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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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一人、呑気にソファに寝転びながらジャ○プを読んでいると
大きな音を立てながら階段を上がってくる音がした。

どうやら買い物に行っていた新八達が帰って来たらしい。
ってかもう少しお上品に上って来れないもんかねぇ。
ババァにどやされっぞ。

そう思っていたら、案の定下から『うるせーっ!!!』と言う
怒鳴り声が聞こえた。
序に新八の謝る声も。

・・・やっぱりな。

何時もの事・・・と、再びジャ○プの世界に戻ろうとした所で
景気良く玄関の戸が開く音がした。

・・・や、だからお上品に開けろよ、オマエ等。
幾ら景気良く開けたって、その戸は壊れていくばかりだから。
景気、どんどん悪くなるから。

しかし、銀時の想いも虚しく、二人の足音(+一匹)はそのままの勢いで
居間へと向かってきた。


「ただいま帰りました~」

「工場長のお帰りネ。頭を垂れて出迎えるヨロシ」

「おぅ、ご苦労~。ってか、工場長はそんな偉くねぇぞ~」

「オマエもナ。このマダオがっ!!!!」

ジャ○プから顔を上げず、寝そべったまま二人を出迎えると、
神楽が銀時の腹目掛けて飛び掛ってきた。

そのせいで自然と銀時の口から無残な音が飛び出てくる。
新八は買い物袋片手にそれを見、一瞬気の毒に思うが、何時ものことか・・・
と、神楽に手加減するように一言だけ注意し、そのまま台所へと
消えていった。

「あ・・・愛が全然見えねぇ・・・」

っつうかどけ、神楽!!銀時は読んでいたジャ○プを放り投げ、
未だ人の腹の上に乗っかっている神楽を睨み付けた。
が、反対に睨み返され、ちょっとだけ怯む。

「・・・んだよ。酢昆布と言う名の給料ならねぇぞ?

「違うネ!銀ちゃん、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」

「はぁ?なんだ?行き成り」

神楽の突然の質問に、銀時は眉を顰めた。

「幾ら将来性のないマダオで、死んだ目をしててもぐらい
持っててもいいネ。
寧ろ夢ぐらい見てないと可哀想ヨ

おぉぉぉおい。なんか酷い事言ってない?
酷い事言ってる気がしないぃぃ!!?」

てか、なんでそんな事突然聞くんだよ。捲くし立てて来る神楽の頭を
軽く叩き、そう聞くとようよう神楽は質問の意味を話し始めた。

なんでも買い物帰りに真選組の連中に会ったらしい。
で、何時ものように神楽は沖田と死闘を繰り広げ、新八と土方は
それを見守っていたらしい。

・・・てか何時もの事ながら何やってんだよ、神楽も沖田君も。
そこは流れ弾宜しく偶然装ってヤッとけって、多串君を

で、頃合を見て新八が止めに入り、別れる間際に多串君が
新八に言ったらしい。


「そんなトコに居たんじゃ、将来真っ暗だぞ」


・・・と。
大きなお世話だコノヤロー。
自分の周囲を確認してからモノを言えってんだ。
それともそれを確認した上での捨て身の助言ですか?

眉を顰める銀時をよそに、神楽は興奮気味に話を続けた。

「で、ここに来るまでに新八と将来の夢について話してたネ」

勿論私はパピーを超えるエイリアンハンターヨ。そう言って笑う神楽に、
銀時は微かに口元を緩め、そうか。とその頭を優しく撫でる。
そして新八はなんて言ってたのか・・・と問い掛けた。

すると視線を上げ、少し首を傾げながら、神楽はその時の会話を
思い起こし、言葉を続けた。

「確か・・・道場復興とか言ってたけど・・・でもやっぱり
ココに居るんだろうな~って言ってたアル」

私もそうネ!ニシシッと笑う神楽に、銀時はむず痒いやら照れ臭いやらで
少しだけ乱暴に神楽の頭をかき混ぜ、今と変わんねぇじゃねぇか。
とぶっきら棒に告げ、放り投げたジャ○プへと手を伸ばした。

