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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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目の前のテレビでは、現在男と女が見詰め合って甘い言葉とやらを
囁きあっている。

と言うか甘い言葉って何アルか?
『愛してる』より『アイス』の方が甘ったるい感じがするネ。

不思議に思っていると、同じようにテレビを見ていた銀時が
軽く鼻を鳴らした。

「ったくやだね~、最近の野郎は。
男がそんなもん軽々しく言うんじゃねぇよ」

「銀ちゃんは言わないアルカ?」

神楽がそう問い掛けると、銀時は器用に肩眉を上げた。

「当然だろ?男は黙って行動よ。
言葉だろうが何だろうが、
甘いもんは誰にもやらねぇ」

・・・それはただ意地汚いだけネ。

その後もダラダラと甘味について語り出している銀時を
無視し、神楽は次に浮かんできた疑問を投げかける。

「だから新八にも言わないアルカ?」

そう言うと、銀時はハンと軽く顎を上げた。

「当たり前ぇだろうが。
言っとくけど銀さん、結構な亭主関白よ?
古き良き時代を大切にする男だからね、銀さん。
大体そんな事、易々と言葉にしねぇ方が男らしいんだよ。
ほら、見てみ?だから銀さん、超男らしいだろ?」

「くだらない事は際限なく吐き出してるけどナ」

銀時の言葉を鼻で笑い飛ばし、再び神楽はテレビへと視線を戻した。
何やら銀時が文句を言っているが、そこら辺は無視だ。

だが・・・と神楽は考える。

確かに画面の中でダラダラと女に対して甘い言葉を吐き続ける男は、
そんなに男らしくは映らない。

まぁ今現在、銀時も同じぐらいダラダラと
無駄な事を吐き続けてはいるのだが。

だが、吐き出している言葉の種類は全く違うわけで。

となると、やはり男はそう易々と好きだの何だのと言葉に
しない方が、男らしく見えるのだろうか。


「銀さん、神楽ちゃん。お茶が入りましたからオヤツにしましょう」

神楽がそんな事を考えていると、台所から新八がお茶を持って
居間へと姿を現した。

「姉上がお饅頭貰ってきたんです。
あ、でも銀さんは二個までですからね」

「あ~?んだよ、どうせ賞味期限ギリギリのヤツなんだろ?
いいじゃん、一気に食べちまおうぜ。
残り少ない命を無駄にするな」

「その前に自分の残り少ない健康を
大事にしろよ。
ってかまだ全然持ちますから、それこそ大事に食べてくださいよ」

そう言って目の前に置かれた饅頭の箱に両手を入れ、
ワシッと掴もうとする銀時の手を、新八がパシリと叩く。

その姿は、まんまオカンだ。

神楽は叩かれた手を摩る銀時を横目に、さっさと自分の取り分を
モソリと口に入れた。
そして直ぐに食べ終わり、次へと手を伸ばす。
それを見て焦ったのか、銀時が新八へとしぶとく言い募る。

「つうかさ、その前に銀さんを大事にしてくんない!?
糖分前にして制限てオマエ、苛めよ、苛め。
何?実は銀さんの事、嫌いなの!?」

銀時のその言葉に、新八の目がカッと開かれる。

「何言ってんですかっ!
好きだから注意してるに決まってるでしょっ!!」

堂々と告げられた言葉に、銀時も神楽も一瞬時が止まる。

「・・・え?あ、あの・・・新ちゃん?」

「好きで大事だからこそ、銀さんには少しでも長く健康で
居て欲しいんですよ?判ってくれますか?」

銀時が呆然としながらも、何とか新八の名を口にするが、
全て言い切る前に、新八に切々と訴えられてしまった。

その言葉に、銀時はコクコクと頷くしかなくて。

「なら良かった。
じゃあ僕、残りのお饅頭、お登勢さんに持って行きますね」

頷く銀時に、新八はにこりと微笑むと、饅頭を何個か出し、
残ったものを箱ごと抱えて居間から出て行った。


残されたのは、相変わらず呆然としている銀時と、
モソモソと饅頭を食べ続けている神楽。

 

