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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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それなりに人生を送ってきた俺は、その年数にしては
色んな場面を経験してきた方だと思う。

けれど、そこは持って生まれた才能か、それとも培ってきた経験ゆえか、
それなりに上手いこと潜り抜けてきたりした。

・・・が、これは一体どうしたらいいものか。

坂田銀時、ちょっとピンチです。

 




 


それは呑んで帰って来た時の事・・・つまり今から少し前の事なんだが、
ほろ酔い気分で帰って来た俺に行き成り降りかかってきたのだ。

困った事が。

日付が変わる前だと言っても、既に夜中だ。
少し大人しめに玄関を開け、帰って来た事を告げたのだが、
誰の声も返って来ず、俺は小さく首を傾げた。

神楽はもう寝ているとしても、本日お泊りの新八は起きている筈だ。
もしかしてお怒りか!?と、些かおどおどと居間へと向うと、
ソコにはソファで項垂れていた新八が居た。

「・・・新八?」

寝ているのかと小さい声で呼び掛けてみると、新八は
ビクリと肩を震わせた。

なんだ、起きてんじゃねぇか。
んだよ、無視か?それともやっぱお怒りか?

俺はソロソロとソファに近付き、後ろから恐る恐る新八の顔を
覗き込んだ。
すると、ソコには目に涙を溜め、唇を噛み締めている新八が・・・

「って何々!?どうした新八!!」

誰かに苛められたのか!?
まさかセクハラでもされたのか!?
それとも寂しかったのか!!?
あ・・・もしかしてどっか痛いのか?

俺は慌ててソファを飛び越え、新八の前へと跪くと膝の上で固く握られている
新八の手を握り締め、そう矢継ぎ早に問い掛けた。

それに新八緩く首を振って答えた。

「・・・本当か?何かされたならちゃんと言えよ?
銀さんが軽~く生れ落ちたことを後悔させながら、
命がある事心底後悔させてやるから。
痛いトコがあったらそれも言えよ?
ちなみに寂しかったってんなら何も言わなくていいから
黙って銀さんの所に飛び込んで来なさい」

念を押すように再度繰り返すが、新八はそれにも首を振った。

・・・いや、寂しくなくても飛び込んできてくれて良かったんだけどね。

しかし、今はそんな事言ってる場合ではないだろう。
新八に何時までもこんな顔をさせておけない。

俺は優しく握っていた手を摩ると、やんわりと新八の名前を呼んだ。
そしてその後、理由を聞こうとした所で、新八の口が小さく開くのを見た。

が、声は小さくて俺の耳まで届かなかった。

「ごめん、ちょっと聞こえなかった。もう一回言って?」

そう言うと新八はギュッと一回唇を噛むと、辛そうに眉を寄せて
ごめんなさい。 と謝罪の言葉を吐き出した。

しかし、漸く口を開いてくれたものの、やはり俺には
何故謝られるのか判らない。
何も言葉を返せずに居ると、再び新八の口が開かれた。

「これ・・・汚しちゃって・・・」

俺の手の下、新八の手に力が入ったのを感じ、視線を落とせば
ソコには見慣れた着流しが・・・

途切れ途切れに話す新八の言葉を要約するならば、
晩御飯の時、神楽が味噌汁を零してしまい、焦りつつも
神楽が取ってくれた布で拭いた所、それは俺の着流しであった・・・と。

「急いで染み抜きしたんですけど、まだちょっと染みが残ってて・・・」

と、酷く申し訳なさそうに言う新八に、俺は あ~。 と声を上げた。

そう言えば呑みに出掛ける時に、今日は少し汗を掻いたから・・・と
着替えた覚えがある。
しかもちゃんと籠に入れろって言う新八の声を無視して
そこら辺に脱ぎっぱなしにした記憶が・・・


