると
そのまま店の中へと足を進め、カウンターの隅の方に腰を降ろした。

「ババァ、とりあえずビールな」

「とりあえず出てきな、このゴク潰し」

「あれ?銀ちゃん、何時来たネ?」

うっせーよ!!何オマエ、本気で見えてなかったのぉぉぉお!?」

酷くね!!?コイツ酷くね!!?と、新八に訴えかける銀時であったが、

「おや、上手く味がついてるじゃないかい」

「本当ですか?お登勢さんに言われた通りやってみたんですけど」

でも少し煮崩れしちゃって・・・と、眉根を寄せる新八に、
あぁ、そう言うときは・・・と説明をし出すお登勢と言う、
まるで嫁と姑の会話に弾き飛ばされ、届く事無く掻き消えたのであった。

「って、いやいや、違うよね?確かに新ちゃんお嫁さん的な存在だけれども
ババァはないよ、うん。よくって近所に一人は必ず居る世話焼きババァ?
って言うか、闇夜に一人は潜んでそうな妖怪ババァ???」

怖っ!一人呟き、身震いする銀時の頭に、鈍く光る物体が
勢い良く投げつけられた。

「ってぇぇ!!!何コレ、灰皿ぁ!?おいおい、UFO気取りですか?
銀さんの頭にミステリーサークルでも作る気ですか、コノヤロー!!」

俺が頼んだのはビールなんですけどぉぉ!!頭を摩りつつ、投げつけた本人
であるお登勢を睨みつけると、今度は凄い力で顔面を掴まれる。

「いっその事丸坊主にしたら少しは納まるんじゃないかねぇ、
そのクソ天パ
・・・とりあえず・・・」

「おい、ババァ。ちょ、これ、ババァの出す力じゃない・・・って
やっぱ妖怪!!?あ、うそ。ウソです。だからあの・・・
地味に本気に痛いんですけどぉぉぉお!!!」

「うるせー!!テメーはさっさと巣に戻っとけ!!!!」

そう叫ぶと同時にお登勢は銀時の顔を鷲掴んだまま、見事なフォームで
持ってその体を扉へと向けて放り投げる。
ちなみに扉は予想していたのか、たまが開けて待機しており、銀時が
飛び出ると同時にきっちりと閉められたのであった。

 


強制的に店から出されて暫し。
道端に倒れこんでいた銀時が漸く体を起こし、その場に座り込んだ。

「っててて、んだよ、ここは暴力バーか?ったく、そんな所なら
尚更新八を置いておけねぇってんだよ」

そう言って立ち上がると、凝りもせず目の前の扉へと手を掛ける。

・・・が、その瞬間に聞こえてきた


『ターゲット。ロックオンしました』


と言う、小さいながらも的中率100%を思わせるたまの声。

銀時は寸前の所で手を止めると、再び先程の自分の不時着地点まで戻り、
頭を抱えてしゃがみ込んだ。

「おいおい、どーすんだよ、俺。なんか感覚的にRPGになってるんですけど。
お姫様捕らわれて城までやって来たけど、装備が棍棒??みたいな。
しかもラスボスが一人かと思ってたら、
実は大ボスも居るんです~みたいな?」

やべーよ、俺、ライフマーク一つしかねぇよ。・・・とブツブツ
呟きながら地面を見詰める銀時の横を、気味悪げに見ながら
一人の男性が通り過ぎていく。

どうやらお登勢の店の客らしく、足早に店へと入ろうとしているその手を、
ガシリと素早い動きで銀時が捕らえた。
その瞬間上がる男性のか細い悲鳴を無視し、銀時が尋ねる。

「あ、もしかしておじさんこの店入るの?入っちゃうの??
あ~、入っちゃうんだぁ~。
あのね、この店飲み屋だけど、入るには厳しい条件があんのよ。
それ守んないと凄い事になるから。え?凄い事って??あのね?
中に妖怪ババァか~いらし~子と、その他が居るんだけど、
そのか~いい子に触ると、その部分、無くなっちゃうのよ。
スパーンと。
いい?コップとか受け取る時にちょっと指が触れてもダメだから。
サクッと無くなるからね、指。
ちなみに見詰めても無くなるから、目ん玉。
え?なんでそんな目に合うのかって?
俺のだからに決まってんだろぉがよぉ。
あ、ちなみにババァとその他は無条件だから。だからどうしても
ってんなら、そっちね。ってか推奨。
だからね・・・て、あれ?入んないの?あ、入んないんだ。
そうだね~、やっぱ寄り道は良くないよ、うんう・・・」

「って営業妨害ぃぃぃぃいいいい!!!」


―――その日、銀時が宙を舞った二度目の瞬間であったが、
去り行く男性の背を視界に入れ、何処か満足げであったと言う。

 

