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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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※文通編の話になります※
※グダグダ感満載です※






新八がうららの姉を追いかけて行った後、銀時達は土方達と
上手いこと合流し、車を手に入れた。
そして、これまでの経緯を簡単に話していく。

「で、新八君はどうした?」

近藤の言葉に、銀時はダルそうに追いかけて行った事を告げた。
それに土方が呆れたように言葉を零す。

「目当ての女、ほったらかしにしてか?」

「・・・理屈で動くヤツじゃねぇ。
目の前で泣いている女が居たら、惚れた女ほっといて涙拭きに
行くヤツだ」

そう語る銀時に、土方も近藤も妙に納得してしまう。
確かに、あの少年は、そうするだろう。
そんな所が、また気持ちの良い所なのだけれども、
何分土方と近藤は仕事中だ。
そろそろ車を返して欲しい。

そう思い、土方が口を開こうとするが、一瞬先に銀時が口を開いた。

「ちなみに目の前で泣いている女が居たら、
例え愛しの銀さんが居たとしても、ほっといて拭きに行くんだけど
そこら辺どう思う?
ちょっと酷くね?」

「うるせぇよ!!!
なんだソレ!どう言う繋がりぃぃ!!?
ってかテメーと比べたら、誰でもそうするわぁぁぁ!!!」

「なんでだよ!?言っとくけどなぁ、俺は例え目の前に
泣いてたり真っ裸な女が居たとしても、新ちゃんから
離れたりしませんんん!!!
ってか誰が見せるかそんなモン!!
新八の清らかな目が穢れるわぁぁぁ!!!」

「なら一番にテメーが離れてやれよ!
テメーが一番の穢れの元
なんだよぉぉぉぉ!!!!」

怒鳴りあう銀時と土方を余所に、突然車が音を立てて止まった。

「ちょ、行き成り止まるな、総悟!!」

文句を言う土方に、沖田は一つ息を吐くと銀時へと顔を向けた。


「旦那ぁ、新八語りはいいですが・・・事件ですぜィ」


目の前のビル、ソコには今にも飛び降りそうなきららの姿があった。

 

 

 




 

 


屋上で一悶着あり、結果として飛び降りてしまったきららを追って銀時は
体をビルの外へと投げ出した。
そして上手いことキャッチし、銀時はきららの言葉を聴いた。

その最中、銀時は視線を感じ、視線を流す。
見れば向かい側のビルに、真剣な表情をした新八の姿が。

多分色んな所を走り回ったのだろう。
遠くからでも、肩で息をしているのが判る。
そしてきららの告白。

・・・何やってたんだろうな、俺は。

こんなにも一生懸命に縁を繋げようとしている二人の邪魔をし、
新八の努力も無駄にしてしまう所だった・・・

視線の先では、新八が紙を掲げている。
それはきっと心からの言葉で、それはきららを
救ってくれる言葉だ。

・・・あぁ言う事、素でやっちゃうのが新八なんだよなぁ。
本当、天然タラシで困っちまう。

銀時は淡く笑みを浮かべると、反動をつけてビルの中へと
飛び込んだ。
そして、一度唇を強く噛み締めると、自分の決心に震えそうな声を隠し、
きららに告げる。

「・・・返事、返してやってくれるか?」

その言葉は、もしかしたら自らの首を絞める結果になるかもしれない。
だが、アソコまで頑張っている新八の努力を無駄にする事は出来ない。

そんな可哀想な事・・・

そう今までの自分の行いを反省している銀時の前で、
二人の文字での会話が交わされる。
そしてきららの名前を知った新八が、酷くやんわりとした笑みを
浮かべるのが目に入った。

その笑顔に、銀時は口元を緩め、次にハッと目を見開いた。



・・・て待てよ?アレが俺以外のヤツに向けられるのって
やっぱダメじゃね?
新八頑張ったけど、俺だって頑張ったじゃん!?
色々小細工はしたけど、ウソはついてないじゃん?
新ちゃんとの為に頑張ったじゃん!!?
これで新ちゃん取られたら、俺が可哀想じゃね!?
ってか、取られたらダメじゃね!?







・・・やっぱ全力で邪魔しよう。
でも、新八可哀想だから、せめてこれ以上縁が進まないように
きっちり見守っていこう。
小細工、ガンガンしていこう。
行って友人止まりだから、本当!!

幾ら優しくても、銀さんをほっとくのはやっぱ禁止ですぅぅぅ!!!
もし新八が涙を拭きに行っても、しっかり着いてくから。
握ったこの手は離さないからぁぁぁ!!!!!