「・・・でもさ、ホラ。そんなに目立たねぇぞ?」

とりあえずそんな事を言ってみる。
確かによく見れば判る気がするが、そんなに気にする程でもない。
ってか元々汚れてたしな、これ。

そう思うが新八は納得していないらしい。
フルリと首を振り、

「でも残ってます」

と、きっぱりと言い放った。

「いやでもさ、そもそもこんな所に脱ぎっぱなしにしてた銀さんも
悪いんだし・・・」

「ちゃんと確認しなかった僕が悪いんです」

またもやきっぱりと言う新八に、俺は少し困る。

だってよ、新八、そんな悪くなくね?
渡されたらそれで拭いちまうって。
それに、きちんと染み抜きだってしてるしさ。
反省なんか滅茶苦茶してんじゃん。

きっと神楽が寝た後も、必死になって洗って。
でも納得出来る状態にならなくて。
どうしようどうしようってグルグルなって。
仕舞いには涙まで出てきそうになっちゃった訳だろ?

大体、元々新八の言葉を聴かず、そこら辺に脱ぎっぱなしにしてた
俺も悪いと思うわけよ。

・・・でも、そう言っても新八は納得しねぇんだろうなぁ。
変な所で意固地なんだからよ。
ま、そう言う所も可愛いんだけどな!

けど、何時までも新八に辛そうな顔をさせておけねぇ。
かと言って怒るのも・・・なんか違う気がすんだよな。
ってか怒れねぇしな、こんな可愛い生き物。

だって涙目だぞ!?
小さな唇、キュッと噛み締め中だぞ!?
俺の着流し、握り締め中だぞ!?


怒れねぇ。
これはSモード全開の銀さんでも
怒れねぇよ!!



神楽とかなら頭引っ叩いて終わりなんだけどな~、
どうしたもんだか・・・

そう悩んでいると、新八が再び ごめんなさい。 と告げてきた。

俺はそれに小さく息を吐いて覚悟を決めると、少しだけ強めに
新八の頬を両手で覆った。
そして視線を俺のと合わせると、

「めっ!!」

と、短く怒りの言葉を吐き出した。
その瞬間、新八の目が真ん丸く見開かれる。

うわ・・・なんか本当に零れ落ちそうだぞ、おい。
ってかちょっと間抜け顔だ。

俺は小さく笑いを零すと、そのまま新八の頬を覆っていた手を上げ、
その上にある丸っこい頭を勢い良くかき回した。

「うわっ!ちょ、何すんですか、銀さん!!」

新八が慌てて俺の手を払いのけようとするので、俺は
軽く頭を叩いてその手をどけた。

「は~い、お説教終わり~。それよか新八、銀さんちょっと
小腹が空いちゃったんだけど?」

何かない?訳が判らない・・・と言った感じでこちらを見ている
新八にそう告げ、俺は立ち上がって新八の隣へと腰を降ろした。

「や、確か少しご飯が残ってた筈ですけど・・・」

俺の言葉に呆然としていた新八がそこまで言い、不意に言葉を切る。
何だ?と視線をやれば、ソコには俯き、小さく肩を振るわせる
新八の姿が・・・

え、ウソ!やべ、泣かしちまった!!?

だが、それは違ったらしく、次にクスクスと言う笑い声が聞こえてきた。

おいおい、さっきまで泣きそうだった子は
何処のどなた様ですか、コノヤロー。

柄にもない怒り方をしてしまった恥ずかしさもあって、俺は
つい唇を尖らしてしまう。
が、そんな態度も笑いを増長させるだけだったらしい。

声を出して笑い出す新八の頭を、俺はもう一度かき回すと、
そこから逃げ出すように新八がソファから立ち上がった。

「ごめんなさい、銀さん。お茶漬けでいいですか?」

笑ってそう言うと、新八は着流しをその場に置き、台所へと
消えていった。

残されたのは、些か不満気味な俺と、少しだけ染みの残った着流し。

「・・・ま、アレだ」

泣き顔なんぞより、笑っててくれた方が断然いい。
その為なら柄にもねぇ事でもするし、言う事も聞くさ。

「でもあの怒り方はなかったかな~、でも他にねぇしなぁ」

俺は頭を悩ませながら、とりあえずこんな事がもう起きないように
脱いだものはきちんと籠に入れる事を固く誓った。

*****************
OPの歌う新ちゃんを怒る坂田が、どうしても「めっ!」って
言ってるようで仕方ありません。

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その日、新八は買い物から帰ってくる道沿いで
黒い煙と半壊した建物、そして黒い制服の団体を目にした。