 


「・・・え~と・・・アレだ。神楽」

「何ヨ」

ポツリと呟かれた声に視線を向ければ、ソコにはカクリと項垂れ、
手で顔を覆い隠している銀時。

微かに見えているその頬は、何だか赤いような気がしないでもなく。

「ま、言わなくても判るネ」

そう言うと、銀時は長々と息を零した。

「・・・ってかアレは反則じゃね?」

銀時の言葉に、神楽は一つ、首を落とす事で同意した。

 

確かに、オカンなのにあの男前は反則だ・・・と。

*************************
ウチで一番の男前は新ちゃん(笑)

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外から帰ってくると、家の中が静かだった。

神楽暴れる音も、定春のノシノシ歩く音も、新八のものっそい歌声
聞こえてこない。

んだよ、誰も居ねぇのか?
ダメだろ、銀さんを出迎えなきゃ。
寧ろ三つ指突いて、にっこり出迎えなきゃ。
特に新八。

とりあえず最早習慣となってしまった手洗いをし、
居間へと行くと、その向こうの和室で新八の姿が目に入った。

「あれ?いんじゃん。何?シカト?」

そんな事を思いつつ近付いてみると、どうやら新八は
寝ているようで、穏やかな寝息を立てていた。

「・・・って言うか、器用だな、おい」

どうやら雑誌を読んでいるうちに寝てしまったらしい。
壁に背中を預け、スヤスヤと寝ている新八の膝には、
広げられた雑誌が置かれている。

特集は勿論お通だ。

ってか殆ど伏字になってて
読めないんだけど、この記事。

新八の前にしゃがみ込み、雑誌をチラリと見た後、
そのまま目の前にある寝顔へと視線を移す。

本当、気持ち良さそうに寝ちゃってまぁ。

確かにこの場所は日差しが当たってポカポカと暖かい。
その上季節は春だ。
何処をとっても襲い来る睡魔に勝てる要素が見当たらねぇ。

だが、幾ら暖かくても、まだ流石に肌寒いだろう。

何か掛けてやるか・・・と思いつつも、視線は一点集中だ。

だって何かこう・・・可愛くね?
普段も可愛いけどな?寝てるとまた子供っぽさが増すって言うか、
心が癒されまくるってぇか・・・

なんだろう、新八からマイナスイオンが
バリバリ出てる気がする。

ってかこのほっぺもまたプクプクしてていいんだよなぁ。

そう思い、つい手を伸ばしてしまった。
その瞬間、ビクリと新八の体が振るえ、ゆっくりと閉じられていた
目が開けられていった。

「・・ん・・・冷たい?」

あ、そう言えばさっき手ぇ洗ってきたっけ。

ちょっとだけ反省。
今度からは十分温めてから触ることにしよう。

「あれ、銀さん?何時の間に・・・ってぇ!!」

目の前の俺を確認し、動こうとした新八が突然短く声を上げて
両手を前についた。

「・・・どったの?」

見れば小刻みにプルプルと震えている。
その姿を膝に肘をつき、その上に顎を乗せて眺めていると、
プルプルしたまま新八が顔を上げた。

その目にはうっすら涙なんか浮かんでいたりして。

「・・・もしかして足、痺れてる?」

そう問えば、コクコクと無言で頷かれた。

ま、そりゃ~そうだろ。
だってオマエ、正座して寝てたもん。
本当、何処まで行儀良いんですかって話だ。

だが、そんな新八に呆れる前に、ニヤリと口元が上がる。

「え~、どれどれ?」

「ちょっ!止めてくださいよ、銀さんっ!
僕、今マジでやばいんですからっ!!!」

ソロリと手を伸ばせば、新八が慌てたように逃げようとする。
だが、生憎痺れた足では逃げる事も出来ないようだ。

「いやいや、そんな事言われたら銀さんの
方がやばいからね、これ」

ニヤニヤと笑ったまま、ツンと新八の足を指で指せば、
途端に んにゃぁぁぁぁ!!!! と声を上げられた。

ちょ、何その鳴き声。
銀さんの心の方が痺れたんですけどぉぉ!!!!