いい風が吹く中、目の前で涙するきららをそのままに、
銀時はそう固く誓った。

*********************
坂田は坂田って事で。
台無し万歳~☆(おぃぃぃぃ!!!)

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夜も更けた頃、銀時に送ってもらいながら家路へと歩いていると、
見慣れた顔ぶれと行き会った。

「土方さん、沖田さん。こんばんは」

途端、銀時は嫌な顔をするが、それを肘で突きながら新八は軽く頭を下げる。
見れば相手側も微妙な表情をしているが、それでも片手を上げて
挨拶を返してくれた。

「おう、今帰りか?」

「あ、新八ィ、後ろにストーカーが居ますぜィ」

「これ銀さんんんんん!!!!
何、沖田君、きちんと目ぇ開いてますぅぅぅ!!?」

「お陰様でばっちりでさァ。土方さんの目は
もうすぐ閉じられたままになる予定ですけどねィ」

「おいぃぃぃぃ!!!何不吉な事言ってんだぁぁ!!」

相変わらずの会話に、新八は苦笑する。

「土方さん達は見回りですか?」

問い掛けると、沖田から小さい溜息が聞こえてきた。

「そうでさァ。全く、成長期の俺には睡眠が必要だって言うのに・・・
こう言うのは今後萎む一方のヤツがやればいいのにねィ」

ね、土方さん。そう言う沖田に、土方が軽く拳骨を落とす。

「昼間たっぷり寝てるヤツが何言ってやがる」

そんな二人に、新八は またサボったんですか・・・と笑っていると、
不意に横からグイッと腕を引き寄せられた。

見ればそこにはダルそうに頭を掻いている銀時が。

「あ~、はいはい。挨拶は済んだだろう、早く行こうぜ、新八。
で、テメーラは寝る間も惜しんで税金分きっちり働けや」

ヒラヒラと追い払うように手を振る銀時に、新八は咎めるように
名を呼んだ。

銀時の言葉にピクリと眉を上げるものの、ふとある事に気付いた土方が
新八達に問い掛ける。

「新八は判るとしても、なんでオメーまで一緒に居るんだ?」

訝しげに銀時を見詰める土方に、新八は苦笑を浮かべると

「家まで送ってもらってるんです」

ま、その後何処に行くか判ったもんじゃないですけど。そう言って
少し温度の下がった視線を銀時へと向けた。
それに慌てたように銀時が手を振って否定を表す。

「いやいやいや、そこは銀さんを信じとこうよ、新八君~。」

「だって何時も言いますけど、僕一人で平気ですよ?
寧ろ家に神楽ちゃん一人を残してくる方が心配です」

「何?冷蔵庫の中身が?」

口を少し尖らしそう言う新八に、銀時が真剣な表情で返し、
酷く良い音を立てながら頭を叩かれた。

「何言ってんですか!!
それも心配ですけど違うでしょ!!」

「・・・ってか心配な事には心配なんだな」

二人のやり取りを眺めていた土方がポツリと呟く。
それを聞き、新八は恥ずかしそうに微かに頬を染めた。

「そ、そうですけど、それはほんの少しですよ?だって神楽ちゃんは女の子で
僕は男ですもん。時間だってまだ早いのに・・・」

「アイツの場合、そんな性別があったとしても関係ないように
思えますがねィ。
それに早いって言ってももう夜ですぜィ?
未成年が出歩いていい時間じゃねぇや。って事で土方さん、
俺も帰っていいですかィ?」

「あぁ、見回りが終わったらな。」

聞いてくる沖田を軽く流し、しかし・・・と土方はやる気なさそうに
頭を掻いている銀時へと視線を移した。

「それならもっと早く帰したらどうなんだ?その方が安全だろ」

そう告げる土方に、銀時は ヘン と鼻を鳴らした。

「ソレが出来たら苦労しねぇよ」

銀時の言葉に、土方と沖田は首を傾げた。

何時見ても暇そうな万事屋である。
そんな時間の掛かる仕事・・・と言うか仕事自体あるのか疑問だ。

二人の仕草に、疑問をある程度理解した新八が困ったように
笑みを零した。

「いや、仕事自体は全くないと言っても良いんですけど、
他の事が・・・」

「他の事?」

土方の問い掛けに、新八は微かに視線を上げ、指を折って話し始める。

「えぇ、まぁ夕飯はいいんですけど、その後の片付けに明日の朝食の
下準備。後は銀さんの布団を敷いて、寝巻きの用意して、
歯磨きチェックして・・・・」

「な?無理だろ?早く帰るの」

新八の言葉に、銀時は何故か得意げに胸を張り、土方は深い息を吐いた。

「テメーは・・・何処まで世話かけりゃ気が済むんだ!!
しかも何だ?歯磨きチェックって!
年上の威厳はどうしたぁぁぁ!!!!」

「新八が相手ならとことんですけど何かぁぁあ!!?
大体年上の威厳なんざなぁ、歯磨きチェックの前じゃゴミだ、ゴミ!
至近距離で見詰められてみ?顎に手を添えられてみ?
・・・シャレになんねぇから、アレ」