・・・またか・・・

既に大江戸名物になりそうなこの光景に、新八は呆れ半分で
目をやっていると、黒い団体の中からヒョコリと見慣れた顔が
出てきた。

「あ、新八君!こんにちは~、買出しの帰り?」

いい物ゲット出来た?ニコニコと笑いながらこちらに近付いてくる
山崎に、新八も挨拶を返すと、持っていた袋を軽く上げた。

「えぇ、無事タイムサービス品をゲット出来ました。
・・・所でこれは・・・」

そう言って目の前の建物に目をやると、山崎が苦笑を浮かべ、
頭を掻いた。

「いや~、桂がこの辺に出没するって情報があってね?
はってたら本当に現れて・・・」

「じゃあこれ・・・」

桂さんが?と目を見開く新八に、山崎は深く溜息を零すと、

「捕まえようと沖田隊長がバズーカふっ飛ばしました」

と言ってカクリと肩を落とした。
それを聞き、新八は頬を引き攣らせる。

テロリストより街を破壊してどうすんだよ、
対テロ組織。

そんな事を思うが、それこそ今更なので、もう突っ込まない。
その代わり、気になっていた事を山崎に尋ねた。

「で、捕まえられたんですか?」

「い~や、相変わらずすばしっこいヤツでしてねィ。
アソコで平然としてまさァ」

何時の間に近くに来ていたのか、沖田が飄々とした表情でバズーカを
背負い、遠くの方で幾分黒焦げになりながら隊士達に指示を飛ばしいてる
土方を指差した。

「・・・て、アンタは一体誰を捕まえる気なんですか」

「そりゃ~勿論桂でさァ。土方さんは捕まえるより
し止めたい方なんでねィ」

人生、常に一石二鳥狙いでさァ。そう言う沖田に、山崎と新八は
揃って息を吐いた。

「なんでィ。一応今日は本気で狙ったんですぜィ?
試してみたい事もあったんでねィ」

「それはどっちを・・・て、まぁいいです。なんか答え、
判りすぎてるんで」

聞きかけて止める新八に、隣の山崎も頷く。
そしてもう一つの部分に気付き、新八は首を傾げた。

「って、試したい事ってなんですか?」

そう聞くと、沖田は一瞬目を見開き、次にニヤリと口元を上げた。

 

 

 

 


「ただいま帰りました~」

荷物を抱え万事屋へと戻ると、見慣れない履物が玄関にあるのを見つけた。

まさか依頼人!!?

逸る心を押さえ、居間へと行ってみると、ソコには依頼人とは
真逆の人物
がソファに座っていた。

「おぅ、お帰り~」

ダルそうにソファに座り、片手を挙げて新八を迎える銀時と、

「お帰り、新八君」

銀時とは反対のソファに座り、頭をこちらに向けてくる指名手配犯、桂。

新八は何か言いたくなったが、言葉にする前にそれは溜息へと変わり、
大きく肩を落とすだけとなった。
 
もう突っ込むだけ、無駄なような気がする。

新八は荷物を抱えなおすと、今お茶入れますね。 と告げて
台所へと向った。

 


「見ましたよ、桂さん。また派手にやりましたね~」

お茶を桂の前に出しながらそう告げると、銀時が僅かに眉を寄せた。

「何よ、またなんかやったのか、お前」

「いや、実際やったのは真選組ですけどねι」

桂は入れてもらったお茶に一口、口をつけると重々しく頷いた。

「その通りだ。全く、こっちは普通に散歩をしていただけだと言うのに
急にバズーカを撃ってきてな」

「・・・おい、新八。この場合どっから突っ込んどくべき?」

「流していきましょう。
けど結構な爆発だったみたいなのに・・・汚れ一つないですね」

「ふっ・・・あれきしの事で無様な姿を晒す訳がなかろう」

「既にお前の頭が無様な事になってっから気にすんな。
ってかいっその事、その頭も無様にアフロってこい」

「無様とはどう言うことだ!!それを言うならお前の頭は
常に無様だろうが!!」

「ばっ!俺のはなぁ、少しだけやんちゃなだけですぅ。
少しぐらい反抗期をやっといた方が、将来的にいい子になるんですぅ。
それで言ったらお前はアレだな。
いつか新聞に載るような子になるな、絶対」