 

 

 


「・・・あ?」

目を開けると、其処には見慣れた天井が映っており、銀時は暫し目を瞬いた。
そこにヒョコリと神楽の顔が映り込む。

「あ、気がついたアルカ、銀ちゃん」

銀時は唸るように返事をしながら体を起こし、数度頭を振った。

「あ~・・・ってか新八は?」

「新八ならまだババァの所ネ。」

その言葉に、それまでボーっとしていた銀時の目が開かれる。
そして横になっていたソファから飛び起きると、そのまま玄関へと
向かおうとして・・・

 


       キュ

 


と、神楽に首を掴まれた。

「何やってるネ、銀ちゃん」

それはこっちの台詞だ!!・・・と言いたいが、生憎素晴らしい力で
首を絞められている為、言葉に出来ない。
ワタワタと手を動かし、どうにか神楽の手を離そうとするが、力は益々
込められるばかりで・・・


―――銀時はその日、二度目のフェイドアウトを体験した。

 

 

 

 

目が覚めて、銀時は考えた。
どうも新八に言い含められたらしく、神楽は自分の監視人になっているらしい。
自分が少しでも下に行こうとすると、キュッとくる。キュッと。

ならば・・・

銀時は考え抜いた末、電話の前に立った。

こっちから行けないのであれば、向こうから来てもらえば良いのである。

自分でもいい考えだと思ったが、とりあえず一回目は途中で切られた。
出たのは新八だったのだが、多分他のヤツが切ったのだろう。
新八はそんな事しない筈だ
二度目に宙を舞った時も、背中に新八の足の裏的感触を感じたが、
きっと勘違いだ。
だって俺は、新八の愛すべき旦那様だもの。

なので懲りずに再びかけた。
今度は中々出ず、延々鳴らしていたら、妖怪が出た。


・・・妖気に当てられそうだったので、
自主的に切った。



でも負けなかった。何度も何度もかけ続け、漸く下から出前を取る事に
成功したのだ!!

銀時は受話器の前でガッツポーズを取った。
その時、玄関からチャイムの音が聞こえ、銀時は軽い足取りで向かった。
そして意気揚々と扉を開け・・・

「出前持ッテキテヤッタヨ。サービス料金ガッポリ上乗セシロヨナ」

「チェンジで」

勢い良く閉めた。
その後、再び電話をかけたが、何故か繋がらなくなっていた

電話料金ぐらいちゃんと払っとけよ、ババァァア!!

そう怒鳴りつつ、受話器を叩き付けた所で、何時の間に後ろに来ていたのか、

「銀ちゃん・・・・ウゼェ

との言葉と共に神楽にキュッとやられた。
今度は花畑が見えた。

 

 

 


「あ、気がつきましたか?」

目が覚めると、天使が居た。

「も~、ダメでしょ!邪魔ばっかりするからこんな目に合うんですよ?」

優しく頭を撫でられ、銀時は気持ち良さそうに目を閉じた。


あぁ、やっと帰って来た。


そう思うと嬉しくて、頭の横にある新八の膝へと擦り寄る。

「もう今日みたいのはご免ですからね?判りました?」

言い聞かせるように告げる新八に、銀時は小さく頷く。

「ん、判った。もうやんねぇよ」

銀時の言葉に安心したのか、新八がクスリと笑ったのが判った。
その感触に、銀時の頬も緩む。

「お腹、すいたでしょ?お登勢さんの所から余りもの貰ってきましたから
一緒に食べましょ?」

そう言って撫でていた手が離れていくのを感じ、銀時はパシリと掴む。
そして自分の頬へと新八の手を持ってこさせると、

「ん~・・・その前に新ちゃん補給。今日、全然足りてねぇから」

と言ってその手に頬ずりした。

なんですか、それ。と笑う声が聞こえたが、本当なんだから仕方がない。
もう今日みたいなのはご免だ。もうやらねぇ。

絶対手伝いなんかにゃやらねぇかんな。


そう固く誓った銀時は、その後も何度となく宙を舞い、
花畑に行く日々を送るのであった。

**************************
一万打お礼企画、第二段。
蒼月銀河様のリクで、「二世帯住宅」話(笑)
・・・こんな感じに仕上がりましたが、如何でしょうか?(ドキドキ)
他にも色々と入れたいネタがあったんですが、
えらく長くなりそうなので、とりあえずこんな感じにι
書ききれなかった部分は、また別の話で入れさせて頂きます!!

少しでも楽しんで頂けたら嬉しい限りですvv
企画参加、本当に有難うございましたv

拍手[1回]


[9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]