「マジでか!!?」

最後は真剣な表情で言われ、思わず土方も真剣になりそうになる。
・・・が、直ぐ隣から酷く白けた視線を感じ、二人は慌てて背筋を
伸ばし、小さく咳を吐き出した。

「ま、まぁアレだ。例え早く帰ろうとな、やっぱ送る事に
なると思うわ、銀さん」

顎に手を当て、軽く頷きながらそう言う銀時に、新八が不満の
声を上げる。

「なんでですか。ってか、今現在
既に一人で帰りたい気満々なんですが」

「その方が安全な気がしてきたねィ。
あ、なんなら俺が送っていきますぜィ?」

「お前はそう言ってそのまま帰る気だろうが」

沖田の提案に、土方が速攻でダメだしをすると、判ってねぇですねィ。と
緩く頭を振られた。

「なんだよ、まさか『ちゃんと戻ってきます』なんて心にもねぇ事
言う気じゃねぇだろうな」

「やだねィ、人を信じられないってのは。俺は帰る気なんて
更々ないですぜィ。
そのまま新八ん家に
泊まってきまさァ」

「サボリには変わりねぇだろうが、それぇぇぇ!!!」

怒鳴る土方と、それを飄々と交わす沖田。そんな二人を余所に、
新八は銀時を見上げて先程の問い掛けを繰り返した。

「でも本当、なんで早くても一人じゃダメなんですか?」

不満げな表情の新八に、銀時は苦笑を浮かべると、

「だってさ、お前触られやすそうじゃん?」

そう言い、ポンと新八の肩へと自分の手を乗せた。

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

 

 

 

 

 

 

 


「・・・あれ?ちょ、なんで三人してそんな目で銀さんの事見てんの?」

新八は元々だが、つい先程まで怒鳴りあっていた土方達までもが
何故か動きを止め、銀時へと視線を注いでいた。

しかもみんな、漏れなく温度の低い視線だ。

「だってそうじゃね?新八ってめっちゃ攫われやすそうじゃね?
銀さん、めっちゃ心配なんですけどぉぉぉ!!!?」

訳が判らずキョドル銀時に、土方が呆れたように溜息を吐いた。

「いやそうかもしれねぇけどな?まず自分の発言を心配しろや」

そして沖田が新八の肩に乗っていた銀時の手をそっと退ける。

「旦那ぁ、一応本音は隠しましょうぜィ?
さすがにで言い間違えられちゃあフォローも入れられやせん」

「え?何、何?この生温い雰囲気!!
なんかものっそい居た堪れないんですけどぉぉぉぉ!!!?」

何か変な事言った!?と新八の肩を再度掴み、問い掛けようとした
銀時だったが、すっとその身を離され、空振りへと終わる。
そして少し銀時との距離を開けると、新八はやんわりと口元を上げると、