「いや、もう桂さん、新聞に載りまくってますからね?」

と言うか・・・新八はそう言うと、じっと桂を見詰めた。
その視線に気付いた桂が、少しだけ眉を上げる。

「どうかしたか?」

桂の問い掛けに、新八は自分がじっと桂を見詰めていた事に気付き、
慌てて手を振り、謝罪の言葉を出し、恥ずかしそうに
笑みを浮かべた。

「えっと・・・ある話を聞いちゃいまして・・・
で、ちょっと気になっちゃって・・・」

新八の言葉に、銀時と桂が首を傾げる。
そして視線で続きを促すと、新八は言い難そうに言葉を続けた。

「なんか噂になってるみたいなんですよ。ほら、桂さんとか
神出鬼没じゃないですか、だからその・・・」

「その?」

「えっと・・・なんか桂さんの髪を触ると、
将来禿げない
・・・とか、キューティクルが復活するとか・・・」

段々と小さくなっていく新八の言葉に、桂は呆け、銀時は
盛大に笑った。

「な・・おまっ!それ、都市伝説並みのお呪いじゃねぇか」

そう言いながら身を乗り出し、桂の肩を勢い良く叩く銀時。
桂はそれを振りほどくと、ソファから立ち上がった。

「ってさり気なく髪を触るな、銀時ぃぃ!!!」

「あ?触ってません~、ちょっと触れただけですぅ。
だってアレよ?お前ヅラよ?
そんなお呪い、効くわけねぇだろうが。
って事でアレだ。念の為髪一本寄越せ。
寧ろワサっと寄越せ」

「思いっきり信じとるではないか!!
大体なんなんだ、その噂は!!」

憤る桂に、新八は苦笑すると、あくまで噂なんですけどね。と言い、
視線をチラリと上にあげた。

「あとは・・・高杉さんを見ると色気が増す・・・とか、
その着物の柄にある蝶を触ると妊娠確実!・・・とか。」

新八の言葉を聞き、銀時は立ち上がると力強く新八の腕を
掴み、桂へと視線を向けた。

「よし!ヅラ、今すぐ高杉の居場所を教えろ!
新八にベッタベタ触らせるから!!」

「ちょ!!なんで僕が触らなきゃいけないんですか!!」

「いや、銀さんはいいんだけどね?やっぱり既成事実作っちゃった方が
話が進めやすいというか?」

「だからなんの話ぃぃぃ!!?
どんな風に僕の将来進めさせる気ですか!!」

「その前に誰がそんな話を流しているのだ!!
高杉は兎も角、俺はそんなUMA的な存在ではないぞ!!」

「テメーは違っても、何時も一緒に居るヤツが
既にUMAだ。
そんな事より高杉だよ、高杉!!早く居場所調べて来い!!」

新八を引っ張る銀時に、頑張って踏ん張る新八。
そしてそんな二人に詰め寄る桂。

騒々しい万事屋に、真選組が押し寄せてくるまであと少し・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そう言えばもう一つ噂があるんですよ。
真選組が歩いた場所には草一本生えないってやつ・・・」