再び指で突こうと近付くと、じわじわと新八が逃げ始めた。

「本当、止めてください・・・ってか止めろよ
このサディストォォォォ!!!!」

「よし、褒め言葉だな」

「褒めてねぇぇぇ!!!!本当、怒りますからね!
ってかもう怒ってますからね!!」

そんな事を言う新八は、顔を真っ赤に染めて
目をウルウルさせている。

「そんな顔して怒られても、嬉しいだけだから、銀さん」

「この変態ぃぃぃ!!!!!」

「うん、それも褒め言葉だな」

ニヤニヤ笑って新八の足をツンツン突く俺と、
なんとか逃げようとしながらも、怒鳴る新八。

 

 


「・・・何してるネ、そこのバカップル」

不意に背後から酷く呆れた声が聞こえ、ちらりと見てみれば
何処に居たのか、神楽が白けた視線をこちらに向けていた。


うん、それは最高の褒め言葉だ。

******************
ポジティブ坂田。 
ちなみに育つのはサド心と歪んだ愛(笑)

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どうやら目の前の少年は、何か凹む事があったらしい。


銀時は居間のソファから、ひたすら窓を拭き続けている
新八を見詰め、そう結論付けた。

や、だって拭く手に力入ってないからね。
溜息で窓が白くなりまくりだからね。


珍しく仕事が重なったので、俺と新八は別々に出掛けたのだが、
帰って来ると新八は少し・・・と言うかかなり凹んでいた。


これは、仕事で何かあったと言うしかないだろう。


そうは思うが、万事屋の家事を一手に引き受けている新八は
実はそんなに不器用でもない。

まぁ生真面目すぎて、他人から見れば不器用に見えてしまう
かもしれないが。
しかも機械に関しては本当に不器用なのだが。

しかし、今日新八に任せた仕事は、
閉店した店の掃除だった筈だ。

掃除とくれば新八の得意分野な筈だが・・・

「えっと・・・新八君?」

誰かを貶めるのは大得意だが、慰めるなんてあまりやった事がない。
って言うかほぼ皆無だ。
だが、相手が新八なら、そんな事は言っていられない。

少しばかりオドオドしながらも覚悟を決めて呼び掛けると、
同じ場所を何度も拭いていた手がピタリと止まった。

それを見て、ゆっくりとソファから立ち上がると、
頭を掻きながら新八の元へと足を進める。

何かあったのか?そう聞こうとしたが、その前に
ポツリと新八に名前を呼ばれてしまった。

「ん?なんだ?」

これは自分から話してくれると言う事だろうか。
新八の後ろに立ち、そう答えると一言。

「・・・バンザイして下さい」


「・・・はい?」


・・・一体この子は何を言ってるんだろう。
それとも何か?俺には判らない略語かなんかか?
あ、それともお通語か!?
・・・いや、その割には下系じゃなかったな・・・

突然の事に脳内変換が出来ず、呆然としていると、
ちらりと新八の視線がこちらに向けられた。

だが、直ぐに元に戻され、出された言葉が

「・・・バンザイ・・・」

・・・いや、だから何でバンザイ?

「・・・・・・・バンザイ・・・」

「あ~っ!バンザイ、バンザイなっ!
ほらほら、バンザ~イ」

段々と小さくなっていく新八の声に、慌てて両手を上げてみる。

ってかこれでこのバンザイじゃなかったら
とんでもなく間抜けなんですけど、この格好ぉぉ!!!!
・・・や、これ以外のバンザイなんて知らないけどね?

だが、どうやらこれで正解だったらしい。
俺が両手を上げたのをチラリと確認すると、体ごと
新八がこちらを向いてきた。

「・・・・・へ?」

それ同時に飛び込んでくる、柔らかい物体。

見ればギュウギュウと自分の背中に手を回し、胸元に顔を
埋めているまるっこくて黒い頭が・・・

って、あの、えっと・・・・・・
マジでか!?
ちょ、何コレ。本当にこのバンザイで合ってたの!?
や、これ以外銀さん知らないけどね!!?
でも、あの・・・えぇぇぇ!!!!!
なんか半端なく可愛いんですけどぉぉぉ!!!!!
ギュウギュウってか、ぎゅむぎゅむってか、
なんか超必死にしがみ付いて来てるんですけどぉぉ!!!