「じゃ、そろそろ帰りますね、土方さん、沖田さん、銀さん
お休みなさい」


軽く頭を下げた。

それに目を丸くする銀時。

「は?いやいや送ってくって、新ぱ・・・」

「結構です」

銀時の申し出を笑顔のまま交わすと、新八はそのまま歩き出そうとする。
それに慌てて駆け寄り、銀時は新八の腕へと手を伸ばした。

「だってお前、もし触られたらどうする・・・」

「うっせぇよ!!
何ソレ、既にその危機なんですけどぉぉ!!!?
統一しろよ、ソコは!!さっき普通に言えてたじゃん!!!」

「・・・無意識に言ってんじゃねぇのか?それ」

ポツリと土方が呟くが、言い争ってる二人には届かない。
真っ赤な顔をして怒鳴る新八に、銀時はますます首を傾げる。

「ってかさ~、なんでそんなに怒ってんの?
触られやすそうっての、恥ずかしかった?
仕方ないじゃん、お前触られやすそうな顔してんだもん」

「連呼してんじゃねぇよ。
ってかどんな顔じゃ、
ボケェェェェェ!!!!!!」

真面目な顔でそう言ってくる銀時の頭を叩き、新八は近くに居た
沖田の手を取ると、土方へと視線を向けた。

「土方さん、沖田さん借りますから!!」

今日は沖田さんに送ってもらいます!!そう言う新八の迫力に負け、
思わず土方が頷くと、鼻息も荒く、沖田を引きずるようにして
新八は歩いていってしまった。

遠くなっていく二人に、何やら夜更かしの相談なんかも聞こえてきたが
一度了承してしまった為何も言えず、土方は深く息を吐いた。

その隣で銀時が叩かれた頭を摩りながら、二人の後姿を
見送る。

「あ~あ、行っちまったよ、おい」

いいのかよ、アレ。と銀時に横目で見られ、土方はヒクリと頬を
引き攣らせた。

「誰のせいだと思ってやがる、あぁ!?」

「部下に尊敬されてねぇヤツのせい。
・・・あ~ったく、仕方ねぇなぁ」

その言葉に怒りを顕にする土方を無視し、銀時はゆっくりとした足取りで
動き出した。
それを訝しげに見る土方。

「おい、何処行く気だ?」

銀時が向おうとしている方向は万事屋とは反対方向である。
それは今しがた新八達が消えていった方向でもあって・・・

土方の問い掛けに、銀時は顔だけを軽く向けると、

「やっぱアレだからね。
ちょっくら触ってくるわ、新八」

そう言ってヒラヒラと片手を振り、そのまま歩いていった。
土方はその後姿を呆れた表情で見送り、新しいタバコに火をつけた。

「だから間違ってるってぇの・・・て、本当に間違ってるのか??
アレ??
ってか間違ってても
間違えて無くても犯罪じゃね!?」

首を傾げる土方の耳に、遠くの方から新八の叫び声大きな衝撃音
そして何処か楽しげな沖田の声が入ってきた気がしたが、
気のせいだという事にして、少々疲れた体を引きずり、仕事へと戻っていった。

 

 

 

 

 

―――――――その後、不審な人物が道端で寝転がっていると
真選組に一報が入るのだが、それはまた別のお話・・・

*******************
普通に言い間違えそうです。
でもある意味間違いでもない(おいι)
 

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※公平も時と場合による。のちょっと続きになってます。※







朝日がゆっくりと顔を出した頃、その日万事屋に泊まった新八が
ゆっくりと閉じていた目を開けた。

未だ眠そうな目を数回擦ると、欠伸をしながら体を起こし、視線を隣の
布団へと向けた。
何時もならばそこには未だ夢の中に行ったっきりの銀時の姿が
ある筈なのだが、今はなく、昨夜その布団の主が帰ってこなかった事を
告げていた。

「朝帰りか・・・それとも玄関辺りで倒れているのか・・・」

昨夜、ちょっと出掛けてくる・・・と言っていそいそと出掛けた銀時を
思い出す。
原付の鍵を持っていかなかった事から、呑みに行ったのは確実だ。

とりあえず人様に迷惑掛けてなきゃいいけど・・・ってか
僕にも迷惑掛けなきゃもっといいんだけど・・・

小さく溜息を吐いて自分の布団を畳み、押入れへと仕舞う。
銀時の分はそのままだ。
多分帰って来た瞬間、布団へと倒れこむ羽目になるだろう。

これじゃ~今日も仕事はないな。

タイムサービスでいいのがありますように!!と願いながら着替え、
居間へと足を向けた・・・が、直ぐにその足を止め、びくりと体を
振るわせた。

何故なら薄暗い居間のソファに誰かがボーっと座っていたからだ。


「って何してんですか!銀さん!!」

よく見ればそれは銀時で、新八はほっと胸を撫で下ろすものの
驚かされたという気持ちから、少し声を尖らせる。
その声に、銀時がのそりと顔を上げた。

「新八・・・お前・・・」

「なんですか?」

何かを問い掛けるように口を開く銀時に、新八はコトリと首を傾げる。
どうやらそれ程酔っている訳ではない様だ。
だが、言い難そうに視線をあちこちへと飛ばす様に、新八はますます
首を傾げる。

とりあえず少し待ってみるものの、中々はっきりと言葉に出そうとしない
ばかりか、ガクリと肩を落としてしまった銀時に、
新八は小さく溜息を吐くと とりあえず顔洗ってきます。 と
その場を後にした。

朝と言うのは何かと忙しいのだ。

サカサカ顔を洗い、歯を磨き、序に神楽も起こす。
そして台所へと行くと、薬缶に火を掛けお湯を沸かす。
その間、冷蔵庫から食材を出し、炊飯器をチェックしながら
先程の銀時の姿を思い浮かべた。

なんだろう、銀さん。
なんか物凄く言い難そうだったけど・・・
まさかお金全部使っちゃったとか!?