買い物帰りに見た建物よりはマシ・・・といった状態の万事屋で、
ポツリと新八が呟いた。
それを聞き、銀時が肩を落とす。

「・・・それ、噂でもなんでもねぇだろ。てかどうすんだよ。
ヅラのヤツにまだ高杉の居場所、聞いてねぇってのによぉ」

「まだ言うかコノヤロー!!!!」

「あ、それとも手っ取り早くチャレンジし続けてみる?」

「ぎゃ~!!お巡りさん、戻ってきてぇぇぇ!!!」

***********************
って事で馬鹿話、イエ~イ☆(おいι)
蒼さん、こんな感じの都市伝説は如何でしょう(笑)

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今日は用事があったので、午後から万事屋に行きました。

・・・まさかまだ寝てるって事はないよね。
ありそうだから怖いんだけど、あの人達。

幾分ドキドキしながら玄関に手を掛けると、ちゃんと開いてたので
少しだけ安心した。

うん、起きてはいるみたいだ。

「お早うございま~す」

ってもうお早うって時間じゃないけどね。
まぁある意味合ってるだろう。

僕は玄関に上がりながらそう挨拶すると、居間の方からも
挨拶が返って来た。

・・・ダルそうなのは何時もの仕様なのか、起きたばかりだからか
悩むところだ。

とりあえず居間へと顔を出すと、ダラリとした銀さんがソファで
ダラけていた。

「あれ?神楽ちゃんは?」

「おいおい、来て第一声が神楽ですか。
銀さんへの愛の言葉はどうしたんですかぁ?」

「ちゃんとご飯、食べました?」

「おいぃぃい!!!無視ですか!
銀さんの言葉は無視ですかぁぁ!!?」

あ、いやでもご飯の心配してるって事はある意味愛からか?
とか世迷いごとをほざきながら、銀さんは首を掻き、体を起こした。

「神楽は遊び行ったよ。で、ご飯もきちんと食べましたぁ。
ったく、心配なら勝手に用事作んじゃねぇよ。
寧ろ万事屋から出てくんじゃねぇよ」

「何ですか、軟禁宣言ですか、それ。」

呆れてそう返すと、銀さんはピクリと眉を動かし、顎に手を当てて
黙り込んでしまった。

なんか アリか?ん、アリだなソレ。なんて言葉が聞こえた気がしたけど、
多分幻聴だ。
ってか蟻が居たんだな、きっと。
もう、銀さんが甘いモノばっか食べてるからだよ!

でも何も言わずに僕は台所へと向った。

いや、本当なら文句の一つでも言う所だけどね。
今日は何時もより時間がないから。
きっと後片付けとかもしてないからね、あの人達。
だから構ってられないだけだから。
僕の第六感もそれが正しい!って言ってるから!!

で、台所へ行って見れば案の定、食器がそのまんまにしてあった。

・・・ま、いいけどね。
今日の僕は寛大だ。
ってかちょっと有難う、ずぼらな性格達。
だってまだ少し居間へと戻る時間が欲しいしね。
アソコ、今ちょっとおかしな人が居るから。

何時もよりゆっくり丁寧に食器を洗い、お茶を持って居間へと
戻る。
そこにはまだ何かを考えている銀さんが居た。

・・・何をソコまで真剣に考えてやがる!!と突っ込みたいけど
止めておく。

その代わり、ちょっと雑に湯呑みを置くと、和室へと足を向けた。

昨日の夜のウチに洗濯、干しといたんだよね。
もう乾いたかな?

「ってまた!!」

襖を開けた瞬間、入ってきた光景に、僕はキッと銀さんを振り返った。

「銀さん!起きたら布団上げてくださいって何時も言ってるでしょ!」

全くダラシないったら!!そう怒ると銀さんは頭を掻きながら
こちらに顔を向けた。

「いや、それはアレだよ?ダラシナイとかじゃなくてね?
一々敷くのとか面倒臭いじゃん?だからさぁ~
効率性を重視してだな~」

「どんな効率性だよ。昼寝の効率性か!?
それ以上まだダラダラする気ですかアンタ!!!」

「いえ、ムラムラする気です」

そう言うとニヘラと笑い、和室の前で佇んでいる僕の元へとやって来た。
思わず後ずさりしたくなったが、それもヤバイ。

だって後ろには敷きっぱなしの布団がぁぁぁぁ!!!!