「そう!だから私言ったネ!新八はお嫁さん貰わないアルカって?」

神楽のその言葉に、銀時の体がピクリと反応する。
が、それに気付かず、神楽は言葉を続ける。

「そしたら新八、『いつかは貰うんじゃないかな?』って言ってたネ。
どんなのが良いか聞いたら、優しい人って言ってたヨ」

あの駄眼鏡、範囲広すぎヨ。ふ~っと息を吐き、オーバーアクション気味に
肩を竦める神楽に、銀時はジャ○プに視線をやり、興味なさ気に
相槌を打った。

「で、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」

興味津々と言った神楽の視線を感じながらも、銀時はジャ○プから
視線を移さず、

「・・・夢じゃねぇけど、決まった事ならある」

「何ネ?」

「優しい人に、俺はなる」

とだけ簡潔に答えた。

それに対し、神楽の視線が、冷たく、痛い視線に変わった気がするが
そんなもの構やしない。
っつうか、これは夢じゃなくて決定事項だから!
銀さん、優しい人になるから!!


そう思っていると、ポンポンと神楽に方を叩かれた。

「・・・ま、夢見るだけなら罪にはならないアルヨ」

「や、夢じゃないからね?」


本当だからね?
ちなみにもう一つはやっぱり害虫駆除だから。
危険な出会いは、確実に、木っ端微塵に
徹底的に潰していこう。
そしてウェルカム、ハッピーライフだ、コノヤロー。


銀時は手にしていたジャ○プを再び放り出し、ソファから身を離した。


「新ちゃ~ん、銀さん暇なんだけど、なんかやる事ある?」


そう言って台所に行ったら、物凄く驚いた顔に出迎えられた。

酷くね?銀さん、やる時はやる子よ?
で、誰よりも優しい人よ?

だから、夢でも何でも、銀さん以外の人を横に置くんじゃネーヨ。

銀時はそう思いながら、何れ迎える未来に向けて、
自称優しい笑顔をニンマリと浮かべた。

**********************
彼の夢は新ちゃんの真っ当な将来設計を潰す事(笑)

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夜も更けた頃、万事屋の一室には、銀時とその助手であり
尚且つお付き合いしている新八が仲良く並んで座っていた。

何時もなら帰宅している筈の新八が、珍しくも

「今日、泊まってってもいいですか?」

と言ってきたのだ。

何を今更。ここはオマエにとっても家だろうが。
一々断りを入れるんじゃねぇよ。

無駄に萌えるだけだから。

何時もならこちらからクドイほどお泊りを推奨しているのだ。
新八のお願いに、小さく、しかし力強く拳を握り締めた銀時であった。

・・・ま、その姿は物凄く冷めた視線でお子様二人から見られた訳だが。

だが、今日は新八からお泊り発言が出たのだ。
冷めた視線でもなんでも構いやしない。
幸せすぎるぜ、コンチキショー!!

・・・と、喜んでいた銀時であったが、何故か今では力なく肩を落とし、
新八の隣に座っている。


神楽は既に眠ってしまった。
(少しぐらい音を立てても起きてこねぇんだよな、うん)

明日幸い(?)な事に、仕事は入っていない。
(体が辛くても大丈夫なんだぞ、新八!)

時間帯も、恋人同士にとってはいい頃合と言えるだろう。
(なんか完璧じゃね?この状況!!)





なのに銀時はソファの上でションボリだ。

何故か。
理由は簡単。愛しの新八君が、テレビに釘付けなのである。

そのテレビの中では、新八の愛しのお通が映し出されていて・・・

 

・・・て、いやいや、違うから。
新八の愛しの~は銀さんだから。
俺達、付き合い始める前から、既に
夫婦認識されてたから!!

 

そうは思っても、新八の視線はテレビに一直線。
どうも、帰宅時間と見たかった番組が重なっていた為故の
お泊り発言だったらしい。

「全くさ~、男心を弄ぶ様な発言しやがって。
小悪魔か?小悪魔気取りか、コノヤロー」

力なく項垂れ呟くと、何言ってんですか。と、大変白けた声が
隣から発せられた。

「んだよ、盗み聞きとは失礼なヤツだな。
プライバシーの侵害よ?」

大体テレビはどうした。銀時はちらりと顔を上げながら、口を尖らした。
実は最初、なんとかこちらに意識を向けようと、色々と話しかけていたのだ。
けれどその方法は芳しい結果を齎す事無く、仕舞いには頭に張り手を
プレゼントされた。