ありえる可能性に、新八は一瞬血の気が引いてしまう。

・・・いやいや、大丈夫。
銀さん、あぁ見えて奢らせるの上手いし、そんな命の糸を自ら断ち切るような
真似しない・・・
とも言い切れないんだけどね!!!

もしそうだったらどうしよう!!と青くなる新八の前で、薬缶が
お湯が沸いた事を告げた。

それを合図に、まずは銀時に話を聞いてみなければ・・・と急須にお湯を入れ、
三人分の湯呑みを持って居間へと戻っていく。

「あ、神楽ちゃんお早う。ちゃんと顔洗った?」

戻れば銀時の向かい側のソファに神楽が座っていて、新八の挨拶に
眠そうに手を上げて答えを返してくる。

それに笑顔を返し、それぞれの湯飲みにお茶を注いでいく。
湯呑みを渡す時にちらりと銀時を見るが、まだ肩を落としていて
何かを話す気配はない。

なら先に朝ごはんを作ってこようか・・・と、新八がそのまま台所へ戻ろうと
した時、漸く銀時が言葉を発した。

「新八・・・それに神楽」

「なんですか?銀さん」

呼ばれて不思議そうに見返すと、何かの覚悟が出来たのか、銀時は
自分の膝をパン!と叩くと、力の篭った目で神楽と、その隣に腰を降ろした
新八を見据えた。

「どうしたネ、銀ちゃん」

「何かあったんですか?」

銀時の何時にない真面目な雰囲気に、神楽も新八も少しだけ心配になる。
そんな二人に銀時はコクリと唾を飲み込むと、

「お前ら、昨日何処にいた?」

と、問い掛けてきた。

「昨日?」

不思議そうに問い返せば、重々しい雰囲気で銀時が頷く。

「と言うか昨日何してた?」

「何って・・・」

そう言って神楽と新八は顔を見合わせる。

昨日は二人で買い物に行って、その帰りに公園に寄り、偶々そこで昼寝
していた沖田と軽く神楽ちゃんがバトルして・・・

昨日の自分達の行動を思い出し、コトリと首を傾げた。

別に変わったことはしていない。何時も通りだ。

そう言うと銀時はバンッ!とテーブルを叩き、その体を乗り出した。

「何時も通り!?ゴリに抱っこされる事が日常的なんですか
お前らはぁぁぁぁぁ!!!!」

「「・・・は?」」

言われた言葉に、神楽と新八はポカンと口を開ける。
が、それが気に入らなかったらしい。銀時は荒々しく体を戻すと、
腕を組んで顔を背けた。

「言っとくけどなぁ、銀さん、全部知ってるんだからな!
丁度お前等がゴリラに抱っこしてもらってる時ぃ?
長谷川さんが居合わせたらしくてぇ?
ものっそい楽しげにぃ?ほのぼの家族的みたいなぁ?
そんな感じだったらしいですねぇ、あぁ!!?」

銀さん、その時万事屋でお留守番だったんですけどぉ?そう恨めしげに
いう銀時に、二人は呆れた視線を投げる。

「・・・ってアンタ、昼寝してただけじゃないですか、その時」

「そうネ。誘ったけど着いて来なかったのは銀ちゃんネ」

「うっせぇよ!!だからってなぁ、なんで抱っこになるんですかって
話だよ!!そう言うのは銀さんの役割だろうが!?」

なんでゴリ!?と怒りを顕にする銀時に、

「いや、銀さんの役割でもないでしょ」

と冷静に突っ込むが、銀時の怒りは収まらないらしい。
二人に向って上半身を乗り出してきた。

「い~や、役割ですぅ!
ってかほのぼの家族は坂田家の別名ですぅ。
勝手に他のヤツラを入れないで下さいぃぃ。
勿論ペットとしても不可だあんなゴリラァァァ!!!
大体そんな無防備に抱っこなんてされてんじゃありません!
男は皆狼だって言ってんだろうがぁぁ!!!!」

「アレは狼じゃないネ、ゴリヨ、ゴリ」

「もっと悪いじゃねぇかぁぁぁ!!!
ふっざけんなよ、なんで俺もやってねぇような事をゴリが
やってんだよ!おかしくね?
それっておかしくね?」

「アンタの頭がおかしいよ、本当」

「おかしくねぇよ!!
長谷川さんはおかしそうに話してたけどな?
微笑ましい的雰囲気で話してたけどな?
銀さん、マジ泣きそうだったから。
本気で泣き入りそうだったから!!」