 

 

 

 

その後、僕が布団を上げる事に必死になったのは言うまでもない。

********************************
そろそろ本格的に原稿がヤバイんですが、
文通編のお陰で、ずっとムラムラしっ放しです(おいι)
 

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夕方、取り込んだ洗濯物を畳んでいると、テレビを見ていた筈の
神楽ちゃんに、いつの間にか背後を取られていた。

・・・ってか重い、神楽ちゃん。

「テレビはどうしたの~?」

僕の背中に張り付き、肩から顔を出している神楽ちゃんに問い掛けると、

「今の時間はお子様の時間ネ。」

つまらないヨ。と不貞腐れた口調で答え、そのままの体勢で前へと
手を伸ばしてきた。

それにより益々体重が掛かり、僕は思わず洗濯物を畳んでた手を止め、
畳へと手を着いた。

「ちょ、神楽ちゃん!今洗濯物畳んでるから!!」

「私も手伝うネ。寄越すヨロシ」

顔を後ろに向けてそう言うと、神楽ちゃんは更に手を伸ばして
僕の手にしていた洗濯物を掴もうとした。

「いやいや、この体勢だと無理だから。
とりあえず離れて~!!」

そう言うと渋々とだが背中から離れてくれた。
僕はホッと息を吐きながら体を元に戻すと、隣に来た神楽ちゃんに
タオルを渡した。

「はい、じゃあこれ畳んでね」

「んだよぉ、もっと手応えのあるヤツ寄越せヨ~。
ペラペラの機能性が薄いセーラー服とか
フリフリレース満載なメイド服とかヨ~」

「ねぇよ、そんな服。
ってか着る人居ないでしょ、ここには!!」

何そのマニアック丸出しな服!!と怒鳴ると、以外にも真剣な表情で
タオルを畳みながら、ポツリと神楽ちゃんが答えた。

「将来的に着るヤツは居るね」




・・・え、誰それ。




思わずピタリと体を固まらせていると、淡々とした言葉で
神楽ちゃんが言葉を続けた。

「この間、銀ちゃんが通販の本、チェックしてたネ。
きっちり折ったページ、そんなのばかりだったヨ。」

「いや、なんの通販だよ、それ。
ってか誰が着るのぉぉぉ!!?」

「ちなみにお金がないから、銀ちゃん、今『つもり貯金』してるネ。
二日に一枚のチョコを、最近では四日に一枚で我慢してるネ」

「何その小学生的貯金!!!!
寧ろパチンコ行くのを我慢しろよ!
ってか真面目に働けよ、そんなのするならぁぁ!!!
・・・ってアレ?この場合は働いていいの?
あ、いやいや。それよりそれ、誰が着るの!?ねぇ!!」

些か必死になってそう聞くと、畳み終えたタオルを重ねた神楽ちゃんが
クルリとこちらに顔を向け、ニッと口元を上げた。

「ちなみに私、今酢昆布が切れてる所ヨ」

「・・・え?」

「で新八。なんとなく居間のソファ、汚れてる気がしないアルカ?」

特に裏側辺りが。そう言って笑う神楽ちゃんに、僕は静かに口元を上げた。

「僕も丁度気になってたんだ、ソコら辺」

 




 


その後、二人で偶然した掃除により、偶々見つけたお金は
速やかに酢昆布と万事屋の食費へと消えた。

なんか銀さんが嘆いてた気がするけど、気のせいだろう。

それにしてもやっぱり掃除っていいな。
臨時収入あったし、なんだか
無駄に清々しい気分になりました。

************************
でもきっと坂田は諦めない(笑)

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そろそろ夕飯の支度でもしようと、ソファから腰を上げた所で
玄関の開く音と、神楽ちゃんの元気な声が聞こえてきた。