あまりの可愛さにクラクラするが、体は無意識に反応し、
俺の腕は抱き締め返す為に自然と新八の背中へと降りて行った。

ってか流石だね、俺の体。
脳みそが動いてなくても、最良の行動を取ってくれやがる。
よし、後で褒美として糖分摂らせてやるからなっ!

だが、その最良の行動は、再び新八から発せられた

「バンザイ・・・」

の言葉に、最後まで完遂する事は出来なかった。

ってかなんでまだバンザイィィ!!?
違うよね?ここはギュッと抱き返す所だよね?
ギュッと抱き締めて慰めつつ、ちょっと
セクハラしてもいい所だよね!?


「・・・・ハンザイ・・・」


「以心伝心!!?
ちょ、違うからね。これはただ単に疲れただけって言うか・・・」

しかし新八はそれを許してくれず、腕を下ろそうとすると
『バンザイ』の言葉を呟いてくる。

「えっと・・・あの、新八君?
実は銀さん、四十肩でこれ以上腕を上げていられないんですけど・・・」

そうも言ってみるが、ダメなようだ。
ツッコミすら放棄して、ひたすらギュウギュウとしがみ付いてくる。


本当、何があったんだか。

とりあえずこう言う場面で抱き返して貰う事を願うぐらい、
甘えてもいいのに。

どうやら目の前の子は、こんな所まで不器用に出来ているらしい。

 


でもまぁ、今は不器用なりにも甘えてくれてる事を
喜んでおくか。


苦笑を浮かべつつも、せめてこれぐらいは・・・と
高く上げていた手を一つ、目の前の小さな頭へと下ろす事にした。

うん、仕方ねぇからここから慣らしていこう。

**************
偶には甘やかす側に。

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晴れ晴れとした空の下、元気良く神楽ちゃんと定春が駆けて行く。
それに転ばないように声を掛け、僕と銀さんは大きな木の下に
腰を降ろした。