切々と語りだす銀時に、新八と神楽は深々と溜息を零す。

なんなんだろうか、この大人は。

思わず心の底からそんな事を思ってしまう。

自分達の事を大切に思ってくれる事は嬉しいが、
まさかこんな事で朝の貴重な時間を潰されてしまうとは・・・

やってられないとばかりに新八はソファから立ち上がると、
朝食を作るべく台所へと向おうとした。
それに銀時が慌てて手を伸ばす。

「ちょ、待てって!まだ話は終わってねぇ・・」

「はいはい、判ったネ。」

そう言って神楽が銀時の伸ばした手を掴み、そのまま自分の下へと
引っ張る。そしてヒョイッと銀時の体を上へと放り投げた。

「はい、銀ちゃん、高い高~いネ」

「って俺じゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

銀時の叫び声と、何かが固い物に当たる音を聞きながら、新八は
さっさと朝食の献立へと意識を変えることにしたのであった。

**********************
蒼さん、坂田はやっぱり坂田だったよ(笑)
で、只今この坂田を幸せにするかどうか考え中。
・・・やっぱり放置が一番ですか?(おいι)

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※文通編最中の話となっております※
※いつも以上にグダグダになっております※











土方が書いた手紙を持ち、新八が足早に部屋を出て行った後、
残された三人は少しだけ顔を引き攣らせていた。

原因は土方が消し忘れた近藤の文章。

「・・・あ~あ、やっちゃったなぁ、おい」

ボソリと出された銀時の言葉に、土方の眉がピクリと上がる。

「可哀想にな~新八。これでもうダメだろうなぁ」

そしたら泣いちゃうかな~、泣いちゃうだろうなぁ。肩を竦め、
溜息を吐きながら言葉を吐き出す銀時に、土方は大きくタバコを吸うと、

「アレは・・・アレだ。テメーへのフォローだ」

だから泣いたらテメーのせいな。そう言って銀時に向けて煙を
吐き出した。

それを手で払いのけながら、銀時が眉間に皺を寄せる。

「あぁ!?なんで俺のせいなんだよ。ってか俺へのフォローってなんだ!!
そんな事頼んでないんですけどぉぉぉ!?
寧ろテメーが無意識に消さなかったんじゃねぇのか!?
よくやった!!」

「んな訳ねぇだろ!!!
大体なぁ、頼んでねぇけど
オーラがバリバリだったんだよ!!
潰してくれオーラが出まくってんだよ、テメーは!!!
ってか礼を言うなぁぁぁ!!!」

互いの襟を掴み、睨みあう二人に、近藤が慌てて間に入ってくる。

「まぁまぁ落ち着け、二人共。仕方ないだろう、もう新八君は
手紙を出しに行ってしまったんだから。
なんなら今から追いかけてみるか?」

まだ間に合うかもしれないぞ。そう問い掛ける近藤に、銀時と土方は
一瞬目を合わせると、

「「・・・いや、それはいい」」

声を合わせて答え、大人しく互いの手を離すと元の位置へと戻っていった。
そんな二人に近藤は そうか? と答えると、座り直して
腕を組み、土方に視線を向けた。

「でもな?トシ。万事屋だって新八君の為に頑張っているぞ?
色々小細工はしてるみたいだが」

「その小細工が新八の為か
自分の為かは判らねぇがな」

「おいおい、ちょっといい加減な事言わないでくれますかぁ!?
俺は常に新八の事を考えてますぅぅ
銀さんの半分は新ちゃんの事で出来てる勢いですぅ」

「勝手に主成分にしてんじゃねぇよ!
切り離してやれよ、馬鹿が移んねぇうちに!!
ってかその割りに全然いい方向に行ってる気がしねぇけどなぁ?」

「それはテメーらのせいだろうがぁぁぁ!!!
本当、いい加減にしろよコノヤロー。
願ったり叶ったりじゃねぇか。」

「人のせいにすんな!!
ってかさっきから本音が見えてんだよ、
隠せよ、せめて!!」

再び怒鳴りあいを始めてしまった二人に、近藤は
苦笑を浮かべ、まぁいいか・・・と、止めるのを諦めてしまう。
そしてどんどん本気を出していく二人を、少し離れた所から眺めた。