「ただいまヨ~」

「お帰り、神楽ちゃん」

まず自分の靴を脱ぎ、次に定春の足を拭いている神楽ちゃんに
声を掛けると、僕はそのまま台所へと向った。

・・・て、その前に・・

「ちゃんとうがいと手洗いするんだよ~」

と、一応釘を刺しておく。
判ってるネ、一々言わなくてもヨロシ。と、神楽ちゃんから返って来るが、
やっぱり言っとかないとね。

さて、神楽ちゃんも帰って来たことだし、さっさと作っちゃお。
銀さんはまだだけど、その内帰ってくるよね。

まず自分の手を洗いながら、作る順番を頭に描く。
ま、作るって言っても下拵えはもうやってあるしね。
しかもそんなに考えるほど、おかずないしね。

ちょっと虚しくなるのでそれ以上考えないようにする。
すると、いつの間に来たのか、不意に後ろから腰に抱きつかれて少し驚く。

振り返ってみれば、ソコには何だか楽しげな神楽ちゃんが。

「どうしたの?まだ何にも出来てないよ?」

そう言うと神楽ちゃんは そうじゃないネ。 と少しだけ口を尖らし、
僕の腰に巻きつけてる腕に力を込めてきた。

・・・ごめん、神楽ちゃん、真剣に痛いから、それ。

ギブギブ!!と叫ぶと、満足したのか漸く神楽ちゃんが力を緩めてくれた。
そしてまた楽しげな表情へと戻る。

「新八、新八!クイズするネ」

「クイズ?」

どうやら力を緩めたものの離す気はないらしい神楽ちゃんをそのままにして、
僕は夕飯作りへと戻り、耳だけを傾ける。
なんでも今日は大人しく友達とクイズを出し合って遊んだらしい。

・・・まぁ罰ゲームは何時もの如き・・・だったらしいけど。

それを僕にもお裾分けしてくれるそうだ。
神楽ちゃんの楽しそうな雰囲気に、思わず僕もホッコリ笑顔になる。

「で?どんな問題?」

言っとくけど夕飯作ってる最中だから、罰ゲームはなしね。そう言うと
神楽ちゃんは 仕方ないネ。 と笑い、クイズを出して来くれた。

何問か出され、どうにか間違わずに答えていく。
そして、そろそろ夕飯も出来上がろうかという時に、
最後の問題ネ。 にししと笑って神楽ちゃんがあるクイズを出した。

「『遺体』と『死体』どっちが男アルカ?」

「へ?」

出された問題にキョトンとしていると、新八にはちょっと難しいネ。と
フフンと笑われ、僕は一旦手を止めて真剣に考えてみる。

・・・なんだろう、なんか言葉でも掛けられてるのかな?

だが、幾ら考えても判らず、僕は降参とばかりに両手を上げた。

「ダ~メ、全然判んないや。どっちが男なの?」

「やっぱり新八はダメガネネ。仕方ない、グラさんが教えて差し上げるヨ。
あのね、『死体』が男アル。」

自慢げに答えを教えてくれる神楽ちゃんだけど、なんでそうなのかが
全く判らない。

「なんで男が『死体』なの?」

料理を盛り付けながらそう聞くと、後ろで一瞬首を傾げる気配がした。

あれ?まさか知らないの?

そう思っていると、神楽ちゃんが何かを思い出しながら
ポツポツと説明をしてくれた。

「えっと・・・女は『いたい』ネ。でも男は『したい』ネ。
だから『死体』が男ヨ」

でも何が痛くてしたいアルカ?そう聞いてくる神楽ちゃんに、
一瞬思考が止まる。

あの・・・それってつまりあの・・・・

嫌な汗がじんわりと出てくる中、どう言ったものか・・・とグルグル
していると、玄関が開く音が耳に入ってきた。
それと、ダルそうに帰りを告げてくる銀さんの声。

た、助かった~。

ほっとしつつ、後ろに居る神楽ちゃんを振り返る。

「銀さん帰ってきたね。夕飯も出来たし、ご飯にしよっか」

ちょっと口元が引き攣ってたかもしれないけど仕方ない。
こう言う話題は苦手なんだよ、僕!!
自分が判る限り、神楽ちゃんの疑問には答えてあげたいけど
これは無理。荷が重いから、僕には!!