・・・ま、その時は口だけではなく、
手も出していたのだけれど。


「こっちこそ、名誉毀損で訴えますよ?」

ちなみに今はニュースの時間なんで。新八の言葉に目を移せば、
確かに画面には気難しそうな顔のキャスターが何かを話していた。

「なんだ、終わったのか?」

期待を胸に問い掛けたが、いえ、この後また始まります。との答えに
再び撃沈される。

「っだよぉ。銀さん、期待に胸とその他を膨らませたのに~

「萎んじまえ、そんなもの」

嘆く銀時に、新八は呆れ気味の視線を向けると、今のうちに新しい
お茶を入れようと、二人分の湯飲みを持って立ち上がった。

「あ、ちょい待ち!!」

立ち上がる新八の手を掴み、銀時はそのまま抱き寄せる。
それに慌てたのは新八で、このままではもうすぐ始まるであろうお通が
見れなくなる・・・と、必死で抗った。

「わ~ってるって。始まったらちゃんと離すからよ」

銀時は小さく息を零してそう言うと、

「・・・だから今だけ。少しだけオマエを補給させろや、な?」

そう呟き、新八の髪の毛に頬を摺り寄せた。
新八は、そんな銀時の行動に小さく噴出してしまう。
それが聞こえたのか、銀時は んだよぉ。とイジケたように呟くと、
ギュウギュウと力任せに新八の体を抱き締めた。

「ちょ、痛いですって、銀さん」

「ば~か。銀さんの心の方が痛いんですぅ」

だからさっさと慰めろ。そう言う銀時に新八は自分の手をゆっくり上げ、
フワフワとした銀時の髪をそっと撫でた。

「もう、本当に寂しがりやなんだから。たった数時間の事なんですから、
それぐらい我慢して下さいよ。あんたとはずっと一緒に居るんだから」

ね?新八はクスリと笑い、顔の見えない銀時を見上げた。

「・・・オマエの事に関しちゃ、我慢は出来ねぇ・・・
大体お通と俺、どっちが大切・・・て、いやいや、この台詞はねーな。
ウザイ事山の如しだな、うん。いや、だけど・・・」

等と直ぐ近くから聞こえるくぐもった銀時の言葉に、新八は再度溜息を零した。

「あのね~、現実でこんなマダオ好きになったんですよ?
理想ぐらい大事にさせて下さい。」

ほら、そろそろ始まるから離して下さい。そう言ってペチペチと頭を叩かれ、
銀時は渋々その腕から新八を解放した。

「・・・今なんか嬉しい言葉が聞こえた気がすんだけど、
酷い言葉も聞こえた気がする・・・」

真実を言ったまでですよ。あ、始まった!!」

新八は銀時の腕から抜け出ると、画面に視線を移したまま元居た場所でなく、
銀時の膝の間へと腰を下ろした。

「へ???あ、あの新ちゃん?????」

突然の新八の行動に、今度は銀時が慌てる。
新八はワタワタと所在無げに振られる銀時の手を掴むと、そのまま自分の
腹へと廻し、ゆったりと広い胸に背中を預けた。

「銀さんのせいでお茶持って来れなかったんですからね?罰として
座椅子の刑です」

ちなみにオイタしたらお仕置きです。フフッと笑う新八に、
銀時は何か言おうと口を開けたが、結局何も言えず、
黙って熱くなった顔をその小さな肩へと押し付ける事しか出来なかった。

 


神楽は既に眠ってしまって。
(きっと今頃いい夢見てんだろ)

明日も幸い(?)な事に、仕事は入ってなくて。
(いや、今日も・・・てか一昨日も入ってなかったか・・・
すんません、明日は頑張ります)

時間帯も、恋人同士にとってはいい頃合と言えて。
(でもその恋人はテレビに夢中だったりするが・・・)

 