「大体なぁ、真剣に考えてんなら近藤さんを引き入れてんじゃねぇよ!
ダメになるに確立大幅アップじゃねぇか!!」

「だから入れてやったんじねぇか!!
有難く思えやコノヤロー」

「あれ?なんか俺、酷い事言われてない?」

「いや大丈夫だ、テメーは最高にいい仕事をしてるさ、
グッジョブ、ゴリ」

ふと耳に入ってきた言葉に疑問を浮かべるものの、直ぐに銀時に
否定の言葉を返され、おまけにサムズアップまで送られて
近藤は素直に引き下がった。
それを見て土方が大きく息を吐き、髪をかき上げる。

「だがな、仕事をしねぇのは困るんだよ。
せめて時間外にやれ、時間外に」

「時間外ならいいのかよ!!
ってかそんなの構ってらんねぇんだよ。そんなの待ってたら
新八が自分で考えちまうかもしんねぇだろうが!!」

「んだとぉ?それぐらい自分で考えりゃいいじゃねぇか!
後で幾らでも握りつぶしてやんよ!
・・・てかそれでいいんじゃねぇか?ぶっちゃけ」

「いやいや、それで行き成り相手から手紙が来なくなったら
新ちゃん、可哀想じゃね?
未練、残しちゃいそうじゃね?」

「ようはソコかよ。
でも・・・そうだな~、それはちと困るな・・・」


腕を組み、今度は真剣に悩みだした二人に、近藤は小さく口元を上げた。

何だかんだ言っても真剣に新八君の事を心配してるんだなぁ、
幸せ者だなぁ、我が義弟は。

そう思い、軽く頷くと、今頃手紙を出しているだろう新八に、

これだけ皆真剣に考えてんだ、頑張れ、新八君。

と、一人素直なエールを送ったのであった。

***************
すみません~、本当すみません~!!!(土下座)
ついア○銀の新ちゃん祭りに色々暴走してしまいました~ι

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道を歩いていると、嫌なやつに会った。と言うか勝手に前から歩いてきた。
本当、そんなに狭くもねぇ街だと思うんですけどね?ここは。
てかプラプラ歩いてるだけの俺と遭遇って、
どんだけテメーもプラついてんだって話だ。

仕事ねぇのかよ、お前は。
言っとくが俺はねぇ。

とりあえずそのツラ見るだけで腹が立つが、こいつの為に自分の進む方向を
曲げたくねぇ。
なので こっち来んな。 と念を飛ばす。

・・・が、あっさりと俺の前まで来やがった。

本当、空気読め、お前。

そして何時もの如く、向き合う。

「おうおう、多串くんよ~。相変わらず何もしてない人も土下座する勢いの
面構え
してんじゃねぇの。何、その眉間の皺。
5百円玉何枚挟めるか挑戦でもすんの?判った、とりあえず俺も
協力してやるから5百円寄越せや」

「はっ!土下座するヤツはそれなりの事してんだよ。
ってか誰がするか、そんな挑戦!
大体協力するなんて言っておきながら、絶対ぇ猫糞すんだろ?
よ~し、恐喝未遂で逮捕だ。大人しく首出せ」

「おいおい、善意の行為に対してその言い草はねぇんじゃねぇの?
やだね~、これだから幸薄い人生送ってきたやつは。
ってか逮捕でなんで首?何か単語忘れてませんかぁ?」

「いいんだよ、首で。
ちょっと叩っ斬るだけだからよ。
っつうか明らかにテメーの方が幸薄い人生だろ、その頭が証拠だ」

「斬ったらちょっとも何もねぇよ。
お前逮捕の意味間違えてない?
一回辞書引いて恥ずかしさのあまり
首吊って来いよ、な?」

「何説得入ってんだ、おいぃぃぃぃ!!!!」

やっぱ叩っ斬る。と刀に手を掛ける土方に、銀時は緩く首を振って肩を
竦める。

「やっぱり不幸モンは短気だねぇ。俺を見てみ?
あまりの幸せライフに、全てが余裕だから。」

「テメーの場合は頭と財布が余裕過ぎてスカスカなんだよ」

ははん。と笑う銀時に、土方は忌々しげに呟き息を吐くと、刀に置いていた手を
離した。
そしてタバコを取り出すと、一本取り出して火をつける。

「ったく、なんでこんなヤツの所にあんな勤勉なヤツが居んだか・・・」

土方の零した言葉に、銀時の眉が微かに上がる。

「何?俺の幸せの源・新ちゃんがどうしたって?
言っとくがな、眼鏡=勤勉なんて連想、今時古いぞ?
今は眼鏡=新八だ」

「いや、意味判んねぇし。
ってか妙なキャッチフレーズつけてんじゃねぇよ
何か可哀想だろうが」

呆れ顔でそう言うと、土方は深々と煙を吐き出し、ちらりと視線を
銀時へと向ける。

「・・・それよりよ、なんであいつに
稽古なりなんなりしてやらねぇんだ?」

「・・・何それ」

土方の言葉に、それまで緩い表情だった銀時の顔が少しだけ変わる。
それを見、土方は何か思案するように頭を掻いた。
どうやら目の前の男はこれを言う為に、態々自分の前まで来たらしい。
土方は面倒臭そうに、だが止める事無く言葉を続けた。