なんとか話を変えつつ、料理を持って行くよう神楽ちゃんに
頼むと、快く引き受けてくれた。

良かった、どうやら話を変える事が出来たみたいだ。

安心して料理を居間へと持っていく神楽ちゃんを見送り、僕はお味噌汁を
よそう。

だけとびっくりしたな~、そんなクイズ、誰が出すんだろう。

最近の子達って凄いな~。なんて思わず考えていると、
居間の方から神楽ちゃん達の声が聞こえてきた。

どうやら銀さんに手伝いを褒められているらしい。
言葉は悪いけどね、本当素直な人達じゃないよな。

二人の会話にクスリと笑っていると、

「そう言えば銀ちゃん、なんで『したい』が男で『いたい』が女ネ」

と、神楽ちゃんの声が聞こえ、僕は再び思考停止となった。

「あ~?なんだそりゃ」

「今日やったクイズネ。『遺体』と『死体』男はどっち?って言うので
『死体』が男アルけど、なんでそうなるネ」

心底不思議そうな神楽ちゃんの声に、銀さんの あ~、そういうのね。と
ダルそうな声が続いた。

ってかまだあの疑問を忘れてなかったのか、神楽ちゃんはぁぁ!

僕は味噌汁をその場に置いて、居間に居る二人の下へと向った。

また早い、早いからね、そういう話題は!!

空気読めよ、コノヤロー!!と祈りながらも、銀さんの事だから
何も考えず答えてしまいそうだ・・・と焦る。

居間に着き、止めようと銀さんの名前を呼ぼうとする前に、
銀さんはかったるそうに頭を掻きながら神楽ちゃんに答えていた。

「それはアレだ。間違ってるぞ?」

・・・と。
その言葉に、神楽ちゃんは首を傾げ、僕は目を丸くする。

・・・あれ?銀さん、空気読んだ?てか逃げた?
どっちにしろちょっとマトモな人に見えるよ、銀さん!!

ホッと胸を撫で下ろし、これなら銀さんに任せといてもいいかな。
と、再び台所へ戻る事にする。

「なんでネ。答えはこれで合ってるヨ」

納得いかないらしい神楽ちゃんの声が聞こえる。
そりゃ~そうだよね~。友達とやった時は、理由は判らなくても
それが答えだったんだもんね。

でも銀さん、ここは誤魔化してくださいよ?
その無駄に上手い口先を心置きなく使ってくださいよ?

そう思っていると、銀さんの声が聞こえてきた。

「なんでも何も違ってんだから仕方ねぇだろ。いいか?万事屋においては
『したい』が銀さんで『いたい』が新八だ」

「って何言ってんだコノヤロー!!」

銀さんの言葉に、僕は光の速さで持って居間へと舞い戻り
手にしていたお玉を力いっぱいぶん投げた。

どうやらそれは銀さんの額に命中したらしい。

酷くいい音を発して、一瞬銀さんの頭が後ろへと飛んだ。
・・・が、あまり威力はなかったらしい。
いってぇなぁ。なんて言いながら、銀さんはすぐに頭を元に戻した。
そして少し赤くなった額を摩りながら、

「何すんだよ、新八。あ、あれか?新ちゃんも『したい』の方か?
そうだよな~、銀さん頑張ってるから
『いたい』はねぇよなぁ」

等と一人納得しながら頷いた。

「うっせぇよ!!黙れよもう!!!」

なんで僕、お玉持ってたんだろう。
包丁持ってれば良かったのに!!

等と悔やんでいると、神楽ちゃんがポンと手を叩くのが見えた。

・・・え?何納得してんの、神楽ちゃん。

「成る程、判ったネ。
そう言う意味だったアルカ」

「ってどう言う意味ぃぃぃ!!!?
ちょ、神楽ちゃん、何をどう判っちゃいましたか!?」

「何ってアレだよなぁ、俺達の夜の営み・・・」

「黙っとけやコラァァァ!!!
なんでこう言う時だけ素直ぉぉぉぉ!!!?」

「新八~、ご飯食べるネ。私、お腹すいたヨ」

「いや、なんでそんなすっきりしてんの!?
なんで謎は全て解けた的表情してんのぉぉぉ!!?

やめてくんない?あれで理解するの
やめてくなんいぃぃ!!」

 

 

その後、真っ赤になった新八によって
『万事屋内、クイズ禁止』令が出されたのは言うまでもなく、
暫くの間、お泊りもなかったのはもっと言うまでもないのであった。

***************************
娘は知らないうちに成長していきます(おいι)

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