とりあえず、ソファの上で銀時は、幸せそうにニンマリ笑った。

********************
所詮ウチの坂田はヘタレです(笑)
 

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銀さんは最近、質問魔へと変身する。


今日も仕事がなく、仕方なしに部屋の掃除をしていると、
ソファに寝転んだ銀さんがボケッとこちらを向いていた。

なんですか?と問い掛けると、カクリと首を傾げ、

「新八はなんで掃除すんの?」

と聞いてきた。

「何でも何も、僕がしなきゃ誰が掃除してくれるって言うんですか!?」

少しだけムカつきながら答えると、いやいやそうじゃなくて。 と
手をプラプラと振る。

「なんで掃除すんのかな~と思ってよ」

だって結構綺麗じゃん。そう言ってチラリと周囲に視線を廻した。
それに僕は はぁ と息を吐く。

こう見えても埃って溜まってるんですよ?定春の抜け毛もあるし。
どっかの誰かさんが隠れてお菓子食べるから、そのクズもあるし。

一部棘を含ませて言うと、思いっきり顔を逸らされた。


・・・やっぱ食べてやがったか、この糖尿。


憎憎しげに思うが、チラチラとこちらを伺うように見てくる天パに笑みが
零れる。

だってまるで、怒られる寸前の子供のようだ。

「でもやっぱり一番の理由は綺麗になるからですかね?」

なんか空気まで綺麗になった感じしません?そう言うと、銀さんは顔を上げて
数回鼻を鳴らし、

「ん~・・・確かに?」

と呟いた。その姿がまた変に素直で、まだ掃除の途中だから空気は埃で
一杯ですよ
。・・・と言うツッコミは止めておいた。

 

 

ある日洗濯物を寄せていると、背後から銀さんが現れた。

「ね、なんで毎日洗濯すんの?」

僕の腰に手を廻し、肩に顎を乗せてそんな事を言うので僕は呆れてしまった。

「洗濯しなきゃ、汚れ物がたまるでしょ」

「や、でも毎日じゃなくてもよくね?」

手伝う気はないらしく、そのままの体勢で喋られるので、
擽ったくてつい笑ってしまう。

アンタね、シミを馬鹿にすんなよ、コノヤロー。
ついたのは仕方ないにしても、素早く的確に処置すれば、
結構綺麗になるもんなんだよ。って言うか、毎日着てるんだから
毎日それなりの量になるんです。
雨なんか降ったら、一網打尽なんだからな!?それに・・・

僕は手にしていたタオルをそのまま肩口にある銀さんの顔に押し当てた。

「洗濯したものって、気持ち良いでしょ?」

そう言うと、銀さんはその感触を確かめるように軽くタオルに顔を
擦りつけ、

「ん~・・・確かに」

と、気持ちよさ気に笑った。

 

 


ある日、夕飯を作っていると、ヒョッコリと銀さんが台所に顔を出した。

「もうすぐご飯だから、いちご牛乳は後にして下さいよ」

そう言うと、ムスッとした顔で ちげーよ。 と答えられた。
なら何の用だ。と、思っていると、隣に来た銀さんが僕の手元を覗き込んできた。
そして

「ね、なんで新八はご飯作ってくれんの?」

朝だって自分は食べてきたのによぉ。と、問い掛けてきた。
その問いと共に伸ばされた指をペシッと叩き、

「当番制にしても無駄だったからでしょう」

と、簡潔に答えた。すると銀さんは一瞬怯んだものの、

「だってオマエの味、好きだもんよ、銀さん」

拗ねたようにポツリと答えられ、こちらも少しだけ怯む。

アンタね、いつもいつも甘味が足りないとか文句言うくせに。
て言うか甘さ控えめは誰の為だと思ってんですか。
大体そんな事言って持ち上げたって、デザートとか出ませんからね!

僕の言葉にムッと口を尖らせ、ちげーよ、俺は・・・と話し出す銀さんの
口元に、ヒョイッと鍋の中から煮ていたジャガイモの欠片を菜箸で
押し込んだ。

「ちなみに今日のも控えめですけど」

どうです?と言う僕に、

「ん・・・確かに・・・」

でもやっぱ旨い。小声で呟いた銀さんの言葉に、僕はそっと笑みを浮かべた。

何時も美味しそうに食べてくれるから。
偶にそう褒めてくれるから。

僕のご飯を作る理由は、そんな理由。

 

 