「気持ち良いですね~」

柔らかに頬を撫でていく風にそっと目を閉じ、そう呟けば、
隣から肯定の返事が返ってくる。

今日は天気も良いので、三人でお買い物だ。
だけどまだタイムサービスには時間があるから・・・と
川原へと寄り道してみた。

「・・・あ、つくしだ」

ふと見れば、腰を降ろした傍に、数本のつくしが生えている。
本当、もう春なんだな~・・・

「ってか夕飯にどうかな?」

「いや、排気ガスとかあるから無理じゃね?」

思わずポツリと考えたことが出てしまい、銀さんから突っ込まれる。

あ、そうか。ここら辺も車とか通る時があるから無理か・・・
う~ん、残念。
オカズが一品浮くかと思ったのに。

「っつうかオマエさ、ここは普通に春を感じとこうぜ?
常に感じている万事屋財布事情じゃなくてよ」

「常に感じてなきゃどうしようもないんですよ、
その事情は」

呆れた顔で告げてくる銀さんに、僕もシラッとした視線を返す。

あぁ、でも銀さんの言う通り、ちょっと切羽詰りすぎかな?
・・・ま、リアルに切羽詰ってはいるんだけどさ。

そう思っていると、ゴロリと横になった銀さんがチョイチョイと
下の方を指差した。
それにつられ見てみれば、ソコには楽しそうに花を摘んでいる
神楽ちゃんの姿が。

その光景に、やんわりと頬が緩むのが判る。

「そうですね・・・折角ですもん、偶には嫌な現実
忘れてゆっくりするのもいいですよね」

「そうそう。序に昨日パチンコですった金額も忘れてください」

「や、それは未来永劫確り記憶しておきますから」

きっちりと言い捨て、僕は後ろ手に手を付いて、空を見上げた。
その瞬間、そよそよとした風が体を撫でていく。

あ~、やっぱり気持ち良いや。

と、不意に手首に感じたくすぐったい感触。

なんだろうと視線をやれば、ソコには可愛らしい花が咲いていて。

「そう言えば昔、姉上がこう言う花で花冠を作ってくれました」

「へ~、結構そう言うの得意そうだもんな、オマエのネェちゃん。
今だって絶賛天使の輪っか作りまくってるし」

思わず一輪摘んで、そう言う僕に、肩肘を突いてこちらに
体を向けている銀さんが答えた。

「いや、あれは好きで作ってる訳じゃないですからね。
人の可愛らしい思い出を、
スリル満点な現実と比較しないで下さい」

とりあえず一言言ってから、そう言えばどうやって作ったっけ・・・と
首を傾げる。
そこで銀さんに聞いてみたが、どうやら銀さんも判らないらしい。

なんだ、折角神楽ちゃんがあんなに摘んでいるのだから、
作ってあげたかったのに。

「俺が知ってるってぇのは、せいぜい花占いぐらいだな」

そう言うと銀さんは、僕の持っている花へと手を伸ばした。

「確か・・・新八は銀さんの事が好き。大好き。
超好き。すっげー好き。
寧ろ愛してる・・・っておいおい、参ったね。
愛されちゃってるよ、銀さん」

「っておぉぉおいっ!!!違いますよね、
全然違ってますよね!?」

普通は『好き・嫌い』でしょっ!と言うと、
そんなありもしねぇ可能性は含めない。と言い切られた。

・・・や、全然有り得るから含めろよ。
寧ろ四分の三ぐらいの配分で。

「じゃあ、今日新八は泊まってく。連泊してく。
毎日泊まってく。
寧ろ引っ越してく・・・」

「最早占いでも何でもねぇぇ!!!」

だが銀さんは何処吹く風。
後は~・・・と呟いてうつ伏せになり、ゴソゴソと手元を動かした。

そして僕の名を呼ぶと、チョイチョイと手招く。

なんだろう・・・と不思議に思いながら近付くと、
銀さんは僕の左手を取り、そっと何かを指へと嵌めていく。

見れば僕の指・・・(しかも薬指!)には、可愛らしい花の
指輪が。

「春は恋の季節・・・ってね」

その言葉と視界に入るモノに、急激に頬が熱くなり
下を向いたところで、上半身を起こした銀さんの唇が

 ちゅっ 

と押し付けられ、僕の頬はますます熱さを増す事になった。


・・・花占いって案外馬鹿に出来ないかも。
*********************
春なのでイチャコラさせてみようと思ったら、
こいつらは季節関係なくイチャコラしてると気付いた。

拍手[5回]


 

「新八~、お風呂のお湯、OKネ」

「有難う、神楽ちゃん」

僕は神楽ちゃんの言葉に軽く顔を向けてお礼を述べると、
直ぐに目の前にある作業へと向き直った。

「おぉ!今日はちょびっと豪華ネ」

トコトコと台所に入ってきて僕の背中から顔を出す神楽ちゃんに、
少し苦笑がもれる。

や、確かにちょびっとだけどね。

でも確かに万事屋としては豪華な夕飯だ。
それと言うのも、珍しく入った仕事のお陰なのだけど。

本来ならそのお金は大事に使うべく、こんな風にしないのだけど、
入った仕事と言うのが大工仕事と言う力仕事な上、お一人様限定
だったりしたのだ。

そうなると、不器用な僕は外され、力はばっちりあるが
あり過ぎる神楽ちゃんも外される。

結果、銀さん一人が仕事に行く事となったのだ。

ちなみに期間は一週間で、今日がその最終日。

僕はご苦労様と言う気持ちを込めて、夕飯を奮発してみたりした。

・・・ま、ちょびっとなんだけどね、うん。

でも、既にお風呂もばっちりだし、お布団は干してフカフカだ。
割引商品だけど、デザートのプリンも買ってある。

これで少しは疲れが取れてくれるといいんだけどな~。

どうやらお一人様限定なのに、仕事量は限定解除だったらしい。
帰って来ては、夜飲みにも行かずひたすらゴロゴロダラダラしている
銀さんを思い浮かべる。

・・・あれ?ゴロゴロダラダラは何時もの事だっけ?