「今日もそうだったがよ、近藤さんを探しに行くと時々新八が一人で
稽古してんのを見掛けんだよ」

道場自体が珍しくなってしまったこのご時勢、それも仕方ないだろう。
それでも剣を捨てず、一人頑張っているその姿に、土方は好感を抱く。
けれど幾ら頑張ったとしても、一人では限界があるのだ。

そこでつい土方は一言二言、助言してしまうのだが

「テメーは何も言わないらしいな」

その上稽古らしきものもつけてもらった事がないらしい。

自分の些細な助言に真剣に耳を傾け、頑張っていた少年は
困ったように笑い、そう答えていたのを思い出す。

銀時はそんな土方を見ると、小さく肩を竦めた。

「当ったり前ぇだろ。もしアイツが教えを乞うてこようが、
俺は何も言うつもりはねぇよ。
・・・ってかお前にも構って欲しくねぇんだけどな」

「あぁ!?!テメー、どう言う意味っ・・・」

銀時の答えに、土方の目尻がキッと上がる。
そして手を伸ばし、襟首を掴んだ所でピタリと動きが止まった。

銀時の手が、その手を止めていた。

「いいか、アイツのは『何も』知らない、けれど何かを『守る』剣だ。
そこに『斬る』為の剣しか知らねぇヤツが何を言えってんだ?」

ギラリと鈍く光る銀時の目に、土方は一瞬、勢いをなくす。

そう、土方の言うとおり、自分は新八に何も言った事がない。
だがそれは、言わない・・・のではなく、言えない・・・のだ。

自分の言葉一つで新八の『剣』に、『実戦向き』の・・・『人を要領良く殺す』
剣が加わってしまうのが怖くて。

折角そんなものを知らないのに。

知らないままで、いい状況なのに。

俺は知らない。

そんなものしか知らないのだ。


「俺には、何も言えねぇのよ」


銀時は小さく苦笑を浮かべた。

「寧ろ俺がアイツに教えて貰ってんだよ、『守る』って意味を。
・・・まぁ本人は無自覚だけどな」

銀時は少しバツが悪そうに眉を顰めると、掴んでいた手を
突き放すように離した。

その勢いに土方は二三歩後ずさると、微かに口元を緩め、
銀時は面白くなさそうに口を曲げた。

少し、話し過ぎちまったな。

銀時は盛大に頭を掻くと、止めていた足を再び動かした。

「ま、それにアレだ。俺が新八相手に稽古なんてつけれる訳ねぇだろ。
アイツ相手に木刀振るうとか、マジ考えらんねぇっての。
そんな事になったら、全力で手を抜くね、俺ぁ」

本命相手にそんなSプレイはしねぇ。そう言って土方の横を通り過ぎていく
銀時に、土方は笑いを含ませた声で へいへい。 と返事を返した。

「ってかテメーも勝手に口出してんじゃねぇよ!
何だ、おい。自分色に染める計画発動中ですか、コノヤロー!!」

「基本だけだ、基本だけ。
しかし、それで言ったらアイツがテメーの色に染まるのは
五十年後か?」

「髪の色の事じゃねぇよ!!
つうか俺のは銀だって言ってんだろうがぁぁぁ!!」

振り返って叫ぶが、既に土方も歩き出している。
銀時はその背中に小さく舌打ちをした。

・・・やっぱ話過ぎちまったな。
最悪だ、アイツ。・・・今から頭殴ったら記憶飛ぶか?

そんな考えが浮かぶが、態々アイツの為に引き返すのもムカつく。
そんな事するぐらいなら、少しでも早く帰りたい。

自分に守るべき意味を教えてくれる、あの少年と、あの空間に。

銀時は動かしている足を、少しだけ早めた。

********************
坂田、真実の愛に目覚める(違うι)
とりあえずウチの坂田は稽古はつけません、
怖がりでヘタレなんで。
それを新ちゃんは知ってるので、あえて教えて貰おうとは
しません。
でも、馬鹿だな~。とは思ってます(笑)

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