「て言うか、なんで一々そんな理由聞いてくるんです?」

ある日僕は銀さんに聞いてみた。
まるで子供が不思議がって色々と聞いてくるアレみたいだ。

反応が面白いけど、ちょっとウザイ

すると銀さんは恥ずかしそうに口を尖らし、少しだけ視線を落とした。

「仕方ねぇじゃん、気になんだもんよ」

なんでこんな事してくれんのかな~。どこまで、何時までしてくれんのかな~。
って。そうボソボソと呟く銀さんに、少し呆れる。

そんな事を思ってたのか、この天パ。

僕は一つ息を吐いて、その答えを銀さんに向けた。

「そんなの、ずっとに決まってるでしょ。て言うか、家の事するのに
大層な理由なんてある訳ないでしょうが」

「へ?あ・・・あぁ、そっか」

僕の言葉に、銀さんは視線をウロウロと彷徨い始めた。
なんか顔赤い気が・・・少しだけ気になったけど、構わず
言葉を続けた。

「ま、銀さんが進んでやるとか、お嫁さん貰うとか、
そうなったら別ですけど。」

そういう予定、あります?と聞いたら、凄い勢いで首を振り、否定された。

ばっ!坂田ファミリーこれで最終形態なの!!
そんな予定は皆目ございませんから安心しろや、コノヤロー!!!」

や、安心できねーよコノヤロー。

いい年して予定がないってなんだそりゃ。と思ったものの、ホッとしたのも
事実なので黙っておく。

・・・あれ?なんでホッとしたんだろ、僕。

自分の事なのに判らなくって、少し首を傾げる。
すると、反対側のソファに座っていた銀さんが、僕の隣までやって来て
腰ほ下ろした。
そして僕の肩にコテンと頭を乗せてくる。

「な?それじゃオマエ、ずっと銀さんと居てくれるって事でOK?
ずっと傍で世話してくれんの?」

銀さんがおずおずとした視線を投げかけつつ、そう言ってくるものだから、
僕は自分の疑問をとりあえず脇にどかした。

「家族ですからね。も~当たり前な事聞かないで下さいよ」

アホですか、アンタは。笑ってそう言うと、銀さんは頭を下げて僕の肩に頬を摺り寄せた。
でも、やはり銀さんも同じように笑ったらしい。
微かな振動が肩から伝わり、

「確かに」

銀さんの嬉しそうな声が聞こえた。

・・・ま、こんな銀さんを見れるのなら、少しぐらいウザくてもいっか・・・


そして僕は、その後も度々回答者へと変身する事となる。

*******************************
坂田、ちょっと自覚ありな銀→新

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その日珍しく仕事があり、帰りが遅くなったので泊まっていってもいいか
と銀さんに聞いたら、微妙な顔をされた。

いつもならこっちが引くぐらい泊まっていけと言うのに・・・

少し変だな。とは思ったものの、時間帯が遅かったのもあるだろう、
仕方ねぇか・・・とばかりに渋々了承してくれた。

・・・変な銀さん。

そうは思ったものの、疲れているのも確かなのでさっさと休みたい。
疑問は明日、元気な時に解き明かそう。と、風呂を沸かし、
順々に入ってもらった。

最後に僕が入り、出てきた時にはもう神楽ちゃんは眠っていた。
何時もならまだ起きている時間だが、やっぱり疲れてたんだな。
僕も早く休もう・・・と思ったんだけど、銀さんは居間のソファに
座ってボンヤリしていた。

銀さんも疲れているだろうに・・・と不思議に思い、声を掛けると

「ん~、一杯ひっかけてから寝るわ」

オマエは先に寝てろ。と言うので、呑み過ぎないように注意をし、
お言葉に甘えさせてもらった。

 

どれくらい時間がたったのだろう。
不意に目が覚め、僕は辺りを見回した。
まだ部屋の中は暗く、まだ寝られそうだ。
再び目蓋を閉じ、眠ろうとした所で、何かの声が微かに聞こえてきた。

声・・・というよりこれは・・・お経??

野太い男の声で聞こえてくるその音に、瞬間鳥肌が立つ。

だってこんな時間帯に、そんなモノが聞こえてくるなんて!!

慌てて隣に寝ている筈の銀さんを見れば、そこには主のいない布団が。
僕はサッと血が下がる音を聞いたような気がする。

だって銀さんはお化けとかそう言うものが大っ嫌いなのだ!
なのにこんな夜中に、こんな声を聞いてしまったら!!