でもまぁ疲れている事には変わりないだろう。

現に珍しく気を使った神楽ちゃんに肩を揉まれ、
一瞬にして眠りに落ちていたから。

なんか白目剥いてた気がするけど、
多分銀さんは目を開けて寝る人なんだと
思うことにした。

そんな事を思っていると、玄関の開く音と、疲れきった銀さんの
声が聞こえてきた。

「あ、お帰り、銀ちゃん!」

その声に、神楽ちゃんが足早に玄関へと出迎えに行き、
僕も火を止め、銀さんを出迎える為に玄関へと足を向けた。


「あ~疲れた。ってか毟り取られたよ、銀さんの体力ゲージ。
何だアレ、色々と労働基準法無視してね?
とりあえず皆立ち上がるべきじゃね?あの労働環境」


いや、それをウチが言うなよ。
明らかに無視されてますからね、僕の労働基準法。


等と思ったものの、今回は突っ込まずにおいた。
そしてブツブツと言いながらブーツを脱いでいる銀さんに。
苦笑しつつも出迎えの言葉を告げようとしたその時・・・

「銀ちゃん、お風呂にするアルか?それともご飯?
それとも新八?」

僕よりも先に来ていた神楽ちゃんがにっこりと笑いながら
そう問い掛けていた。

「おぉぉぉおいっ!!!!
ちょ、神楽ちゃん!?何処で覚えてきちゃいましたか、
そんな台詞ぅぅ!!」

「何処ってこの間やったママゴトでヨ」

何処でやったママゴトだ。
って言うか対象年齢何歳のママゴトだ。

呆気らかんとした顔で答えてくる神楽ちゃんに、僕はガクリと肩を落とした。

うん・・・とりあえず今後暫く、ママゴトは禁止にしておこう。

「でもまぁ、一部間違っている部分がありますけど、
とりあえずどっちにします?銀さん」

そう、辛うじて前半部分は合ってはいるのだ。
仕事で疲れているだろうし、汗も掻いただろうから、
お風呂に先に入ってもらった方がいいのかもしれない。

どっちがいいか・・・と銀さんに聞くと、

「じゃあ新八」

と答えられ、何時の間に近くに来たのか、ギュッと銀さんに抱き締められた。

って、何処を一部の間違いに
認定しやがった、この天パぁぁ!!!!

慌てて離れようと銀さんの背中を叩いたが、銀さんは知らん振りで
スリスリと僕の首筋に鼻を埋めてきた。

そして首筋にかかる、長い吐息と、満足げな声。

「あ~、疲れがとれるわ、マジで」

その声に、僕は一瞬目を丸くするが、直ぐにやんわりと綻ばし、
離そうとしていた手で、そっと銀さんの背中を叩いた。

「・・・お疲れ様でした、銀さん」

そう言えば、お~。と、ますます力を込めて抱き締められる。

なんだかなぁ、この人。

抱き締められたまま苦笑していると、

「お疲れ様ネ、銀ちゃん」

と言う声と共に、ドンという衝撃が伝わってきた。
不思議に思い首を伸ばして見てみれば、
銀さんの背中に神楽ちゃんが張り付いていて。

「おいおい何だよ、大サービスじゃねぇかコノヤロー」

「序に肩揉みもサービスしてやるヨ」

「いや、それは本気で丁重にお断りさせて下さい」

真剣な声で答える銀さんに、僕も神楽ちゃんもニヒャリと笑った。


さぁ、この後は温かいお風呂に入れて、ちょびっと豪勢な夕飯を
食べてもらって、フカフカのお布団で寝て疲れを取ってもらおうか。

 

 

勿論オプションとして、疲労回復に効果覿面な僕ら付きで。

*******************
寧ろオプションが本命。

拍手[4回]


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