僕はそれまでの恐怖を忘れ、布団から飛び出した。
そして銀さんの名を呼びながら、和室を出ると・・・

「あれ?どったの、新ちゃん」

寝る前と同じ格好をした銀さんが迎えてくれた。

・・・いや、テーブルの上にあるお酒のビンとコップが増えているか・・・
てか、呑み過ぎるなって言ったじゃないか!
なんだ、その赤い顔は!!

安心と怒りに、僕はカクリと肩を落とした。
それが不思議だったのか、銀さんは微かに首を傾げる。

どうしたのじゃないですよ。と言い掛けたその時、再びお経のような声が
聞こえ、僕は体をビクリと震わせた。
そして辺りを見回すが、ドコにも音の発生するような物はない。
テレビだって消えてるし・・・てか、銀さんは!?

慌てて見ると、キョトンとした顔で僕の方を見詰めていた。

もしかして、これが聞こえてるのって僕だけ?

そう考え、恐怖に固まっていると、

「あぁ、オマエにも聞こえてたのか・・・」

と銀さんが呟き、コイコイと指先で僕を呼んだ。
その表情がとても柔らかく、僕は足早に近寄ると銀さんの腕にしがみ付いた。

「こ、これって何ですか!?」

恐る恐る聞いてみると、銀さんはお酒を一口飲んだ後、

「念仏って言うらしいんだわ、これ」

そう言って、僕の頭をポンポンと撫でてくれた。
その手の優しさと、銀さんの柔らかい表情から、固まっていた僕も
段々と和らいでいくのを感じた。

だってお化け怖い人がこんなにのんびりしてるんだもん、
違うものだよね、これ。
・・・って言うか念仏って?

僕の疑問が判ったのか、銀さんは僕の頭を撫でながら言葉を続けた。

「地方のお盆の習慣らしくてな、初盆を迎えた家へ笛やら太鼓やらを
持った集団が行って供養する事らしい。
庭先で歌枕に合わせて踊るんだと」

で、今聞こえてるのがその歌枕なんだろ。銀さんにそう説明され、
僕は耳を澄ませてみた。
確かに聞きようによっては歌に聞こえるかも知れない。
けど、それがなんで今?

「その地域ではな、七月がお盆なんだわ」

「そうなんですか・・・でもなんでそれが今、ここで聞こえるんです?」

そう聞くと、銀さんはヘニャリと泣きそうな顔で笑った。

「・・・昔の知り合いでな、その地方のヤツが居たんだよ。
そいつはそれが好きらしくてな、近くに来る度見に行ってたらしい。
しかも最後には菓子とかも配られるだと!いい習慣じゃねぇか。
だからよ、その話を聞いた時、見てみてぇなぁ。って言ったら、
是非一度見に来てくれって言われてな」

結局、まだ見に行ってないんだけどよ。銀さんはそう言うと視線を上げ、
窓の外へと向けた。

「何時ごろからか、毎年この日になると歌だけ聞こえてくる
ようになったんだよなぁ」

ったく、律儀にも程があらぁ。そう言って笑う銀さんに、僕は
それ以上何も聞けず・・・

ただ、今ではない、ドコカを見詰めているその視線が
これ以上離れていかないよう、しがみ付いた腕にギュッと力を込めた。

*********************
念仏は私の地域の習慣です。
てか、夜中に聞こえてくるとマジで怖い(笑)
けど、つい見に行ってしまいます。
ちなみに今隣の家に来たので、これから行って来ます。

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その日、雨音と共に何時もの声が銀時の意識の中へと入って来た。
それがまた心地よくて、銀時の目蓋は開こうとしない。


「銀さん!も~、起きてくださいよ!!」


半ば呆れが混じった声と共に体を揺すられるが、それすらも心地いい。

「ん~、わりぃ、後五分・・・と言うか一時間
いや、寧ろ半日と言うか好きなだけぇ・・・

って制限ないな、おいぃぃ!!もう、朝ごはん神楽ちゃんに
全部食べられても知りませんからね!」

ムニャムニャと言葉を口にして、ゴロリと寝返りをうつ銀時に、新八は
最終通告を告げると、軽く銀時の額を叩いて立ち上がった。

新八が離れていく気配に、銀時はチラリと目蓋を開ける。


あぁ、心地良いものの一つが行っちまう・・・


って言うか朝ごはんなしはつれぇなぁ・・・と思った所で、あるモノが
銀時の視界に入った。
その瞬間、それまで閉じたり開いたりしていた銀時の目蓋がカッと開かれ、
布団を抱き締めていた腕が、ソレを目掛けて勢い良く伸びた。

「って、ぅわっ!!!!

銀時の手がソレを掴んだ瞬間、新八の体がバランスを崩して
転びそうになり、慌てて両手をついた。

「ちょっ!行き成り何すんですか、アンタ!!!」

なんとか顔面を強打する事を防いだ新八が、四つん這いになった状態で
振り返ってみれば、そこには自分の足をガッチリと掴んで凝視している
銀時の姿が。

「・・・なんなんですか、アンタ」

自分の足を見詰める真剣な表情に、新八は心も体も引きそうになったが、
銀時に掴まれている為、それも出来ず。
寧ろ引き寄せられそうになって、新八は少しだけ慌てて体を反転させた。
そして腰をどっしりと落とし、それ以上引き寄せられないよう
手を突っ張る。

「銀さん?あの・・・寝惚けてます?」

その状態で恐る恐る問い掛けると、漸く銀時の視線が足から新八の
顔へと移った。

「・・・何、コレ」

「何って・・・僕の足です」

銀時の質問に、新八は半目で見返し、次の瞬間ハッと目を見開いた。

「銀さん・・・もしかして糖尿で目が・・・っ!!!」

「いや、判ってる、見えてるから、ちゃんと!
だからそんな真剣に哀れみの篭った目
で見ないでくれるぅぅぅ!!?

「なら、なんなんですかぁ~」

もう、離して下さいよ。先程とは打って変わった呆れ顔で
新八は掴まれた足をプラプラと揺すった。

銀時はその足をもう片方の手も出してがっちりと掴み、

「なんなんですかじゃねぇんだよ!なんで裸足?足袋は??
裸足の女神気取りかコノヤロー!!!銀さん的には
女神ってぇより天使だけどな、新ちゃんは!!!

「怖いよ、その思考!!!そんなオッサン脳内妄想を突然
曝け出さないで下さい!」

「いや、合ってるから。世間的に見ても
そんな感じだから、新八は!

そんな世間評価いらねぇよ!もう、は~な~せ~!!」

熱く語る銀時の頭に、新八は掴まれていない足を本能のまま
思いっきり振り下ろしたのであった。

 

 

「で、どったのよ、足袋」

綺麗に踵落としが決まった筈なのに、未だ銀時の手は新八の足から
離れない。
それでも先程よりは掴まれている力が弱くなったので、新八は後ろ手を
着いて溜息を零した。

「・・・雨ですよ、雨。
ここに来るまでに結構塗れちゃったんで、脱いだんです」

それだけですよ、気が済みました?そう言って、布団にうつ伏せで寝転んだまま
自分の足を掴んでいる銀時を見やった。
銀時は新八の言葉にちらりと視線を上げ、 あ~、成る程ねぇ。と納得した。

確かに雨音が激しく聞こえる。
これでは幾ら傘をさしても、濡れてしまうだろう。
その上新八は草履を愛用している。
雨降りには不向きな履物だ。

「銀さん、本当、そろそろ離して下さいよ。神楽ちゃん起こしてこなきゃ」

って言うかなんでそんなに気になるんですか?不思議そうにコトリと首を
傾げる新八に、銀時はニヤリと口元を上げた。

「・・・その顔、朝に相応しくないですよ、控えてください」

新八が嫌そうにそう言うと、銀時は いやいや と頭を軽く振り、

「新ちゃんには負けるって。も~、銀さんびっくりだよ」

そう言いながら、ツウッと新八の足の指を撫でた。

「目ぇ開けたら普段見れない部分が見えてんだもん、
や~らし~ったらねぇなぁ、おい

「なっ!!!何言って・・ちょ、舐めないで下さいよ!そんなトコ!!!」

「あ~、もう本当、やらし~」

「どっちがだぁぁぁぁ!!!!!」

 


その日、万事屋の日常生活が始まったのは、何時もより数時間遅れた
昼過ぎで、新八の普段の持ち物に、予備の足袋が加わったのは言うまでもない。

***********************
歩き方が下手なのか、滅茶苦茶濡れます、足元。
って言うか起きて目の前に新ちゃんの素足があったら、
どんなに眠くても抱え込みます(←本能で生きてます)

拍手[3回]


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